ポケッティーノ(1勝クラス・ファンド解散)の収支報告と思い出話

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ポケッティーノ(全200口・募集総額900万円)が2025年1月のレースを最後にファンド解散、このほど精算が終わりましたので収支の報告とともに振り返りです。

かなり詳しい収支報告の計算は以下の記事で書いています。

ポケッティーノ。低価格の牡馬ということで、コスパにとことんこだわって出資を決めた1頭です。

その狙いは遠からず当たり、なかなか楽しめました。

一口馬主ライフを楽しむとともに投資として冷静に見るためだったり、一口仲間を増やすためだったり、反省点などを振り返るために本記事は存在しています。

それでは振り返りスタートです。

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1口およそ7万円の赤字

3歳3月にデビューし、5歳1月まで走ったポケッティーノ。地方で3勝するも、中央では勝つことも叶わず。中央地方で合わせて18戦し、トータルで1口あたり約7万円の赤字という結果でした。

長く走った割に赤字額は少なく済んだんじゃないの?

ですね。中央0勝ですから、普通なら赤字10万円は優に超えるはずです。

7万円とそこそこの出費で済んだのは、低コストな初期費用&維持費用のおかげと言っていいでしょう。その辺を中心に据えつつ、ポケッティーノについて振り返っていきます。

ボムシェルの2020

ポケッティーノの母はボムシェル。このボムシェルはターファイトで募集がかけられ、中央2勝と十分な戦績を収めています。

ボムシェルは繁殖としての成績も上々。2016年産にファンシャン(父トーセンラー)がいて、母と同じくターファイトで募集がかけられ中央2勝、賞金3500万円を稼ぎました。ちなみに募集額はポケッティーノと同じ900万円。十分な稼ぎ頭ですね。

このファンシャンの弟ということで、「まあまあ楽しめる1頭なのでは」というのが当初の見立て。

しかも父ネロというのも、マイナー種牡馬マニア(?)な私としては惹かれましたね。

ネロは2021年に九州へ移動していますから、実質ユニオンで募集されるのはこれが最初で最後と見てよかったでしょう。

ストームバードの系譜でサンデーサイレンスの血も入っている。非常に希少性の高い種牡馬だと思います。ネロ。

ファンシャンがそうであったように、このボムシェルの2020ことポケッティーノも、芝の短距離で活躍が見込めそうでした。

血統に魅力はありました。しかし、最初は出資検討馬にすら入れていませんでした。

出資を検討し始めたのは1歳秋の報告。当初の幼い馬体から一変してメリハリの効いたボディへと成長。ここで検討リストに入るようになります。ただ体重は430kgくらいと軽く、もう少し成長を見守ってから出資是非を決めようと思っていました。

早期デビューのはずが…

募集当初から「早期デビュー」をちらつかせていたポケッティーノ。

本当にその宣言通り、2歳の4月時点で「いつ入厩の声がかかってもいいように調教していく」という報告が出るようになりました。

早期デビュー組になかなか出会えない我が家。「これは」と思い、締め切り直前で出資を決めました。

ちなみにこの出資時点で馬名も決定していて、ポケッティーノの響きが気に入っていたのもポイントでした。やっぱり馬名って大事よね。

そして2歳6月で早くも入厩、7月の頭にはゲート試験合格を果たすわけですが…。

ここからなかなか手厳しい洗礼を受けることに。

トレセンでの稽古ではさっそく「前進気勢が物足りない」と一刀両断され…稽古を重ねますが追うごとにタイムも悪くなります。一旦仕切り直しということで育成場へと帰されました。

この時点でかな〜り嫌な予感はしていました。

そして9月に帰厩するわけですが…。

いよいよデビューへ最終追い切り!というタイミングで稽古中に転倒してしまいます。前代未聞やで。

馬も人も無事でよかったですが…疲労が相当に溜まっていたため再度の放牧へ。

結局デビューできたのは新馬戦が終わった3歳3月でした。

出鼻をくじかれる。そんな思いでしたなあ。

中央では太刀打ちできず地方へ

ダートの短距離で2戦するもともに12着と振るわず。さらに3歳9月、おそらくこの世代最後の交流戦だった門別のプレセぺ特別に出走し8頭立て5着。

この結果を受けてファンド解散もあるかと覚悟しましたが…地方転籍が決まりました。

岩手競馬で善戦を見せるも1勝で開催期間が終了、笠松へ移籍。明けて4歳となります。

この笠松で2勝し中央へ復帰が叶いました。結局地方で12戦も経験を積むことに。

個人的には2歳3歳の中央時代もコンスタントに使ってもらうつもりだったのですが…うーん、調教が動けていなかったというが、試しに出してみる気はなかったのだろうか。

まさかの落雷で競走中止

4歳初夏、中央に戻ってきたポケッティーノ。厩舎は石栗龍彦厩舎へ。

さっそく新潟1000mを2回使いました。タイム的にはまずまずといったところ。

この時の新潟2戦目、本来は2024年8月25日の1勝クラス、芝1200mを使う予定だったのですが、落雷の可能性のため競走中止という史上初の出来事に見舞われました。

