【2025年産駒デビュー】主要新種牡馬についていろいろな角度から考察してみる

スポンサーリンク
本記事で紹介しているクラブ募集馬は2024年10月中旬時点のデータを参考に作成しています。

2025年に産駒がデビューする主要な新種牡馬について、種付け実績やセール取引実績、一口クラブで募集されている産駒を調べてみました。

去年の記事はこちら。

期待の種牡馬としてナダルとアドマイヤマーズを挙げていますが、これは見事ドンピシャでしたね。新馬戦から続々と活躍馬が輩出されています。

タワーオブロンドンも出だし好調、そして何よりゴールドドリームが地方を中心にブイブイ言わしているのは素晴らしい。うちの出資馬ドリームアンコールも勢いに乗ってくれるといいけれど。

一方でフィエールマンとノーブルミッションは現状物足りない。どちらも遅咲きと思っているのでまだ焦る必要はないですが、やっぱり初速は肝心。初年度からそこそこ走る馬が出てくることを願います。

意外とこの、私がピックアップしてる期待の種牡馬、ちゃんと結果出せてね?

出資ポートフォリオもこのくらい結果出せたらいいのに!

ぐ、ぐぬぬ…。

というわけで2025年度のファーストシーズンサイアー、占っちゃいますよー!

スポンサーリンク

コントレイル

父ディープインパクト。史上3頭目、親子としては世界初の無敗の3冠馬。とんでもねえな。

これ以上特筆することはないでしょう。

コロナの無観客試合の渦中というのもあり、1度も生観戦は叶いませんでした。

コントレイルの種付実績

種付年度種付数種付料
2022年193頭1200万円
2023年211頭1200万円
2024年205頭1500万円

期待の大きさがうかがえますね。もはや活躍を約束された馬。

コントレイルのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2023年セレクトセール当歳20頭/20頭1億4146万円
2024年セレクトセール1歳8頭/8頭1億3681万円
2024年セレクションセール1歳4頭/4頭5967万円
2024年北海道サマーセール1歳0頭/0頭0万円
2024年北海道セプテンバーセール1歳0頭/0頭0万円
2024年北海道オータムセール1歳0頭/0頭0万円

セレクトセール当歳、20頭上場されて平均価格が1億を余裕で超えるのはすごい。すごいとしか言えない。

コントレイル産駒のクラブ募集馬状況

全体的にトモ高なタイプが多く、これは父親譲りでしょう。パンと膨らんできそうなトモを持っている印象の産駒が多く、伸び代がうかがえます。個人的には、三冠馬とはいえコントレイル自身も晩成タイプだったのではないかなと。この点はキズナに近い。ゆえに産駒も息の長いタイプが多いのではないでしょうか。

このままぎゅっと詰まった体型のまま成長するタイプもいれば、成長とともに前後に伸びていかにも長距離なタイプになる馬もいそう。母馬の性質に応じて適性が変わってくる種牡馬かもしれません。

ただ、キズナとは違って芝タイプが多いのではないかなと思います。これはアンブライドルズソングの影響で。

すでに我が家でもヘイローフジの2023に出資済み。こちらはさほどトモ高の印象はなく、しかしトモの具合が良さそうでいかにも芝の中長距離タイプといった気配。遅生まれなのは気がかりで、長い目線で楽しみたいかなと考えております。

ほかにもクラブ募集馬はいっぱい。どこでも一押しみたいで、注目も人気も高く、瞬時で満口となっているみたいです。

個々でみてもキリがないというか、いい馬ばかりの気配。なので全体の話をしておくと、初年度から高い活躍を望みたいですね。勝ち上がり率4割に迫る成績は出して欲しいところ。ちなみにキズナは5割に迫る勢いでした。

これだけの現役実績と繁殖相手の質から、初年度からさっそくクラシック候補が出てくることでしょう。果たしてどのオーナーから大物が輩出されるのか!?

