新クラブのインゼルサラブレッドクラブが募集馬の動画や所属厩舎など、詳細を発表しました。一覧カタログはこちら(PDF)です。
インゼルTCが立ち上がったことに関する記事はすでに書いたと思っていましたが…ここでは初めて触れるかも?
インゼルTCとは。公式の言葉を拝借しちゃいましょう。
インゼルサラブレッドクラブでは独自のネットワークで、
世界中で活躍馬を輩出するトップブリーダーとの連携により、
魅力ある良血馬の提供を可能としています。
とんでもないクラブが立ち上がった印象。高額馬を購入しまくってるけどイマイチ突き抜けてこない、あのキーファーズが設立ということで話題です。
記憶に新しいとこだとDMMバヌーシーの立ち上げが話題となりましたが、バヌーシーはちょっとイロモノというかエンタメロマン枠といった趣で、既存の大手の対抗株という感じではありませんでした。
しかしインゼルに関してはガチ。シルクやキャロットを脅かしかねない存在です。
とは言いつつも、ノーザンファームとは蜜月な関係みたいですけど。
ほか、国内では三嶋牧場、海外からはアイルランドのあのクールモアと提携しています。
ホームページから漂うガッチガチなビジネス感。
クールモアということで詰まるところ、欧州のディープインパクト産駒サクソンウォリアーの子も募集がかけられるわけで。いちばんの見所はそこなんでしょうか。
というわけでここでは、インゼルの初年度募集馬を見て気になったことをメモしておきます。
「インゼル」の意味
まず、クラブ名の「インゼル」ってなんなんでしょうね。「insel」。
調べたら、ドイツ語で「島」って意味が出てきたんですけど…これのことなん?
ウィキペディア見ても「島が由来」という表記があったので、多分合っているんでしょう。
なんで島なんでしょう。日本が島だからでしょうか。響きがかっこいいから、というなんとなくのネーミングな気もします。
歩様動画が何しろかっこいい
後発クラブってことで、ホームページのつくりやカタログなど、かなり完成度が高いです(古株クラブの手作り感満載なやつも好きですけどね)。
中でも驚かされるのは歩様動画。なんですかあれ。かっこ良すぎません?
お、記事中に埋め込めたっぽい。
こんな素晴らしい動画が無料で観られるなんて…素晴らしい時代です。
何回でも観返したくなりますね。とくにスローの歩様部分とか。
馬に出資するとか関係なく、この動画は一見の価値がありすぎますね。最高です。
サクソンウォリアー産駒の2頭について
気になるサクソンウォリアー産駒の募集は2頭。オワセイフの2020とビウィッチトの2020。
いずれもデインヒルのクロスがかかっていますね。ここがキーとなりそう。
血統だけ見るといかにも欧州で走りそうな感じですが…馬体自体はやっぱりディープの血を感じますよね。いやこれ正直わからんな…。
でもやっぱり、日本の馬場よりは欧州な気がしますがね〜?どうなんでしょう。
北海道の新馬戦&OPを快勝後、その後今ひとつ、というような未来もなくはなさそう。
ちなみに募集総額はどちらも3900万円、500口募集なので1口7万8000円。
価格は割と現実的かなと感じました。
「調教師コメント」は本当に調教師コメントなのか
募集カタログには調教師コメントが寄せられているのですが、これ、本当に調教師自身が書いたものなのでしょうか。
薬にも毒にもならないようなコメントが届いていますね。意味があるのかこれは?
