種牡馬エスポワールシチーについて考えるin2020

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つい先日(2020年9月中旬)、友駿ホースクラブの会報が届き、2020年の地方募集馬が発表されました。

父はエスポワールシチー。母の父はシンボリクリスエス。

友駿のエスポワールシチー(以下、エスポ)産駒募集はこれで8頭目(中央5頭、地方募集3頭)でしょうか。

一口馬主クラブでエスポ産駒が募集されることは少なく、エスポ自身を募集していた友駿がおそらく半数以上を占めています。

友駿としてはエスポから大物を出したいわよね〜。

意地でも募集は続けるでしょうね。

で、エスポ産駒って実際のところどうだろう。ってところを今日は書き留めます。そして今回友駿から募集のかけられたディオーサシチーの2019についても考えてみます。

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種付数は上昇中!

まずは年度ごとの種付け実績から。

年度 種付数 種付料(出生条件) 種付料(受胎条件)
2014年 110頭 70万円 50万円
2015年 91頭 70万円 50万円
2016年 68頭 70万円 50万円
2017年 123頭 70万円 50万円
2018年 161頭 100万円 70万円
2019年 138頭 100万円 70万円
2020年 ?頭 150万円 100万円

種付料は2パターン。受胎が確認できたら支払うパターンと、出生が確認できたら支払うパターン。当然後者の方が高い価格になります。

種付料は上がっているのね!

今年は種付料が上がった分、ちょっと種付数は落ちるでしょうか。2020年の集計はもうそろそろ発表されるんじゃなかろうか。

地方でブレイク

種付数や種付料がアップしている理由は、地方競馬での目立った活躍によるものでしょう。

ここでエスポの中央と地方の賞金順種牡馬ランクを比較。

年度 中央 地方
2017年 158位 62位
2018年 71位 26位
2019年 55位 15位
2020年9月時点 58位 9位

地方の方が明らかに成績が良さげです。ダート血統だから当然とはいえ、かなり顕著です。

父がエスポと同じゴールドアリュールであるスマートファルコンも似たような傾向が出ていますが、エスポほどではありません。

なんでこんなに地方の方がいいのかしら?

たぶんですが、先行力に長けた産駒が多いんじゃないでしょうか。

地方競馬は基本、前へ出てナンボですからね。これが中央だと、先行一辺倒なタイプは直線で交わされることも多々あり。地方の方が結果を出しやすいんじゃないでしょうか。

というわけで地方でブレイクしたエスポは、近年評価を上げつつあるのです。

勝ち上がり率など他のデータで見ても、地方競馬と相性がいいことがわかります。割愛しますが。

スマートファルコンとの比較

異母兄弟(競走馬界でこう呼ぶのは変かもですが…w)であるスマートファルコンとの実績をもうちょっと比較してみましょう。参考としてお父さんのゴールドアリュールも。

エスポワールシチー スマートファルコン ゴールドアリュール
2019年種付数(前年比) 138頭(-23) 40頭(-24)
2020年種付料 150万円 80万円
勝馬率 76% 71% 76%
EI 1.62 1.02 2.16
勝利馬ダート平均距離 1339m 1351m 1412m

勝馬率などのデータはすべて地方競馬のみのもの。全地方産駒を対象としています。

スマートファルコンの種付数って年々かなり減っているのね。

勝馬率など2頭は似ている傾向ですが、EIを見ると大レースに強いのはエスポのようです。

現状、走っている産駒はエスポ産駒の方が少ないのですが、地方重賞勝利馬も比較的多く輩出していたりで、総じてエスポ産駒の方が結果を出せているといえます。その結果が、種付料や種付数にも出ていますね。

しかし父であるゴールドアリュールを超えることは…難儀ですね。中央競馬でさほど結果出せていませんし。

ノーザンファーム産駒ゼロでこの実績なら十分だとは思いますがね、エスポさん。

母方もダート血統が良さそう

さて産駒の傾向についても探っていきます。

相手牝馬の血ですが、大きな偏りというのはあまりなさそう。単純に地方ダートの母父(ブルードメアサイアー)ランキング上位の血統であれば、わりかし結果が望めるのではないでしょうか。

エスポがサンデーサイレンス系なので、サンデーサイレンス系の母とはなかなか付けがたいですが、それ以外の系統の繁殖牝馬であれば、十分期待できます。

ランキングの上から見ていけば、キングカメハメハ、クロフネ、フレンチデピュティ、シンボリクリスエス、タイキシャトル、フォーティーナイナー、ティンバーカントリーあたりでしょうか。挙げていくとキリがない。