クリソベリル

父ゴールドアリュール。デビューから4連勝でジャパンダートダービー、6連勝でチャンピオンズカップ制覇。

新設サウジカップでは振るわず繰り上がり6着、翌月予定していたドバイはコロナで中止に。その後、帝王賞とJBCクラシックを制覇。

5歳時は怪我と病に悩まされました。重度の喉鳴りを発症し引退しています。これがなければ6歳以降も走っていただろうなあ。

クリソベリルの種付実績

種付年度種付数種付料
2022年150頭300万円
2023年145頭300万円
2024年109頭300万円

ダート種牡馬は激戦区ということもあり種付料は比較的リーズナブルな印象。種付数の推移は上々ですね。

クリソベリルのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2023年セレクトセール当歳7頭/7頭4478万円
2024年セレクトセール1歳8頭/8頭5898万円
2024年セレクションセール1歳13頭/13頭1717万円
2024年北海道サマーセール1歳15頭/17頭1164万円
2024年北海道セプテンバーセール1歳8頭/8頭610万円
2024年北海道オータムセール1歳1頭/1頭253万円

ダート馬としては十分に優秀な取引実績。ただ「社台出身の」という枕詞が付くと、ちょっと物寂しさもあったり。

クリソベリル産駒のクラブ募集馬状況

友駿に入会していることもあって、ゴールドアリュール系の種牡馬産駒はたくさん見てきましたが、クリソベリルの子は比較的薄めの馬体で脚がスラっと長く、「芝タイプ?」と思わせるタイプが多い印象を受けています。こういうのは中央のダートに向いてそうでいいですよね。

配合としては「サンデーサイレンス系牝馬」「ノーザンダンサー系牝馬」「ミスタープロスペクター系牝馬」で実績に大きな差が出る予感。個人的には後ろの2つの牝馬に期待しています。

大御所クラブではキャロットのカイカヨソウの2023を挙げます。去年も新種牡馬ナダル産駒として同母産駒セレジェイラを挙げていました。この母の子はどうしても気になっちゃうんだね。

母父ティンバーカントリーはいいと思いますし、この牝系から今後活躍馬が続出する予感を抱いているんですよねえ。

他にグリーンファームの2頭も気になりました。アンデスクイーンの2023(母父タートルボウル)とメールデゾレの2023(母父サウスヴィグラス)。

前者はまさに母父タートルボウル、後者はまさに母父サウスヴィグラスって感じ。

クリソベリルはわりと母の傾向が出やすい印象。ゆえに産駒もさまざまに見えますね。いや〜やっぱり芝も走れそうな気がするな。

さて入会クラブではユニオンでエイシンピカデリーの2023が募集されています。ユニオンでは恐らく初のセレクションセール購入馬。母父はハードスパン。

まさにノーザンダンサー系牝馬との子って印象っすなあ。今のところ出資の意向はなし。ダート馬はそこまで欲しがっていないので…。

なんか面白いですねクリソベリル産駒。エスポワールシチーとかスマートファルコンはもっと父の傾向が出やすかったと思うのに。

ダノンキングリー

父ディープインパクト。ダノンレジェンドの半弟。皐月賞3着、ダービー2着。5歳時に安田記念制覇。サートゥルナーリアやロジャーバローズと同期。

ダノックス所有のディープインパクト産駒では、最も賞金を稼いでいるっぽいですね。

ダノンキングリーの種付実績

種付年度種付数種付料
2022年85頭250万円
2023年90頭200万円
2024年122頭150万円

種付料が下がって2024年は種付数アップ。現地の評価高そうですね。

ダノンキングリーのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2023年セレクトセール当歳3頭/3頭5390万円
2024年セレクトセール1歳0頭/0頭0万円
2024年セレクションセール1歳3頭/3頭935万円
2024年北海道サマーセール1歳7頭/7頭1131万円
2024年北海道セプテンバーセール1歳0頭/0頭0万円
2024年北海道オータムセール1歳1頭/1頭330万円

サマーセールの平均価格が優秀。

ダノンキングリー産駒のクラブ募集馬状況

現状でクラブ募集馬が片手で数えられる程度と、意外に少ない。というかセリで高値つきやすいから、馬体が良ければセールに持っていかれる傾向が強いのかも?

社台で募集のエマソングの2023は好きな馬体。印象はフィエールマン産駒に似ているのですが、距離は長いところよりはマイルって感じでしょうか。

入会しているユニオンではラホーヤビーチの2023がいます。重要な牝系につき活躍を楽しみにしたいですが、さて距離はどのくらいまで持つか。血統的には1200に強い適性がありそうなのですが、馬体を見た感じでは長いところもいけそうには思えるんですよねえ。成長見守りたいです。

デビューして傾向が判明するまでは「適性はどこか?」が議論の的になりそうな種牡馬ですね。ダノンキングリー。

母父ストームキャットというのもありジェネリックキズナなんて呼ばれることにもなりそう。市場取引額からして初年度から活躍馬出てきそうです。

キズナよりも短めの距離傾向かな。と予想しておきます。

ポエティックフレア

父ドーンアプローチ。曽祖父はガリレオ。アイルランド出身、2歳3月という早いデビュー。イギリスの2000ギニーとセントジェームズパレスSを制覇。2000mのG1では3着に甘んじているので、生粋のマイラーかもしれません。

ポエティックフレアの馬名の意味は「詩的にゆらゆら燃える炎」?

