【2021年版】母父の血・BMSについて考える

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データは2021年7月頭時点のものです。

去年に続き母父の血、BMS(ブルードメアサイアー)についていろいろ考察してみます。

去年の記事はこちら。

去年はリーディング上位10頭に絞って展開しましたが、今回は一気に枠を広げ50位までの種牡馬について調べています。

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2020年母父ランキング上位の成績

2020年のBMSランキング上位の種牡馬のうち、年間の出走頭数が50頭以上について、累計成績をまとめたものがこちら。

馬名 累計勝馬率(%) 累計EI 2020年順位(前年比)
キングカメハメハ 35.3 1.13 1(1↑)
サンデーサイレンス 39.5 1.55 2(1↓)
クロフネ 35.2 1.01 3(→)
アグネスタキオン 29.4 0.65 4(1↑)
ディープインパクト 33.3 0.82 5(5↑)
シンボリクリスエス 35.5 1.09 6(→)
フレンチデピュティ 42 1.28 7(→)
ダンスインザダーク 30.9 0.87 8(→)
フジキセキ 28.5 0.71 9(→)
スペシャルウィーク 31.7 0.99 10(6↓)
ブライアンズタイム 33.4 1.02 11(→)
サクラバクシンオー 28 0.86 12(4↑)
マンハッタンカフェ 28.2 0.69 13(1↓)
アンブライドルズソング(48頭) 49.2 1.99 14(→)
タイキシャトル 26.6 0.7 15(2↑)
ネオユニヴァース 26.6 0.65 16(1↓)
ジャングルポケット 27 0.71 17(1↑)
ゼンノロブロイ 25.2 0.54 18(16↑)
ストームキャット 49.3 1.94 20(7↓)
アグネスデジタル 31.2 0.74 21(2↓)
タニノギムレット 28.4 0.71 22(7↑)
キングヘイロー 30.2 0.79 23(16↑)
キングマンボ 41.3 1.26 24(1↑)
ダイワメジャー 27.7 0.48 25(45↑)
ワイルドラッシュ 31.8 0.79 27(18↑)
マイネルラヴ 35.9 1.27 28(13↑)
アドマイヤムーン 23.5 0.49 30(24↑)
エンドスウィープ 37 1.15 32(12↓)
ファルブラヴ 37.7 1.12 33(2↓)
アドマイヤベガ 31.1 0.82 35(9↑)
ジャイアンツコーズウェイ 48 1.34 36(1↓)
ゴールドアリュール 27.7 0.55 37(13↑)
ティンバーカントリー 30.8 0.79 38(29↑)
ホワイトマズル 31.4 0.96 41(5↓)
ガリレオ 40 1.06 42(30↑)
ハーツクライ 27 0.61 43(4↑)
ロックオブジブラルタル 31.2 1.31 45(7↓)
アフリート 33.9 0.84 46(20↓)
ウォーエンブレム 35.2 0.99 47(1↑)
シングスピール 40.2 1.47 50(28↓)
平均値 33.4 0.9685
中央値 31.55 0.865
  • 2020年の年間出走頭数が50頭以上の、母父(BMS)ランキング賞金上位50位までの種牡馬を対象にしています
  • ちなみに条件から漏れた種牡馬は、タピット(19位26頭)、ディストーテッドヒューマー(26位33頭)、ロミタス(29位4頭)、ボストンハーバー(31位44頭)、フサイチペガサス(34位45頭)、ミスターグリーリー(39位34頭)、コロナドズクエスト(40位39頭)、フラワーアレイ(44位4頭)、グリーンチューン(48位3頭)、ダンシリ(49位26頭)
  • アンブライドルズソングのみ、年間出走頭数が48頭とギリギリ条件から外れていますが、参考として載せています
  • 勝馬率・EIともに母父としてのデータで、2021年7月時点での累計の数値です

キングカメハメハが1位に君臨した2020年

2020年の母父ランキングで注目トピックとなったのはキングカメハメハのトップの座獲得でしょう。

2006年から2019年まで14年連続BMSランキングトップだったサンデーサイレンスが、ついに2位に落ち、キングカメハメハに譲りました。

すでに去年の秋に記事にしていました。

もっとも貢献度が高かったのはデアリングタクトの活躍でしょう。結果、2020年はキングカメハメハとサンデーサイレンスとの間に4億円の差がつきました。

ちなみに2021年も今のところキングカメハメハが1位ですが、ディープインパクトがすぐそこまで迫っています。サンデーサイレンスは5位にまで転落しています。時代の流れってやつですね。

2歳3歳の活躍によっては、2021年母父ランキングトップはディープインパクトが輝く可能性もまだあり得ます。

母父アンブライドルズソングの活躍は異常

出走頭数が48頭につき、今回の対象から外れているためあくまで参考ですが、アンブライドルズソング(Unbridled’s Song)の母父成績は異常なほど優れています。

2020年はコントレイルの活躍が大きかったですね。過去ではスワーヴリチャード、トーホウジャッカル、ダノンプラチナなど、錚々たる顔ぶれです。

これはアンブライドルズソングだけの話というわけでもなく、海外馬の母父としての成績は相当優秀です。フレンチデピュティやストームキャットはもちろんのこと、キングマンボ、ガリレオ、ジャイアンツコーズウェイ、あと地味ですがファルブラヴなんかもいいですね。

