ついに彼の引退報告をする日が来てしまったか…。
ヴェローナシチー(全500口・募集総額1700万円)が2024年8月のレースを最後にファンド解散、このほど精算が終わりましたので収支の報告とともに振り返りです。
かなり詳しい収支報告の計算は以下の記事で書いています。
書き終えてしまうと本当の別れという気がして…なかなか書けずにいて精算から3ヶ月くらい経ってしまいました。
嗚呼、悲しきヴェローナシチーとの別れ。
それでは振り返りスタートです。
およそ1口3万円の黒字
ヴェローナシチー(全500口)の収支は、1口当たりおよそ3万円の黒字でした。
重賞でも好走したから、もうちょっとプラスなのかと思った!
500口ですからね。全体でいえば1500万円ほど。まあこんなもんでしょう。
1勝に終わってしまいましたしねえ。
重賞好走はもちろんありがたかったですが、自己条件でもうちょいいい結果が出せていれば…収支もより違ったものになっていたかもしれません。
果敢に格上挑戦するのは、強気な佐々木先生の厩舎だった時点で覚悟はしていましたが。
唯一の「何口出資するか」で悩んだ馬
実は、募集当初はヴェローナシチーことアモーレエテルノの2019に出資する意思はありませんでした。
ぶっちゃけ友駿退会を視野に入れていましたからね。
マルボルクシチーの引退とともに、自分も友駿を去ろうかなと思っていました。
この2019年産募集開始時期あたりから友駿は暗黒時代に突入。年間1勝の時期なんかもあったりでして。さすがに積極的に出資する気にはなれませんでしたね。
相当いい馬に出会えない限り、友駿を延長しようとはならなかったです。
でも、出会っちゃったのね。
そうです。
ヴェローナシチーは、1歳10月の馬体写真がとにかく良かった。「他の(会員の多い)クラブだったら即満口では?」ってレベルでいいと思った。全然見る目のない私でさえそう思い即出資したわけでして、この秋の報告直後に満口となっています。
いつもなら「出資するべきか否か」で悩み続ける私ですが、ヴェローナに関しては「何口出資しようか」という出資前提から入りました。
我が家では初の複数口出資馬となりました。
写真見た瞬間に出資を決めたのはヴェローナちゃんが初だったわね。
おそらく後にも先にもこの子だけになるんじゃないかなあ。
そのくらい、秋の成長ぶりは素晴らしかったです。
2戦目で未勝利勝ち、3歳重賞でも活躍
ヴェローナシチーのデビューは2歳7月と早め。
なかなかレベルの高い新馬戦でしたね。
疲れが溜まったこともありヴェローナはしばし放牧。次にレースに出たのは12月。鞍上は団野騎手でした。
この2戦目で、5億円超えのセール取引で話題となったショウナンアデイブを2馬身半差おさえ、勝ち上がりとなります。
この負かしたショウナンアデイブも現在はオープンクラスですからね。5億円は伊達じゃない。
さらに新年明けてすぐの京成杯に出走しここで3着!
この時に「G1出走も狙える!」と確信していたわね。
レースぶりが素晴らしかったですからね。かなり強い競馬をしていました。
ちなみにこの京成杯を勝ったのはオニャンコポン。ほんとこの世代は個性が強けりゃ実力もあるメンツが揃ってるよなあ。
2着で悔しさ滲む春
その後のヴェローナちゃんもその実力を存分なく発揮してくれます。
しかし一方で、「あともう一声!」という感想を抱くこともしばしば。
2月のすみれステークスが3着、3月の若葉ステークスは2着で皐月賞の切符を手にするも出走は断念。
ダービー出走を賭けて、体調を整えて挑戦した5月の京都新聞杯。酒井騎手を乗せて繰り広げられた本レースが、私にとってヴェローナシチーのベストレースですね。
このレースは何度見ても悔しいぜ…。
「ダービーに出るなら穴」とアンカツさんが評してくれたくらいのレース内容。ほんといいレースぶりでした。
しかし賞金不足もありダービー出走から白百合ステークスへ切り替え。
この白百合ステークスへの出走というのが、ヴェローナシチーのその後を左右したようにも思えますねえ。
結果は2着。これで3戦連続2着。
春に5戦はかなり厳しいローテだったと思います。相当に疲れが溜まったのでは。これが秋以降のヴェローナシチーの体調に少なからず影響を与えたのではないかと自分は思っています。
せめてどれか1戦でも1着であったら…その後のレース選択もしやすかったことでしょうに。
ちなみに白百合ステークスを勝ったのはその後ラジオNIKKEI賞を勝つフェーングロッテン。メンバーが手薄になりがちな本レースですが、この世代に関しては決して楽なレースではなかった。
出資馬念願のG1出走
さて夏にじっくり休暇をしたヴェローナシチーは神戸新聞杯から始動。定番のクラシックロードのスタートを切ったわけですが。
結果は5着と振るいませんでしたね。
団野騎手のコメントとしては「まだ本調子ではない」ということでしたが。春の疲れが抜け切っていなかったのではないだろうか…。
この結果から菊花賞出走は諦めかけていたのですが…どうも賞金的に出走ができそうかもということで登録。かくして出走が叶ったのです!
しかも鞍上は川田騎手!