ポエティックフレアの種付実績

種付年度種付数種付料
2022年108頭600万円
2023年66頭500万円
2024年7頭プライベート

輸入実績馬につきお値段は強気目。受胎率がかなり低いそうで、2年目は種付数ガクッと落ち3年目はプライベートに。

ポエティックフレアのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2023年セレクトセール当歳4頭/4頭5032万円
2024年セレクトセール1歳4頭/4頭3547万円
2024年セレクションセール1歳2頭/2頭1622万円
2024年北海道サマーセール1歳0頭/0頭0万円
2024年北海道セプテンバーセール1歳0頭/0頭0万円
2024年北海道オータムセール1歳0頭/0頭0万円

受胎率の低さゆえ、セール上場数も少なめ。取引額は上々です。

ポエティックフレア産駒のクラブ募集馬状況

2023年産は37頭が血統登録されているようで、現時点で12頭ほどクラブで募集がかけられている模様。クラブ馬多いですね。やはり社台系クラブが大半を占めます。

どういった馬体が走るのか、まったくわかりませんねえ現状では。

やはり、いかにも芝、って感じが多いですね。

無難に母父ディープインパクトから挙げておきます。全然わからんので。

社台のサプルマインドの2023はスティッフェリオの親戚に当たるんですね。母は4勝、きょうだいも活躍していますし、これはポエティックフレア産駒の代表格になってもおかしくない逸材です。

同じく母父ディープインパクトから東サラのベアトリッツの2023。こちらは母3勝、ワンカラットのいる牝系。きょうだいはまださほど活躍はしていないみたい。

最後にウインから。母父ヴィクトワールピサのウインガーネットの2023。お尻が大きくテンから終いまでいい脚使いそうなタイプに見えます。初戦向きな印象。

受胎率が低い種牡馬につき、初速が肝心。かなりの高打率が出せないと、このまま尻すぼみになりそうですね。これは社台スタリオンにとってもまさかの事態だっただろうなあ。

ダノンプレミアム

父ディープインパクト。朝日杯フューチュリティを制覇、天皇賞・秋やマイルCSでも2着しています。

中内田厩舎快進撃の幕開けを予感させた、印象深い1頭でしたね。

ダノンプレミアムの種付実績

種付年度種付数種付料
2022年145頭120万円
2023年99頭120万円
2024年?120万円

価格の安さもあり上々の種付数です。

ダノンプレミアムのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2023年セレクトセール当歳0頭/0頭0万円
2024年セレクトセール1歳0頭/0頭0万円
2024年セレクションセール1歳4頭/6頭1086万円
2024年北海道サマーセール1歳18頭/19頭962万円
2024年北海道セプテンバーセール1歳11頭/12頭385万円
2024年北海道オータムセール1歳2頭/2頭330万円

特に可もなく不可もなく。

ダノンプレミアム産駒のクラブ募集馬状況

ディープインパクト系種牡馬の中ではちょっと地味な存在。同年に「ダノン」の冠名種牡馬が他に2頭いるのもあって埋もれがち。

現状では6頭程度のクラブ募集数。その内の3頭がロードです。

ロードはたぶん11月から募集開始なので、馬体写真など詳細は見れていないのですが。やっぱり活躍馬が出るとしたら、千代田牧場つながりでロードからなんでしょうか。

写真を見られる募集馬の中から挙げますと、YGGのショーハイウェイの2023がいかにもマイル特化型ディープインパクト系って風貌でいいですね。母父パイロってのがどうかですが、パイロって母父だと芝の方が結果出てるんですね。

まあなんといいましょうか、ディープインパクトの特徴をしっかり受け継ぎ、堅実に結果を出すタイプに思いますよ。過去のディープ系種牡馬の傾向から、勝ち上がり率2割5分を超えられるかどうかが肝になりそう。でも、超えるんじゃないかな?

