山本兼一著「利休にたずねよ」

今年の年末に映画化される、ちょっと前の直木賞作品。

題名からして千利休の話なのですが、いわゆる利休にまつわるオムニバスで、スポットの当たる人物がコロコロ変わります。歴史小説にはありがちなのですが、一人一人の描写が希薄になってしまい、あまり印象に残りませんでした。

千利休切腹の日から始まって、秀吉との仲違いや、柴田勝家討伐の頃、信長全盛の時代、さらには利休が19才のころ、項を繰るごとに時代がさかのぼる逆行方式も、狙いがいまいち見えませんでした。利休の過去を探るというドキュメンタリー的なノリなのかもしれません。

率直な感想として「どうだろな」という。直木賞らしいといえば直木賞らしいのですが、私はあまり好きになれませんでした。千利休を主軸にし、ちょいちょい周りのキャラも描きつつ、普通の時間の流れに沿って進行してくれたほうが、よっぽど楽しめたことでしょう。ってそんなんだと既存の名作に負けちゃうから、こういう体にしたんでしょうが。

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