種牡馬ロードカナロアを考えるin2020

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名前の通り、まさしく短中距離界の「神」となったロードカナロア。

香港スプリント連覇は衝撃でした。日本から世界級短距離の至宝が生まれるとは…。

期待を大いに寄せられての種牡馬デビュー。父の成績の通り、短中距離での活躍馬が出るかなと思いきや、初年度で早速牝馬三冠馬アーモンドアイが誕生。2年目には皐月賞馬サートゥルナーリアが登場しました。

いや〜驚きの実績です。

私は一口馬主をやっていますが、これを始めるきっかけのひとつが「ロードカナロア産駒に出資したい!」でありました。

お世話になっていた方がロードカナロアに出資していて、ぜひとも産駒に出資してみたいという思いが強かったのです。私も美味しい思いがしたかったのだ!!

そんなこんなで出資したのがユニオンオーナーズクラブラヴィッスマンだったわけですが…これについては後ほど。

ちなみにユニオンでは、2020年の先行募集馬がロードカナロア産駒ウイングザムーンの2020、募集総額は4500万円となっています。これについても後ほど吟味します。

というわけで本日は、種牡馬ロードカナロアについて、2020年時点での所感を書き留めます。

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年度ごとの種付頭数&種付料

さっそくこちら。

年度種付頭数種付料
2014年250頭500万円
2015年276頭500万円
2016年267頭500万円
2017年250頭500万円
2018年294頭800万円
2019年245頭1500万円
2020年179頭2000万円

ご覧の通り、アーモンドアイが3歳になった2018年から800万円になり、294頭というキャリアハイの種付頭数を達成しています。

およそ300頭…すご。

さすがに多かったということで、翌年は1500万円に上げるも245頭。今年2020年は2000万円にまで引き上げましたが、それでも179頭を集めています。

とはいえ今年以降は種牡馬群雄割拠の時代に突入するので、来年も2000万円のままだとしたら、種付頭数はもう少し減るかなと予想します。

後述しますが、本年度デビュー馬の成績も芳しくないので。

種付頭数&種付料については、これ以上思うところはないですね。2000万円でもこれだけ牝馬が集まるんですから、優秀な種牡馬であることに間違いはありません。気性&健康ともにいいんでしょうね。

世代ごとの実績

生まれた世代ごとの勝馬率やEIやランキングも見てみましょう。

世代勝馬率EI世代別ランキング
2015生まれ(アーモンドアイ世代)49%2.612位
2016生まれ(サートゥルナーリア世代)42%1.892位
2017生まれ40%1.076位
2018生まれ(2020年10月上旬現在)17%1.048位

初年度産駒が勝馬率およそ50%はすげーなー!

細かくは調べていませんが、初年度はかなり上質なお嫁さんたちを付けたんではないでしょうか。初年度も2年目も世代別ランキング2位は素晴らしいですね。ちなみに1位は、言わずもがなですがディープインパクトです。

もう実質1位みたいなもんでしょ!

現3歳世代の2017年生まれも40%ですから安定感はかなり高いです。ただEIが1をちょっと上回るくらいになっていて、大きなレースでいまいち結果が出せていない感があるのも否めません。

これはやっぱり産駒の傾向がどうしても短い距離に寄りがちってのがあるのだと思います。

賞金の高いクラシック路線で結果を出せている産駒はさほどいませんからね。アーモンドアイとアートゥルナーリアは破格でした。悪い言い方をすれば、母馬のおかげとも考えられます。

2歳勢が現状さほど成績が出せていないのは…これはたぶん商業的なゴニョゴニョがあるためだと思われます。新種牡馬であるドゥラメンテやモーリスに道を譲ってあげている、みたいな。婉曲な言い回しになりましたが、たぶんそういうことだと思います。

もうセールの時期も終わっていくので、たぶん年末年始にかけて、2歳はディープインパクト&ロードカナロア産駒の追い上げがあるかなと思います。

非SSキングマンボ系種牡馬での比較

ここからさらにマニアックなデータを取ってみます。

ロードカナロアの魅力といえば、サンデーサイレンス(SS)の血が入っていないことでしょう。

SSの血が入っていない種牡馬は貴重な存在です。

中でも、日本と相性のいいキングマンボ系でSSの血が入っていない実績ある種牡馬となると、ロードカナロア、ルーラーシップ、エイシンフラッシュの3頭しかいません。ただ今年デビューのホッコータルマエが新株としていますし、今後レイデオロも登場するのですが。

この非SSキングマンボ系種牡馬の成績を比較してみましょう。

この3頭の、全世代トータルでの、勝馬率や勝っている条件、あとは2020年の種付料&種付頭数など、いろいろ見てみます。ホッコータルマエはまだデータが足りないので今回は除外しときます。

馬名勝馬率EI芝平均勝距離ダート平均勝距離2020年種付頭数(前年比)2020年種付料
ロードカナロア41%1.261520m1420m179頭(ー66)2000万円
ルーラーシップ38%0.981870m1700m132頭(-93)600万円
エイシンフラッシュ25%0.41710m1550m(2019年は67頭)80万円

エイシンフラッシュの2020年種付頭数は、書いている現時点では発表されていませんでした。なので2019年の種付頭数だけ明記しています。

ルーラーシップはやっぱり長い距離で勝っているのね!