父は2000mでも走っているものの、本質はマイル以下でしょう。

フィレンツェファイア

父ポセイドンズウォリアー。G1勝ちは2歳時のシャンペンステークスのみの模様。ダート1200〜1600を中心にコンスタントに使われていて、かなりタフな印象。38戦14勝。

実績よりは、レース中に隣の馬に噛み付きに行った馬として有名です。

フィレンツェファイアの種付実績

種付年度種付数種付料
2022年91頭150万円
2023年93頭150万円
2024年?150万円

種付数横ばいは期待の表れか。

フィレンツェファイアのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2023年セレクトセール当歳1頭/1頭3740万円
2024年セレクトセール1歳0頭/0頭0万円
2024年セレクションセール1歳3頭/4頭3923万円
2024年北海道サマーセール1歳15頭/17頭685万円
2024年北海道セプテンバーセール1歳7頭/8頭476万円
2024年北海道オータムセール1歳1頭/1頭121万円

未知数の多い輸入馬ですし妥当な取引実績でしょう。

フィレンツェファイア産駒のクラブ募集馬状況

クラブ募集馬は現在6頭ほど。

ボリューミィな馬格を持つタイプが多い。父親譲りのタフさは期待できそう。

ただ馬体のつくり自体は募集馬ごと個性があって、どのタイプが走るのかは実際にレースに臨んでみないとわからない感じ。母方の影響を受けやすいのでしょうか。

個人的に好きなのは大樹のスノーサミットの2023。同産駒の中では薄めの馬体に映るのですがむしろそれが好印象。兄姉も通好みな種牡馬をつけていて、1勝馬もちらほらいるので楽しめそう。1500万円の募集額はちと高いような気もしますが。

もう1頭、YGGでスクリーンデビューの2023。道営での募集です。母のことをよく覚えていて、地方で150戦くらい走っていたタフな牝馬でした。これとタフな父を付けたということで、かなり息の長い活躍が期待できそうです。サマーセールで528万円は掘り出し物なのかも。

いずれの募集馬も見た目からパワフルな印象が強いので、やっぱりダート一辺倒かなあ。

マテラスカイ

父スパイツタウン。G3を2勝。ダート短距離を得意としています。JBCスプリント2着、アメリカのBCスプリントやサウジ、ドバイにも出ています。

残念ながら2024年6月に死亡。

ザ・森厩舎といった実績の馬です。

マテラスカイの種付実績

種付年度種付数種付料
2022年128頭100万円
2023年134頭100万円
2024年?100万円

貴重なスパイツタウンの血筋ということで人気は高い模様。

マテラスカイのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2023年セレクトセール当歳0頭/0頭0万円
2024年セレクトセール1歳0頭/0頭0万円
2024年セレクションセール1歳1頭/1頭2420万円
2024年北海道サマーセール1歳18頭/20頭729万円
2024年北海道セプテンバーセール1歳10頭/11頭530万円
2024年北海道オータムセール1歳1頭/2頭440万円

種付料から考慮すると十分な取引額です。

マテラスカイ産駒のクラブ募集馬状況

現状募集馬は2頭でしょうか。YGGのグラシエトウショウの2023とユニオンのセンターグランタスの2023。似たような雰囲気をまとっており、まだなんともいえない成長途上といった馬体。

ラーイの血が好きなので応援はしたいですが。

まだまだ判断の難しい種牡馬ではありますね。

でも市場取引価格から、馬産地の評判がいいのは間違いなさそう。中央よりは地方ダートでブイブイ言わすタイプが多いかなあ?

ダノンスマッシュ

父ロードカナロア。香港スプリント、高松宮記念を制覇。見まごうことなきロードカナロア産駒。

繋養先の場長の話では、産駒は「スプリンターらしくない」馬体をしているとのことだが…?

ダノンスマッシュの種付実績

種付年度種付数種付料
2022年146頭220万円
2023年128頭220万円
2024年?220万円

上々の種付数。

ダノンスマッシュのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2023年セレクトセール当歳1頭/1頭3850万円
2024年セレクトセール1歳0頭/0頭0万円
2024年セレクションセール1歳21頭/24頭1398万円
2024年北海道サマーセール1歳9頭/10頭1082万円
2024年北海道セプテンバーセール1歳8頭/10頭635万円
2024年北海道オータムセール1歳2頭/2頭412万円

セレクションセールはもうちょっと値が付いてもよかったなとは思うものの、全体的に高値で取引されています。

ダノンスマッシュ産駒のクラブ募集馬状況

3頭目のダノン系。募集馬は現時点で6頭とまあまあいます。

うーん良くも悪くも印象に残らんタイプが多いかなあ。

なんといいましょうか。全体的に「まさしくロードカナロア系!」といった印象。

気になったのは大樹のタイキマロンの2023。1歳秋時点で体重は485kgとご立派。曽祖母にはタンザナイトの名もあり繁栄している血脈です。母父ファスリエフってのも個人的にはグッド。気になる1頭です。

