ナチュラルが2023年5月のレースを最後にファンド解散、このほど精算が行われましたので、収支報告とともにナチュラルの思い出を語ります。
かなり詳しい収支報告の計算は以下の記事で書いています。
今回も収支報告はざっくりとだけにとどめます。
毎回書いていますが、一口馬主ライフを楽しむとともに投資として冷静に見るためだったり、一口仲間を増やすためだったり、反省点などを振り返るために本記事は存在しています。
それでは振り返りスタートです。
およそ9万円の赤字
ずばり、ナチュラルは1口およそ9万円の赤字でした。
未勝利で中央から地方へ転籍、3歳中に2勝をあげ早々と中央へ復帰。4歳で2戦、上半期中に引退が決まりましたが、10万円に迫る赤字となりました。
出資金が1口5万円(200口全体で1000万円)でしたから、維持費でおよそ4万円、200口総額で800万円ほどの維持費が生じたことになります。非常に現実的な数字ですな。
やっぱり地方に行って現役を続行し、中央に戻っても目立った活躍がないと、この程度の赤字にはなっちゃいますね。
まあ妥当ですな。
そんなに期待はなかった協和牧場提供第一号
ナチュラルは、ユニオンでは初の協和牧場さんからの提供馬でした。
協和牧場さんにはかつて馬券でもたくさんお世話になりました。迷わずの出資となりました。
オルフェーヴル×キングカメハメハという配合も私には魅力に映りました。
本馬は1000万円という安値感もあって早々と満口となりました。
しかし私はそこまで大きな期待を寄せてはいませんでしたね、正直なところ。
芝もダートもいけそうですし、何よりアンジュミニョンと同じ佐々木厩舎という点も私にはグッド。これで募集価格1000万円なら、たとえ結果がともなわなくとも…そこまで後悔はないでしょう。
出資時メモにも上記のように書いている通り。単純な「縁」で出資をしたといっても過言ではありません。1勝クラスでそこそこ活躍するくらいの結果が出せれば上出来…くらいの気持ちでしたね。
馬体も垢抜けなくて、デビューは遅くなるだろうなあという気配は濃かったです。
その予想通りで、3歳6月という遅いデビュー。この時点でもう期待はほとんどゼロでした。
3歳未勝利戦は9着、12着。さらに未勝利ながら1勝クラスを使い11着。ここで引退も考えられましたが、地方への転籍が決まりました。
後から見れば、ここで引退でもよかったんですよね。ただ当時は成長途上の気配は十分にありました。ここから一気に精神面が成長する可能性も考えられるわけで。満口馬でもありましたし、地方転籍はほぼ出資者全員が納得したのではないかなと思います。
地方での走りは良かった!
で、何も期待しないで地方の戦いを見守っていたのですが。
笠松での競馬はなかなか充実していましたね!
1着2着1着という好成績で楽々と中央復帰の切符を手にしました。これは意外でしたね。気性的に、場慣れするのに何戦か必要かと思っていましたから。1戦目のパドックからかなり雰囲気は良さげで、2戦目3戦目に至っては風格すら感じさせるほどでした。
つまるところ、稽古にしろ練習にしろ終始笠松で望めるホームでの戦いというのが彼女にとってプラスだったんでしょう。
中央競馬だとどうしても移動はつきもの。中央復帰後はまた以前のような気の悪さを見せるようになり、さらには移動に伴う馬体減も深刻で、結果を出せず4歳5月で引退となりました。
オルフェ産駒特有の可愛さと気性の悪さ
オルフェーヴル産駒って可愛い顔つきしていて、ついつい募集カタログでも目に止まっちゃいます。馬体自体は幼い印象にタイプが多いので、長い目で楽しむ感じではありますね。
ただその幼さのまま、成長していくタイプも多く…。
ナチュラルは気性の悪さが改善しませんでしたね。必要以上に入れ込むから、長距離輸送だと10キロ以上痩せちゃってガリガリになったり。これじゃあ中央ではやっていけませんね。
本馬に対して反省点はさほどないのですが、正直な気持ちを吐露すると、もうちょっと早くに決断をしてほしかった気分ではあります。
中央復帰を目指して地方転籍したということは、出戻ってきて1勝クラスでも対抗できると踏んだという陣営の判断ですが。いやはや3歳のレースや気性の具合を見ても、1勝クラスじゃ戦えないという見立てはできたと思うんですよね。
しかし満口馬ですから、できるだけ長く楽しんでもらうコースを選んだ。というのが陣営の本音ではないかと思うわけでして。
もし3歳時点でファンド解散になっていたら、赤字はもうあと3〜4万円くらいは抑えられたのではないかと、そんなことは思ってしまいますね。
もしくは中央復帰は諦めて、地方一本でやっていく選択とか、できなかったのかなあ。
友駿にはそういう子けっこういるけど、ユニオンでは聞いたことないわね。
そうなんよね。契約上、中央に戻ることが前提で地方転籍をすることになっているみたい?
地方を主戦場にしてくれても全然問題ないと思うんですけどもねえ。地方競馬も賞金が上がってきましたし。とくにナチュラルは1000万円の比較的安値な募集馬ですし。そして間違いなく、地方での走りの方が輝いていましたし。
競走馬にとってどの環境で走らせることがベストなのか、その判断がプロとしての手腕を決めるわけですが、ナチュラルの場合はちょっとその判断に疑問が残りますね。
今後の活躍にも注目だ!
そんなナチュラルですが、ファンド解散となり協和牧場さんの所有に戻った現在は園田にいます。現時点で3戦走っていて、B2クラスというのもあってちょっと追走に苦労している模様。ただ体重は極端に増減している感じではないので、やっぱり地方は水が合っているんでしょう。今後はクラスが下がっていくのかな?
ぜひ3歳の地方在籍時のように、自身に合ったクラスで輝かしいレースぶりを披露してほしいものです。何かちょっとでもきっかけがあれば、一気に駆け上がる可能性もあると思っています。それがオルフェーヴル×キングカメハメハの秘めたる実力ってもんですよ。
協和牧場さんのユニオン提供第一号。このナチュラルが人気を博したからこそ、次の年はフェリを1000万円の安値で提供してくださったのでしょう。そしてフェリは新馬戦勝利という活躍ぶり。さらに次の年はエザルターレという走る血統を提供してくださっています。こちらはまだデビュー前ですが、若干成長は遅い印象です。そして今年2023年も、魅力的な2頭を提供してくれています。この2頭に出資する予定はありませんが…。
つまりナチュラルはユニオンと協和牧場の架け橋的な存在。彼女に出資できたことは、私にとっては誇りであり、貴重な思い出となってくれました。1度も現地観戦できなかったのは残念ではありますが、引き続き地方での活躍を応援したいですし、さらにはお母さんになって以降の活躍にも期待したいと思います。
かわいい癒し系のナチュラル。引き続き自然体な自分らしさ全快で、自分に合ったフィールドで頑張ってほしいです。
こういった「後悔や反省の少ない馬」にどれだけ出資できるかが、一口馬主を穏やかな精神状態で楽しむ秘訣かなと思います。いかに良血であっても、過度な期待はしちゃあいかんですな。