この表を見ると、非SSキングマンボ系なら私はルーラーシップを一押ししたくなりますね。長い距離で結果を出せているほど優秀、とかそういう意味合いではなく、単純に長い距離の方がライバルが少ないですからね。基本、SS系種牡馬は短い距離に勝ち馬が多い傾向なので、短中距離は激戦区な訳です。長い方がブルーオーシャン。

んなわけで、種付料もまずまずリーズナブルなルーラーシップ推しな私ですが。ロードカナロアも思っていたほど短距離傾向ではないですね。

エイシンフラッシュはこの中ではかなり見劣りする成績ですが、何気に実績のある産駒も出てきていますし、まだ見限れません。以前エイシンフラッシュ産駒についていろいろ考察しましたが、そのときに挙げた馬でその後活躍している子も出ています。

何より彼ら3頭、芝もダートも結果を出せている点は大きいと思います。

とはいえ気になるのはEI。大きいレースほど取りこぼしが多い印象なのは、やっぱりSSというガソリンが入っていないからでしょうか。ダノンスマッシュなんかはその代表例かもしれません。

彼らの産駒を見かけたら、とりあえず母方にSSの血が入っているかどうかはセットで確認するのがいいかもしれませんね。

我が出資馬ラヴィッスマンについて

さて話はロードカナロア産駒ですよ。産駒別でいろいろ見ていきたいなと思うわけですが。

まずは何はともあれ、我が出資馬のラヴィッスマン。ロードカナロア産駒で、兄姉に活躍馬は多く、非常に期待したわけですが…。2020年10月現在、地方で3勝して中央復帰の権利は得たものの、そこから調整に時間がかかっています。

うーん。これは微妙なライン。

ちょっとため息が出ちゃいますね…。

ラヴィッスマンは完全な非SS。母方はフレンチデピュティ産駒で、SSの血が入っていません。やっぱりリスクが高すぎたかなあ…。

募集時の馬体に惚れてしまい、募集総額3600万円1口12万円となかなか覚悟のいる価格ですが、思い切って出資してしまいました。

ちなみに、ロードカナロア自身の募集当時の写真はメチャくそにいい馬体をしています。1歳馬とは思えない肉付きです。

皆さんもぜひ見ておくことをお勧めします。何かと捗ること間違いなし。

ロードカナロア 募集時 馬体
検索

このロードカナロアに似ていると思っちゃったんだよなあ、ラヴィッスマン。やっぱあたしゃ見る目がないですねぇ。

ロードカナロア産駒に関しては、素直に母方にSSが入っている馬を選ぶべきかもしれませんね。

現状、産駒で賞金を稼いでいる上位たちにはほぼSSが入っていますからね。やっぱりそういうものなんでしょうね。

悔しいのう悔しいのう。

ユニオン2020年先行募集馬はどうか

さて、冒頭でも紹介した、ユニオンの2020年度の先行募集馬、ウイングザムーンの2019ですよ。

血統を見てみますと、母の父はアドマイヤムーン。ということは、SSの血は入っていますね。走る条件はクリアしていると思います。

さらに、ここが注目要素だと思うんですが、ストームキャットの3×3が成立しています。

ここをどう評価するかでしょう。

確かにストームキャットは日本と縁がいいですが。3×3となると、う〜ん、って感じです。

ロードカナロア×アドマイヤムーンという組み合わせもまだまだ未知数なところが多いですし、総合的に見て、やっぱりう〜んと唸ってしまいますね。

募集総額は4500万円。ユニオンの先行募集馬には活躍馬が多く、魅力ではあるんですが…今回は私は見送りとなりそうです。

今年の先行募集馬は1頭につき、早めに口数が埋まることも考えられそう。募集口が余っている場合は、今後の馬体の成長次第では、出資も視野に入れます。

2020年現在は高騰感

私個人の話をすれば、ロードカナロア産駒で当たりを引きたいという思いがいまだに強いです。

ただ、種付料の値上がりから察せられる通り、募集価格は高騰気味。今後募集価格を回収できる馬は少なくなっていく傾向かなと思っております。大レースでやや勝ち損ねがある(EIが低い)分、賞金も積み上げにくいですし。

その一方で、最近期待の種牡馬が多数デビューしており、相対的にロードカナロアの評価が落ちていくことも考えられます。結局短中距離に実績があるので、中長距離のクラシックディスタンスを目指したい馬産地はロードカナロアを避ける可能性もあることでしょう。

そうなるとまた種付料が適正な価格になるとも考えられ、その世代からはリーズナブルな募集価格の産駒が多くなるかもしれません。何年後かわかりませんが、そのタイミングで再度出資を考えるのも良いなと思っています。

現状は、同じ非SSキングマンボ系では、ルーラーシップ産駒の方に魅力を感じますね私は。こちらの方が募集価格が適正だと思います。

もし次ロードカナロア産駒に出資するとしたら…無難にサンデーサイレンスの血が入っている配合を選びたいと思います。

まだまだラヴィッスマンのことは諦めていませんけどね。でも募集価格の3600万円を回収することは…厳しいかなあ。

あと、レイデオロが種牡馬として大成功しちゃうと、ロードカナロアやルーラーシップの肩身はすごく狭くなっちゃいそうです…。

レイデオロ、めっちゃ成功しそうな予感なんだよなあ。来年度以降の産駒たちを見てみないことにはわかりませんが。

というわけで、非SS系血統の戦いも、今後が楽しみです。