大樹ではもう1頭、ラファエラの2023も気になるのですが現時点では写真など情報は出てないっぽい。ダイナカールの牝系で気になります。

同じロードカナロアの子ですとサートゥルナーリアがいますが、彼の産駒のほうが見栄えするタイプが多かったような気がします。

とはいえ戦う舞台は、サートゥルナーリアは中距離、ダノンスマッシュは短距離と色分けされていますからね。喧嘩することはなさそう。

こちらは芝とダートの短距離で実績馬が出るのではないかと予想します。

キセキ

父ルーラーシップ。菊花賞馬。

いろんな切り口で現役時代を語ることができる馬。種牡馬的な特性でいえば、使い込んでもへこたれない頑丈さ、7歳の引退まで第一線で実績を上げてきた持続性でしょうか。現代競馬でこういうタイプは珍しい。

個人的には祖母ロンドンブリッジが眩く映ります。

期待している1頭なんですがねえ。後述しますが、セールの売れ行きがイマイチなんよなぁ。

キセキの種付実績

種付年度種付数種付料
2022年79頭80万円
2023年81頭80万円
2024年?80万円

2024年の種付数が気になるところ。

キセキのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2023年セレクトセール当歳0頭/0頭0万円
2024年セレクトセール1歳0頭/0頭0万円
2024年セレクションセール1歳0頭/1頭0万円
2024年北海道サマーセール1歳4頭/7頭1086万円
2024年北海道セプテンバーセール1歳4頭/6頭475万円
2024年北海道オータムセール1歳2頭/2頭440万円

うーんセール実績は正直微妙。セレクションセールで、出資馬ヴァルトバーデンの弟ネイチャーガイドの2023が主取になったのは悲しかった。

キセキ産駒のクラブ募集馬状況

現状で4頭募集。いずれも母馬はサンデーサイレンス系ですな。つまりサンデーサイレンスのクロスが発生。

目玉はDMMのアイワナシーユーの2023になるでしょうか。募集総額1000万円というお手頃価格で、すぐ満口となったようです。

もう1頭挙げておくとノルマンディのラヴィーゲランの2023。白井牧場生産、サマーセールで2035万円ということで、募集総額も2800万円となかなかのお値段。でもゲラン系ってのは惹かれますね。

全体的にまさにルーラーシップの系って印象で、キセキ産駒の実績もルーラーシップ産駒のそれに近くなるのでは。芝はマイル以上、ダートは長いほどいい、みたいな。あとはサンデーサイレンスのクロスがどう出るか、でしょうね。馬体でかすぎは怪我が怖い気がするなあ。

ミスチヴィアスアレックス

父イントゥミスチーフ。勝ったG1はカーターハンデキャップのみのようですね。

ブリーダーズカップのような世界的なレースに出走しておらず、日本馬との絡みもないため、いまいち実力がつかみにくい。

血統自体はゴージャスに見えますがねえ。

日本馬といろいろ変わったクロスが楽しめそうな逸材ではあります。

ミスチヴィアスアレックスの種付実績

種付年度種付数種付料
2022年135頭120万円
2023年83頭120万円
2024年?120万円

標準的な推移だと思います。

ミスチヴィアスアレックスのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2023年セレクトセール当歳0頭/0頭0万円
2024年セレクトセール1歳0頭/0頭0万円
2024年セレクションセール1歳4頭/6頭1402万円
2024年北海道サマーセール1歳22頭/30頭598万円
2024年北海道セプテンバーセール1歳5頭/8頭398万円
2024年北海道オータムセール1歳3頭/5頭245万円

8割弱の売却率。セレクションセールの平均価格はまずまずいいが。ムラっぽさが漂います。

ミスチヴィアスアレックス産駒のクラブ募集馬状況

クラブ募集は現在2頭。ユニオンのイトククリの2023とターフのスリーオーシャンの2023

イトククリは丈夫な子が出やすく、イトククリの2023も大きめ。正直配合面で惹かれる部分は少ないですが、600万円という値ごろ感は魅力です。

スリーオーシャンの2023は、個人的には気になりますねえ。スリーオーシャンの全兄スリーオペレーターとスリーオリオンは優秀な馬でした。母父オペラハウスの希少性も相まって、本募集馬には期待したいところです。

この世代の中ではもっとも評価の難しい種牡馬ではないでしょうか。

祖父イントゥミスチーフは相当優秀な種牡馬でしたが。さてどうだ?