念願のG1出走。しかし結果は12着と見せ場なし。どうも長距離は得意ではなかったみたい。
メンバーレベルとしても近年の菊花賞の中では珍しいくらい高かったような。その後のG1好走馬結構いますし。
自己条件からスタートするも…
菊花賞の後は自己条件へ。
12月、オジュウチョウサンの引退レースの日、グレイトフルステークスに出走。結果は1番人気ながら2着でした。また2着かぃ〜。
現地で見届けましたが、ちょっとターゲットにされすぎた感じはありましたかね。こうなるとどうも勝味に薄いタイプに思われます。
人気低めの先行策が合っていそう。
3歳の年末時点で3勝クラスにいるものの、勝ちは未勝利の1戦のみ。この世代の中では随一の1勝馬であることは間違い無いでしょうね。嬉しいやら悲しいやら。
2023年はハンデ重賞の日経新春杯からスタートします。
ここでまた川田騎手が跨り、3勝クラス馬ながら人気をそこそこ背負うも、12着に沈む結果に。
そしてこのレースの後に屈腱炎が発覚、9ヶ月の診断が下されました…。
まさに絶望でしたね…。
ここまでコンスタントに使ってきましたから…その反動だったのでしょう。
結局ここから1年半の長い長い休養&リハビリ生活に。
それでも私は待ち続けました。再びターフに戻り活躍してくれる姿を想像しながら。
リハビリセンターでプール調教に励む姿が話題になったりもしましたね。
プールが苦手で、フガフガ言いながら必死に泳いでいるヴェローナちゃんはかわいかったわね〜。
小倉記念レコード決着の4着、屈腱炎再発で引退へ
2024年7月のテレQ杯がヴェローナシチーの復帰戦となりました。
結果は8着。まだまだ緩い走りでしたが、ターフに戻ってきてくれただけで感動ものでした。
続いてはなんと小倉記念。格上のハンデ重賞というと嫌でも日経新春杯の悪夢を思い出してしまいますが…出るからには結果を出してほしいと祈って観戦しました。
この小倉記念は中京芝2000mのコースレコードを塗り替える記録的なレースに。
ヴェローナシチーは4着。この4着でもタイムは記録的であり、本馬の実力が本物であると、そして長期離脱後も力を失っていないことを、証明してくれました。
しかし…。
屈腱炎を再発、引退が決まりました…。
心の中で何かがガラガラと崩れていく音がしましたね。本当に。
引退後は乗馬になるのね。
すでに去勢も済ませ、乗馬に向けて訓練を進めています。
レベル高すぎな世代
ヴェローナシチーは2019年産世代。
この世代には強い馬がゴロゴロいます。ダービー出走馬は、1頭を除いてすべて重賞を勝っているんでしたっけ。5歳になった2024年も、重賞の多くがこの世代だったと記憶しています。
イクイノックスやドウデュースだけでも半端ないのに…強い馬があちこちにおるわけでして。
そんな中でヴェローナシチーもG2で2着になるなど活躍はできましたが、2勝目を上げられないまま。代表勝ち鞍が未勝利戦だけの、8000万円近くを稼いだ競走馬としてターフを去ることになりました。
世代の壁に跳ね返され、2勝目をあげられなかったことが、彼の馬生を最も狂わせたかもしれません。
3歳の春、どこか一つでも勝てたなら。ローテーションにもゆとりを持たせられ、屈腱炎で長期離脱の事態を招くことはなかったかも。タラレバは禁物ですが、そう思わないわけにはいきませんね。
SSクロス持ち500kgオーバーのリスク
ヴェローナシチーに出資する上で気がかりだったのがこれ。サンデーサイレンスのクロスを持ちながら500kgを超える巨漢であったこと。
SSクロスは爆発力を有しながらも、体質面で難ありという傾向を感じていました。
しかも500超となれば足元が不安になってしまう。
結局この不安は的中しまして、デビュー戦後にも怪我がありましたし、4歳時には屈腱炎で長期の離脱となりました。
他のこれまで気になっていたSSクロス持ち大型馬も、軒並み怪我をしていて…ちょっともうこの系統には出資が怖くてできない。
ヴェローナシチーの引退とともに友駿を退会
ヴェローナシチーの引退とあわせて、私も優駿を退会しました。
もう出資馬0だもんね。
かれこれ7年くらい在籍しましたが、結局中央馬2頭と地方馬2頭という少数の出資に終わりました。そのうち2頭が出資金以上の活躍を見せてくれています。
ヴェローナシチーのおかげで友駿は大きな損失を被ることなく終えることができました。しかもG1出走の夢を叶えてくれたのですから、これ以上を望むのは贅沢すぎるかもしれません。
しかしやはり。ヴェローナシチーの現役生活は決して順風満帆だったとは言えず…。
何か一つでも結果が変わっていたら、彼の馬生も大きく動いていたかもしれない。春に1勝できていれば。イクイノックス世代でなければ。そう思わずにはいられない現役生活でした。
とにかく今はただ、ヴェローナシチーの第二の馬生が穏やかであることを祈るのみ。もう痛みとリハビリに苦しむことのない、安息の日々であることを願ってやみません。
たくさんの夢をありがとうございました!ヴェローナシチー、そして友駿!
もうこんな素晴らしい馬とは一生出会えなのではないか。そう思えるくらいの、私にとって最高のスターホースです。