そのため出走は翌週の1000mへスライド。その時の出走レース名が雷光特別という奇縁。

落雷中止になったレースに登録していた出走馬のうちの1頭。ある意味歴史に名を刻むことになったポケッティーノなのでした。

1勝クラスでは太刀打ちできずサラオクへ

新潟で2回使った後、福島芝1200、中山ダート1200を使うも結果は実らず。2025年1月にファンド解散が決まりました。

まあ概ね予想通りでしたな。

1勝クラスの壁は高いわね。

欲を言えば、1回か2回くらい掲示板に載るくらいの結果は残してほしかったですが。

2025年1月23日のサラオクへ出品されおよそ155万円(税込)で売却されています。

この売却額は、ユニオン基準だとなかなか高値だったと思いますね!

900万円の募集馬で、5歳の1月時点でこの価格で売れたのなら上々。まだまだ現役をやっていけると見込まれての入札だったことでしょう。これは本当にありがたい話です。

新しい馬主のもと、すでに名古屋で数戦経験。まだ勝ちはないですが2着にも入る活躍を見せています。

なんとかBクラスくらいにまで這い上がってほしいな〜。出資馬ではなくなりますが、引き続き応援したいと思います!

コスパ高め馬から大物誕生を夢見て

赤字ではありますが、中央0勝ながら小さめの赤字で済んだポケッティーノ。出資先としては反省点はとくにありません。楽しく応援できました。

本馬の損失が低く済んだ理由としては、募集額が安かったのは大前提としまして、大きく以下の3点が挙げられます。

  1. 比較的安価な育成場
  2. コンスタントに使える体質
  3. サラオク売却額も高め

1は出資時から狙い目と思っていました。

ポケッティーノは姉のファンシャンと同じ矢沼ステーブル育成。ここは預託料が安いことで知られていたので、毎月積み立ててきた維持費(月3000円の定額)が引退時に多めに返ってくるだろうという見込みがありました。

実際の数字を見ると、ポケッティーノのファンド解散時のトータル維持費相当額は1960万円。そのうち、実際に費用としてかかっていた預託料は1300万円ほどで、600万円のお釣りがあったことになります。1口にして3万円ほどになるでしょうか。

中央所属で、5歳まで走ってこれほど返戻金があるのは珍しいことですよ。ユニオン基準で。

そして2の体質。2歳時は調教時にひっくり返るといった珍事を起こす本馬ですが、本質的にはタフなタイプ。大きな怪我とはあまり縁がない印象の馬体であり、今も地方でコンスタントに使えているところからして消耗の少ないことがうかがえます。使うほどにいい。

こういったタイプは、毎レース結果が出なかったとしても、出走手当で管理費はペイできますからね。懐の不安に見舞われることなく、楽しむことができます。

最後の3。サラオクで高く売れるかどうかは、出資当初はそこまで想定はしていなかったですが(願わくば引退まで出資していたかった)、比較的高値がついたのはありがたい話。地方でなら引き続き戦っていけると思っていたので、サラオクで真っ当な評価を受けて落札されたのは嬉しかったです。

出ていくお金を最小限に抑えられ、出走手当や売却金でそこそこ稼ぐ。期待を上回る活躍はできませんでしたが、しっかり還元してくれたのがポケッティーノちゃんでした。

こういった、勝てなくても赤字を抑えられるコスパ高め馬に出資を続けていきたいですね私は。この方針で長く細くやっていければ、その中に1頭くらいすごいのがいても不思議ではないと思っています。この手のタイプはやっぱり牡馬にいそうかな。ある意味、計算通りな子でしたよポケちゃんは。

ただ、もちろん誤算もありました。

早期デビュー見込みのはずが、遅れに遅れて結局新馬戦に間に合わないとは。これには閉口しましたね。

ただこれをデビュー前に察知するのは厳しかったかな…。

まああまり公式のコメントを鵜呑みにしない。これに限るのかな。

でも調教の内容からして早期デビューはできたと思うんだよな。あとはもう陣営の判断次第なところでして、他の厩舎であれば早期デビューに至れたのではないかとも思ったわけです。ここは今後の検討材料として覚えておきたいですね。

ポケッティーノは新しい馬主のもとでまだまだ現役を続けていくことでしょう。長く活躍してくれるはずです。引き続き応援したいですね。地方でBクラスを定位置にできれば、落札額155万円以上の見返りは十分にある。そんな馬主孝行なタイプと思っています。