インディチャンプ

父ステイゴールド。2019年にマイルG1春秋制覇。香港マイルは勝てなかったんよなあ。

ステイゴールドの系につき意外性の高い産駒が多数生まれそう。

インディチャンプの種付実績

種付年度種付数種付料
2022年120頭120万円
2023年115頭120万円
2024年?120万円

優秀な種付実績です。

インディチャンプのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2023年セレクトセール当歳1頭/1頭4400万円
2024年セレクトセール1歳4頭/4頭6105万円
2024年セレクションセール1歳6頭/6頭2255万円
2024年北海道サマーセール1歳11頭/14頭536万円
2024年北海道セプテンバーセール1歳2頭/4頭412万円
2024年北海道オータムセール1歳2頭/2頭396万円

種付料120万円でこの取引なら、売却実績も優秀の部類では。

インディチャンプ産駒のクラブ募集馬状況

いやはや…馬産地の評価はだいぶ高いようですね。クラブ募集馬も軒並み評価が高水準。

これは近年稀に見るほどの、いい意味での意外性抜群種牡馬になるのでは。

と見せかけてガッカリ種牡馬だったら驚きますが。

確かにクラブ募集馬たちの雰囲気はいいんです。

ユニオンでも2頭いて、中でもとりわけサラシーの2023の人気はすごかった。かなり注目の1頭です。

インディチャンプ産駒については、あえて1頭ごと見るのはやめておきます。めんどいし

まあシルクからは十中八九、強いのが出てくるんじゃないかしらねえ。知らんけど。

とにかく全体的に見栄えよし。成長曲線も良さげ。

産駒全体の勝ち上がり率がいかほどになるのか。楽しみであります。

ワールドプレミア

父ディープインパクト。菊花賞と天皇賞・春を制覇。

その活躍ぶりから、一時は全兄ワールドエースの種付数&種付料がアップしたほど。

やや「谷間の世代」ともいえ、G1で負かした馬たちのその後がさほどでもない点は気になるところ。

ワールドプレミアの種付実績

種付年度種付数種付料
2022年53頭50万円
2023年41頭50万円
2024年?50万円

期待していたよりは下火な種付推移。全兄ワールドエースは、ワールドプレミア効果で一時期種付数が2倍に膨れ上がった年もあったんですがね。

ワールドプレミアのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2023年セレクトセール当歳0頭/0頭0万円
2024年セレクトセール1歳0頭/0頭0万円
2024年セレクションセール1歳0頭/0頭0万円
2024年北海道サマーセール1歳1頭/2頭220万円
2024年北海道セプテンバーセール1歳1頭/1頭440万円
2024年北海道オータムセール1歳2頭/2頭170万円

上場数が少ないと思ったら、受胎率が5割を切るくらいで低アベレージなんですね。ううむ。

ワールドプレミア産駒のクラブ募集馬状況

現時点でクラブ募集馬はゼロ。

53頭に付けて、登録数は25頭程度みたいですからねえ。

全兄ワールドエースもお嫁さんたくさん集めたわりに、大きな成功は収めていないですからね。致し方ないのかしら。

でも、全兄より優秀だと思っています。初年度から活躍馬を出して逆転ホームラン打ってほしい。

ベンバトル

父ドバウィ。ドバイターフを筆頭に、芝中距離G1を3勝。ダートでも重賞勝ちあり。オーストラリアでの実績から、2024年よりオーストラリアとのシャトル種牡馬となっています。

母の血はやや古めかしさを感じます。それが日本の牝馬たちとどういった化学反応を起こすのか。

何よりビッグレッドファーム繋養ってのが気になる。

ベンバトルの種付実績

種付年度種付数種付料
2022年108頭250万円
2023年115頭250万円
2024年?250万円

ビグレッドの後押しはあるでしょうね。

ベンバトルのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2023年セレクトセール当歳1頭/1頭7260万円
2024年セレクトセール1歳0頭/0頭0万円
2024年セレクションセール1歳5頭/5頭1408万円
2024年北海道サマーセール1歳1頭/1頭748万円
2024年北海道セプテンバーセール1歳2頭/3頭429万円
2024年北海道オータムセール1歳1頭/2頭110万円

セレクトセール当歳に1頭上場したのはお見事。セレクションセールでの取引価格も上々です。

ベンバトル産駒のクラブ募集馬状況

募集馬は現時点で22頭もいます。

案の定、ウインとラフィアンが大半を占めます。てかラフィアンだけで12頭おりましたわ。

ドバウィの系譜というと、日本ではマクフィ産駒が最近は頑張っています。馬体の印象はやはり似ているのですが、どちらかというとマクフィ産駒のほうがプリッとしていて私は好き。たぶんマクフィは短距離傾向で、ベンバトルは中距離路線のタイプが多いのでしょう。

