2022年版も公開しました。
2020年の今頃に、母父(BMS)に関する記事を書いたところ、これがけっこう好評いただけているらしく、継続してビュー数を出しています。
この記事にて今後の予想として「シンボリクリスエスの系統がタフ」「母父ディープインパクトで大物に期待」と書いたところ、さっそくその年の秋頃から、父エピファネイア(その父シンボリクリスエス)で母父ディープインパクトのアリストテレスがブレイクしました。
一方で、今年のダービー&オークスについて見てみましょう。
2021年の日本ダービーでは母の父にディープインパクトを持つ馬が3頭出走、最高着順はステラヴェローチェの3着でした。
オークスも母父ディープインパクトは3頭。最高着順はアールドヴィーヴルの5着ね。
単純にこの2レースだけを切り取ってみても、母父ディープインパクトの勢いを感じとることができます。
現状、BMS(母父)ランキングは2位。1位はキングカメハメハで、まだまだ母数に差があるため、このランキングを覆すことはできないでしょう。
しかし来年か再来年には、確実に母父ディープインパクトが1位になるでしょう。サンデーサイレンスの道を歩むわけですね。
さて、というわけで、今回はBMS話の中でも、とくにディープインパクトに絞って話をしていきます。
前振り長くなりましたが、ここからが本題です。
母父ディープインパクトの賞金上位100頭の父親たち
まずは、2021年6月17日時点での、母の父にディープインパクトを持つ獲得賞金上位100頭(賞金1878万円以上)の父親内訳を見てみましょう。こちら。
ご覧の通り、父ロードカナロアで母父ディープインパクトの血統が、14頭で第1位でした。父エピファネイアもすでに5頭います。
上位はキングカメハメハ、ルーラーシップと、ミスプロ系が続きますね。まあ統計的にこんなもんか。
以下、いろいろ考察です。
牡馬63頭、ノーザンファーム産37頭
母父ディープインパクト賞金上位全100頭のうち、牡馬63頭(内セン馬3頭)、ノーザンファーム産は37頭でした。
牡馬の割合は妥当として…ノーザンファーム産は意外と少ないと感じたのですが、気のせいでしょうか?
非ノーザンの母父ディープインパクト馬、健闘していると思いますがね。いかがでしょう。
父ロードカナロアはかなり優秀!?
ミスプロ系が上位を占めるのは予想通りだったのですが、すでにロードカナロアが1位とは驚き。てっきりキングカメハメハと思っておりました。
今後も父ロードカナロア×母父ディープインパクトは、鉄板配合として量産されていきそうです。
この配合のいいところは中距離以上もこなせる点でしょう。父ロードカナロアですと短距離寄りなイメージですが、ディープの血が入ることで中距離への適正が高まっている模様です。
しかもミスプロゆえにダートもこなせますから、非常に汎用性が高い配合ではないでしょうか。
やはりエピファはすごい
父エピファネイアはぐいぐい上昇していますね。デビューしている頭数がまださほどでないにもかかわらず5頭。今後ロードカナロアを追い抜く可能性も考えられます。このペースはマジですごい。
今後、一口馬主で募集されたら速攻で出資を決めるかも。
ってくらい期待値は高いと思います。はい。
サンデーサイレンスのクロスは4×3が良さげ、3×3は△か
さらに着目しておきたいのがサンデーサイレンスのクロスですよ。
ロードカナロア・キングカメハメハ・ルーラーシップはサンデーサイレンスのクロスがかかりませんが、エピファネイアはサンデーサイレンスの4×3がかかります。
その他、モーリス、ラブリーディ、リオンディーズも4×3。いずれも賞金上位に1頭ずついました。
3×3も上位100頭の中にいます。まずオルフェーヴルは我らがユニオンOCのスライリーが賞金上位。ほかにドリームジャーニーやベルシャザールもいました。
4×3は今後も好調に推移しそう。ただ3×3は微妙かもしれません…。リスクが高い気がします。
気になっているのは父ドゥラメンテ×母父ディープインパクト。サンデーサイレンスの3×3のこの配合ですが、現状大物が出る気配に薄い。今年デビューするアカデミーやソクラテスは気になりますが。
SSクロスをさらにマニアックに見てみる
サンデーサイレンスの4×3について、さらに細かく見ておきましょう。ここからは母父ディープインパクトの血統全体をデータ対象とします。
父父母父にサンデーサイレンスがいるパターン、父母父父にいるパターンなど、細かく分けてみます。
まとめた表がこちら。
サンデーサイレンスの配合位置 | 代表種牡馬 | 代表馬 |
---|---|---|
父父父父 | なし | なし |
父父母父 | モーリス | ルーズネクスト |
父母父父 | エピファネイア | アリストテレス |
父母母父 | ミュゼスルタン | ユングヴィ |