ただキングカメハメハとクロフネは、まだあまり実績が出せていない印象です。サンプル数が少ないだけかもですが。

あとは数が少ないためランキング上位に来ないですが、ストームキャットもいいでしょうね。日本産との相性が抜群ですから。

将来的には、ヘニーヒューズ産駒の牝馬との配合なんかで、飛躍する馬が出てきたら面白そう。調べてみたら1歳馬にすでにいました。キタサンナデシコの2019シゲルシュサの2019。ちょっと注目です。

とにかくあまりデータに逆らわず、流行り血統な母系との配合が順当に結果を出すのではないでしょうか。

クラブ募集馬も地方で活躍傾向

一口クラブ募集馬について見ていきましょう。

中央所属で結果を出せているのは、ラフィアンのマイネルオスカル、そして友駿のグリニッジシチーなど。

私は友駿のエスポ産駒ばかり見てきたので「思っていたよりもイマイチかな…」なんて思っていましたが、総じて中央所属馬でもクラブ募集馬に関しては、まずまずの成績を残せているといえます。

そして地方所属馬。こちらは、エスポ産駒の初年度世代の4頭しか今のところいない模様です。

まず友駿から2頭、当時はまさかまさかの、「地方募集でダブルエスポ産駒」でした。

マウナケアシチー(母の父コマンダーインチーフ)とモンテローザシチー(母の父シンボリクリスエス)。まだ友駿に入会して間もなかった私は、マルボルクシチーの次世代の地方募集に、エスポ産駒2頭をあてがうとは思わなかったので、とても驚きました。ただ入会してだいぶ経つ現在では「友駿らしいっちゃらしいな」と感じています。

同じ種牡馬産駒を同じコーナー(地方ファンド)で募集かけるって、なかなか思い切った発想に私は感じてしまいます。

しかも初年度産駒なわけですし…リスクヘッジの面ではあまりよろしくないかな〜って。でも友駿の想いを鑑みると、そりゃまあできるだけエスポ産駒を提供したいですよね。

ちなみに現在どちらもCクラス、3勝しています。

さて、残る2頭のエスポ産駒募集馬ですよ。

私これを書くまで知りませんでしたよ。キャロットファームでエスポ産駒を募集していたなんて。

ノートゥルレーヴ。しかもトウショウ牧場生産。どういった経緯でキャロットへ??

細かいところは調べていないのでわからんですが、1000万円の募集で1400万円以上の賞金を稼ぎ、現在Bクラス。今後も楽しめそうな存在です。

ちなみに母の父はワイルドラッシュ。地方では結果を出せているブルードメアサイアーです。

残りの1頭はグリーンファーム。コーナスフロリダです。

募集価格600万円の兵庫ダービー勝馬。3000万円を超える賞金を築き上げています。母の父はアドマイヤドン、ティンバーカントリーの系譜ですね。

いや〜やっぱりグリーンファームさんすごいな…。

ちなみにグリーンファームは3歳馬にもエスポ産駒がいます。中央所属の無料提供馬なのですが、未勝利を勝っていて募集価格回収率がインフィニティ(∞)となっております。

重ね重ね、グリーンファーム恐るべし…。

まとめ&友駿2020年地方募集馬について

エスポワールシチーとスマートファルコンは被る部分が多々あるのですが、母方の血統を見ると、ブライアンズタイムの血を継いでいるエスポの方にやや軍配が上がるでしょうか。日本の砂との相性はエスポの方が高そうです。

ゆえに、種付数もエスポの方が現状上となっているのかもしれません。実際の産駒も、エスポワールシチーの方が大きいところを勝てている傾向です。

地方での活躍が目立っているので、一口馬主的には、地方募集馬に目を光らせたいところですね。

相手牝馬の血統に一本筋がきちんと通っているなら、期待外れな結果にはならない印象です。相手牝馬の血統や産駒の活躍傾向は、よくよく観察したいですね。

さて、ようやく話は冒頭に戻りまして、2020年の友駿の地方ファンド募集馬。ディオーサシチーの2019。友駿がエスポ産駒を地方で募集するのは4世代(そういや一つ上はスマートファルコン産駒でしたな…)ぶりとなるわけですが、正直なところどうなんでしょうか。

母の父はシンボリクリスエス。ロベルトの4×4がどう出るかでしょうか。

厩舎は川崎のリーディングトレーナーですし、十分楽しめそうな逸材だと思います。初仔なのは気になりますが。

ということは、出資するのね!?

いや…私はマルボルクの引退とともに友駿を去る予定ですので…。あと初仔は基本出資しない方針ですので。

100分の1の権利は、月々の維持費もなかなかですからね…。

出資は致しませんが陰ながら応援はします。最近低調気味の友駿の救世主となってくれるといいですね。