ラフィアンに母父アグネスデジタルの馬が2頭募集されているところを見ると、馬産地もタイプの把握に苦労しているのでは。芝に出るのかダートに出るのかまったくの未知数。アグデジの肌に付けたくなる気持ち、すごくわかります。

距離は、短距離な印象はないのだけれど、ウインでは母父ダイワメジャーの産駒がいて、これはもしかしたら短めに出るかもしれません。

母父ステイゴールドが多かったり、ウイン&ラフィアンだけ見てるとやはり癖が強い。傾向が偏る印象です。つまりベンバトルの等身大の種牡馬としての能力は、この2クラブだけでは算出できない気がする。

そんな中で上記2クラブから気になる馬を挙げますと。

まずラフィアンの母父ディープインパクトのフォクシーレディの2023は、いい意味でベンバトルらしさがなくて好印象。母父ディープはもう1頭いてそちらの方がクラブの一押しみたいですが、私はこちらが気になります。1口30万円ながら早々に満口というのも好材料。

ウインからはウインファビラスの2023が、こちらもベンバトル産駒らしさが少なくいいように見えました。というか個人的にかなり好きな馬体。兄姉の活躍が今ひとつのようですが、母はG1でも上位に来ていた記憶。楽しめそうな予感です。3800万円はちと高い気がするけど。

ほかのクラブだと、G1、ターフ、グリーン、ノルマン、ユニオンから1頭ずつ。

G1のローズマンブリッジの2023はいいですね。姉にドゥアイズ。やはり母父ディープインパクトはいい気がします。

グリーンのナスノフォルテの2023も面白く映りました。活躍している牝系ですし。ただ2500万円は高い気もします。口数が余っているのは、価格と、あとはベンバトルが未知数すぎてというところか。

そして最後に我がユニオンのオースミハナチャンの2023。いろいろ物色した後に改めて本馬を見てみると、この子もあまりベンバトルしすぎてなくて好印象かも。

ドバウィらしさがいい意味で薄まっているタイプがいいと思うんですよね。マクフィもそうだったと思います。

活躍する産駒も、距離のテリトリーは違えど、マクフィと同じ感じになる気がするなあ。母父ディープインパクトとかマンハッタンカフェとかハーツクライあたりの、ゴリゴリなサンデーサイレンス系牝馬との子に強いのがいそうです。母父アグネスデジタルは狙い過ぎだと思うんよ。

ヴァンゴッホ

父アメリカンファラオ。2歳時にマイルG1クリテリウムアンテルナシオナルを制覇。この時の馬場は不良。

3歳時は欧州マイルやダービーに挑戦するものの勝ち星は上げられず。

うーん、産駒はマイラーになるのか…?アメリカンファラオの血なのでダートに出そうではありますが。

ヴァンゴッホの種付実績

種付年度種付数種付料
2022年73頭200万円
2023年67頭180万円
2024年?180万円

まずまずといったところ。

ヴァンゴッホのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2023年セレクトセール当歳0頭/0頭0万円
2024年セレクトセール1歳1頭/1頭2090万円
2024年セレクションセール1歳7頭/8頭1155万円
2024年北海道サマーセール1歳13頭/15頭642万円
2024年北海道セプテンバーセール1歳4頭/4頭462万円
2024年北海道オータムセール1歳1頭/1頭220万円

これまたまずまずといったところ。セレクトセールに上場されたプレインズウーマンの2023は要チェック。

ヴァンゴッホ産駒のクラブ募集馬状況

アメリカンファラオの子としてはすでにフォーウィールドライブが産駒デビューしていて、地方を中心に好成績を出せています。

アメリカンファラオの系は、良くも悪くも似たり寄ったりよなあ。

ヴァンゴッホのポイントは母父サドラーズウェルズである点。しかし結局現役時は欧州の芝との相性は測りきれず。G1勝ったときも不良馬場だし。

クラブ募集馬は3頭いて、いずれもアメリカンファラオの系らしく立派でパワー感あふれています。

一応、サドラーズウェルズを意識しているかもしれない点で、キャロットのブリガアルタの2023は挙げておきますか。カタログでは「芝」とほぼ断言口調ですが、うーんどうなんでしょうね。