まだ父父父父にサンデーサイレンスがいる配合はいないんですね(当たり前といえば当たり前か)。将来的にはハーツクライひ孫かステイゴールドひ孫あたりで活躍馬は出そうですが。
全体的にサンプル数が少ないのではっきりと言えないところですが、モーリスとエピファネイアは今後安泰な感じしますね。活躍馬がコンスタントに出てきそうです。
しかし取り上げておきたいのが、父母母父にサンデーサイレンスがいるパターン。現状、ミュゼスルタンしか該当配合がないわけですが、今後はこのSS4×3配合で面白い存在が出てきても不思議ではないような。たとえばあまり参考にならないデータになりますが、ノーザンダンサー(父母母父ノーザンダンサー×母父父ノーザンダンサー)ですとブルメーンブラットやキストゥヘヴンなんかがいます。
ちなみにミュゼスルタンのような、母母父にサンデーサイレンスがいるパターンで今後種牡馬になりそうなのはステルヴィオがいますね。他にセンチュリオンもいますが、種牡馬は厳しいかしら。
ちょっちマニアックでしたが、母父ディープでSSクロスが発生する場合は、父型のどこにSSがいるのかにも注目したいです。
まあまだSSクロスってのは始まったばかりなので、今後どう動いていくのか、まずは推移を把握して比較することが大切でしょう。
まとめ
母父ディープインパクトで活躍する馬の傾向は、現状はけっこうはっきりしています。
やっぱりミスプロ系、中でも父ロードカナロアがいいですよね。
2歳馬で該当馬を検索したところ、27頭いました。
一口募集馬の中でいえば、まずはノーザンファーム産でキャロットの馬ですと、カルセドニーとライラスターがいます。お母さんはマリアライトとハープスター。まあ活躍期待値は抜群に高いでしょう。
シルクですとパンドレアがいいですね。お母さんはショウナンパンドラ。
東京ホースレーシングにはレッドモンレーヴ。母はラストグルーヴ。
他、一口馬ではないですが、個人的にはショウナンナダルが気になっています。これを書いている時点で、確か週末にデビューのはず。
ロードカナロア以外では、ルーラーシップ、そしてエピファネイア、ハービンジャーもいいでしょう。この勢力は中長距離勢ですね。
まああげたらきりがないですが、来年のダービーやオークスも、この辺りの配合が多数出てくるんじゃないでしょうか。
母父ディープインパクトの血統はまだまだ始まったばかりということで、今後もさらにデータを集めて分析していくべきものになります。来年以降もこのような記事を更新していき、より精度の高いものにしていきたいです。
【最後に付録】入会しているクラブの母父ディープっ子
入会している友駿ホースクラブとユニオンオーナーズクラブからも、母父ディープインパクトの募集馬を抽出しておきましょう。
まず友駿ですが、2歳でデビューを控えているのがバシレウスシチー。父はビッグアーサーということで新興勢力となりますが、かなり未知数度が高いということで私は出資対象にはなりませんでした。現状、脚元に不安があるようで、デビューは少し遅めになりそうです。活躍を見守りたいですね。
同じく友駿の1歳にはリアンシチーの2020がいます。こちらも父ビッグアーサー。
友駿は短距離ダート路線に変更したんじゃないかっていうくらい、この世代はこんな感じの配合が多いです。
募集価格が600万円と手頃なのが魅力ですね。確か現状、もっとも満口に近い募集馬だったと記憶します。
本馬に期待しての出資というよりは、レース予想キャンペーンに参加したいからとりあえずこの安い馬に行った、という出資者も多いのかもしれませんが…。
でも、いい感じがするんですよね。楽しみです。
さてユニオンですが、2歳馬には母父ディープはいなかったはず。
で、1歳馬からになるのですが、まずはエイシンウルルの2020がいます。こちらは父がドゥラメンテでして、今回示したデータから察すると、自信を持って推すことのできない配合ではあります。初仔のようですし、カタログで馬体を見てからな部分が強めですね。
そしてもう1頭は、サイレントソニックの2020。父はロードカナロア。
言わずと知れたサラドリームの全妹です。ユニオンで3勝をあげた活躍馬です。
こちらは相当期待値が高いですね。すぐに満口もありそうです。ユニオンと相性抜群の相沢厩舎ですし。
問題は募集価格で2500万円は結構強気。ちなみに姉のサラドリームは2000万円で、こちらは新種牡馬ロードカナロア効果もあっての価格でしたから、相対的に見てもちょっと高い印象はありますね。姉と同様で2000万円くらいがよかったかなあと。
でもまあ、走りそうですよね。今日の考察を踏まえると尚更に期待しちゃいます。
というわけで、所属しているクラブの中で出資対象としたいのはサイレントソニックの2020ですね。
ユニオンの勝利の方程式でいくと、けっこう確実性が高いと思われますが。さてさてどうなりますやら。再来年以降に答え合わせですね。