クラブサイドか、あるいは調教師サイドのマネージャーとかエージェントみたいな人が用意した感がすごいです。
というか、ここに載せるべきなのって生産者サイドのコメントなんじゃないの。と思いました。
この調教師コメントは参考にならない要素ですね。
インゼルTC2020年産の気になる馬
さて気になる馬をいくらか書き留めます。気になる順でいきましょう。
フリーティングスピリットの2020(牡)
フリーティングスピリットの2020は父がキタサンブラック。50口枠の募集で募集総額は1億2500万円で、1口250万円ということになります。私は絶対に手が届かない世界。
この馬はバリバリ気配がありますね…。
セールで高額取引(1億2100万円)されていたのは聞いていたのですが、馬体を見るのは初でした。いや確かにこれは高くなるのもうなずける。
この子はまじでヤバいんじゃないですか。楽しみですね。
ラルクの2020(牝)
ラルクの2020。父がフランケルで、母の父はディープインパクト。この子も50口募集で、総額5000万円、1口あたり100万円です。
母のラルクはオペラ賞に出走して、そのまま欧州で繁殖になったと記憶しています。その初仔が日本に来たんですね。
とにかく何もかもがゴージャスな印象。こういうタイプは好きですね〜。馬体はいちばん好み。
母の血統を遡っても国内外で活躍馬が出ていますしね。ワールドワイドな馬だと思います。
フランケルは現状日本ではそこまで大きな活躍を見せていませんが、母の父ディープインパクトなら格好はつくんじゃないでしょうか。
お金があれば1口行くんだけどな〜。お金があれば!
ルーシーブライドの2020(牡)
ルーシーブライドの2020。父はイスラボニータ。募集総額は1600万円で、1口あたり3万2000円ですね。
ルーシーブライドの2019のベルマリエはユニオンオーナーズクラブで募集がかけられていました。いつの間にやら、母は三嶋牧場さん所有になっていたのですね。
この子に関してもっとも注目すべきなのは所属が新規開業厩舎予定なこと。
これ9割方蛯名正義さんですよね!?
これはロマン枠として出資する価値がありそうですね。この馬でダービーとか、夢見ちゃうじゃないですか。まあ本馬自身はマイラーっぽい気もしますが。
こういう粋なこともするのですねインゼルさんは。これで全く別の新規厩舎だったらズッコケますけど。
チリエージェの2020(牡)
チリエージェの2020。父はハーツクライ。募集総額5600万円で1口11万2000円。白井牧場産ですか!
強調するところはないのですが、欠点が見当たらないという点で、気になります。
盤石なハーツクライ産駒。兄姉の活躍も素晴らしいですし。日本に長く定着した母系ということで、日本では堅実な成績をおさめそう。要チェックです。
チカリータの2020(牝)
チカリータの2020。父はマインドユアビスケッツ。募集総額は1500万円で1口3万円から。
非常に攻めた配合のように感じますね。
デピュティミニスターのクロスを筆頭に、いろんなクロスがかかっていますね。やっぱりダートだろうか。
気がかりはマインドユアビスケッツの日本適性でしょうか。でも馬体見る限り良さそうに思いますね。ほかのマインドユアビスケッツ産駒も見て比較してみたくなりました。
鍵を握るのはデインヒルでしょうか
以上、気になること&気になる募集馬についてでした。
ざっくりまとめちゃうと、デインヒルの血を持った馬たちがどれだけ活躍するかにかかっていそうです。ノーザンファームや社台からの提供やセール購入馬を除くと、ほとんどがデインヒルの血を持っています。
サクソンウォーリアー産駒は非常に魅力ですが、やっぱり欧州のゴリゴリな感は拭えないかなと。ただそういった欧州由来の募集馬たちを除くと、残るのは割とほかの大手クラブと見栄えは変わらなかったりで…冷静に見るとちょっと強みに浅い印象も受けています。欧州所属馬なんかもいたら面白かったかもだけど…さすがにシステム的にも商業的にも厳しいか。
これでめっちゃ人気して抽選なりまくりとかだと、今後はお布施みたいなのも必要でしょうし、私みたいな貧乏一口馬主は絶対に踏み込めない領域かなというところです。
ただ、歩様動画も募集カタログもめちゃくちゃ高品質なので、自分の目を養うためには、これほどためになるクラブはないと思います。入会の縁はなさそうですが、今後も定期的に覗きにいきたいです。
気になった馬たちのその後も見守りたいと思います!