すでにアメリカンファラオやフォーウィールドライブ産駒を何頭か見てきたので、とくに目新しさはないんですよねえ。帯に短し襷に長しといった印象で、芝もダートも中途半端、なんてことにならないといいですが。

個人的にはエピファネイア牝馬と付けてみては?と思ったり。

調べてみたらすでに2頭いました。クラブ馬ではないですが。こういうひねった感じの配合で結果を出しそうな種牡馬かなと思います。

まとめ

去年の新種牡馬は「曲者ぞろい」で期待できそうな種牡馬が多いと書きましたが。

今年は評価が難しく、期待値の高いタイプが少ない気がするなあ。

ムラっぽいというんですかね。キセキやミスチヴィアスアレックスがまさにそんなイメージ。

マテラスカイも配合次第で雲泥の差がありそうかなあ。長期で見たら大活躍馬も出そうと思ってましたが、早世は残念。

クリソベリルもややムラを感じています。なんか、中途半端に芝っぽいタイプが多いように映るんですよね。同じゴールドアリュール系だと去年のゴールドドリームのほうが、いかにもダート、ってタイプが多い印象でした。

というわけで期待の種牡馬は以下の5頭をピックアップ。

  • コントレイル
  • インディチャンプ
  • ベンバトル
  • フィレンツェファイア
  • ダノンキングリー

ほぼ期待している順です。

コントレイルは、これはもう必勝請負馬といいましょうか。確実に結果は出してくることでしょう。

問題はどれだけクラシックに産駒を乗せてこれるか。いきなりダービーに3頭以上出てきたら化け物種牡馬です。ディープインパクト自身は当初マイラーが多く、クラシック路線が薄かったのですが、コントレイルは産駒を見ていてもそんな印象は受けませんでした。むしろ中距離以上専門になるのでは、と予想。この点はキタサンブラックに近い感じになるかも?

コントレイルとほぼ並んで期待なのがインディチャンプ。なにしろ産駒が皆さんゴキゲンそのもの。

インディチャンプ産駒はマイル路線となります。去年はアドマイヤマーズが産駒デビューしていて、層の薄いマイル種牡馬ということでいきなり結果が出ていますが、ここにインディチャンプが参戦してどんな混戦模様を描くのか。両産駒がマイルG1でしのぎを削る未来というのも、そう遠くないうちに訪れそうです。ただ、アドマイヤマーズが芝タイプ多めに対し、インディチャンプはややダート系も多くのなるのでは。これは祖父にあたるダイワメジャーとステイゴールドの傾向に近いものとなるでしょうか。

ベンバトルは全体的にザ・欧州といった産駒が多い感じ。その中では、日本系の肌馬との子で、やや欧州風味が薄れたハーフに活躍馬が偏るのではと予想しています。

なにしろベンバトルは、ビッグレッドファーム繋養ってのが気になる要素ですね。ロージズインメイの輸入や、ダノンバラードを逆輸入したスタリオンですから。種牡馬実績面でかなり期待できると思うわけです。

4番手のフィレンツェファイアは、今どき珍しい数使ってナンボなタフネス系種牡馬ってのが魅力。主戦場は地方になると思いますが、中央でもローカルを中心に息長く活躍するタイプが量産されるかもしれません。

最後にダノン3頭のうちダノンキングリー。セレクションセールよりもサマーセールの方が平均取引価格が上、というのが注目ポイント。成長力が期待できそうで、父と同様にクラシック路線で活躍でき古馬になってさらに楽しめる産駒が出てきそうです。ダートも大丈夫と思われる。

以上の5頭を期待の種牡馬としました。

全体としては、去年に比べてやや見劣りする新種牡馬ラインナップかなと思っています。去年は期待種牡馬のピックアップに悩むほど充実していました。今回はさほど悩まずの5頭です。

ちともうディープインパクト直仔種牡馬には食傷気味といいますか、コントレイルで和了、って感じですよね。それよりはディープインパクトの孫世代に種牡馬候補が少ない、ってのが気になってますね。ブラックタイドには早くもイクイノックスがいるというのに。

ファーストシーズンサイアーランキングとしては、コントレイルより先にインディチャンプがトップに躍り出るのでは。地方ではクリソベリルがまずトップに立つことでしょうね。

最終的には数の差もあって、コントレイルがトップに君臨してもらわないと困りますが。

コントレイル世代は事前の評判通りに近い結果となりそう。と予想します。最終的な答え合わせは2027秋頃になるでしょう。

2024年版の種牡馬一覧はこちら。