海外種牡馬は、父としては日本の馬場とイマイチ相性が良くありませんが、母父としては相当優秀だと思います。

以前の母父記事でも書きましたが、母父成績で上位に来る馬は、頑丈なタイプが多いんじゃないかなと思っています。シンボリクリスエスとかまさにそうでして。海外馬はアウトブリードになりやすい傾向もあり、母父に入ることで頑丈な産駒傾向となり、堅実な成績を修めるのではないかと分析します。

このような観点から、私は、母父アルカセット(その父キングマンボ)には密かに期待をしていたりします。

ランキング急上昇中はゼンノロブロイ

さて個人的に相当注目しているのがゼンノロブロイの母父実績。

ここ5年の推移を見ると、95位、30位、34位、18位、そして今年は現在17位と順調に推移しています。産駒の数を考慮すれば、ディープインパクトに匹敵する急上昇ぶりではないでしょうか。

サンデーサイレンス系の種牡馬の中にあっては、ローミンレイチェルという非常に格式高い血が汲まれている点が、ゼンノロブロイの母父としての活躍を裏付けているのかもしれません。

この点に着目し、私が出資したのがヴェローナシチー。新馬戦は最速の脚を使って3着と、将来性を感じさせるデビューを飾ってくれました。秋以降の復帰戦でぶっちぎってくれることを期待しております。

今後も母父ゼンノロブロイには注目です。

いつか大物が出てくれるのではないでしょうか。それがヴェローナシチーであって欲しいです。

ダイワメジャー・ワイルドラッシュ・マイネルラヴにも注目

表中で連続で赤字とした、ダイワメジャー、ワイルドラッシュ、マイネルラヴにも今後のランキング推移に注目です。

ダイワメジャーは母数が多いので今後もランキングを上がっていくことはほぼ確実。ただその多さゆえに、EI自体は低め。まあこれは先ほどのゼンノロブロイにも共通していることですが。

勝馬率もやや心許ないので、吟味は慎重に行いたいですねダイワメジャーは。

残るワイルドラッシュとマイネルラヴは、個人的にはけっこう期待しています。

ただマイネルラヴについては、活躍馬の多くが、マイネルのビッグレッドファームか、ウインのコスモヴューファーム産だと思われるので…馬券でお世話になることはあっても、一口馬主で出資対象になることはあまりなさそうですね、私の場合。

母父ワイルドラッシュは、所属クラブの現在の募集馬に気になる馬がいます。後ほど詳述。

まとめとして

馬券で予想を立てる際や、一口馬主募集馬に出資する際など、母父に着目することは非常に大切だと思います。

ダービーやオークスの出走馬は、ほぼこの母父ランキング上位の馬たちで占められていますからね。当たり前といえば当たり前の話ですけども。

とにかく母父ランキング上位の馬から買っていけば間違いない。そういう感じの結論なんですよ、この記事に関しては。身も蓋もないですが。

んで、特記事項としては、引き続き母父フレンチデピュティは安定感抜群ですし、母父ディープインパクトは人気薄どころでも強気にアタックしていきたいところですね。母父ガリレオや母父ストームキャットも、今後ガンガン牝馬が輸入されて出てくるといいですね。ストームキャットはもう少ないかもですが。

また、勝馬率・EIについて平均値や中央値を表の最後に載せていますが、これよりも上の値を維持している馬から買うことで、より回収率はよくなるんじゃないかと思います。私はあまりEI重視派ではないので、勝馬率に着目しますが、35%以上の馬は今後も堅実な成績を収めていくものと予測します。

また、数字上はそこまで目立っているわけではないですが、ランキング上昇中の、先ほども挙げたゼンノロブロイ、ワイルドラッシュ、マイネルラヴあたりは、今後の出世に注目です。

クラブ所属馬で気になる母父を持つ馬

最後に、クラブ所属馬の中で気になる馬をいくつか挙げておきます。

まずは超ど真ん中で恐縮ですが、ディーンズリスターは挙げないわけにはいかないでしょう。

父ディープインパクト、母父ストームキャット。兄姉の活躍もここで書くには恐れ多いくらい。あまりにも直球すぎたんで、この子についてはこれ以上書きません。

非サンデーサイレンスとしてはロードカテドラル。父ロードカナロアにはストームキャットの血が入っていて、本馬には母父ガリレオ。得意距離とか条件が全く想像つかないですが、同系配合にキングオブコージがいるので、クラシックディスタンスが得意かもしれないですね。注目だと思います。

母父フレンチデピュティからは、ライオンレースホースのジーショウグンが気になります。他のクラブ馬も気になる馬が多いですね…。やっぱり母父フレンチデピュティは優秀や!

挙げていくとキリがなさそうなので、今年デビューのクラブ馬については以上にします。

続いて、入会しているクラブの2020年産(現1歳)からも気になる馬を挙げます。

我らがユニオンオーナーズクラブにね〜いるんですよね気になるのが。

この2頭の共通点は母父ワイルドラッシュ。馬体も申し分なく、私としては出資したくてうずうずしているのですが…予算の関係もあってまだ様子見です。レディナデシコの2020は、悩んでいる間に満口となりそうですが。スイリンカの2020については、経過が順調そうなら出資したいですね。

ほかにベイビーイッツユーの2020もいいですよね。母父ダイワメジャー。

ちなみにスイリンカの2020とベイビーイッツユーの2020はどちらも父がシニスターミニスター。非常に曲者感があるというか、どんな結果を出しても驚けない配合になっていると思います。

入会しているクラブで気になる母父の馬というと以上ですかね…。以前に挙げた気になっている馬リストと見事に被った。

友駿ホースクラブには気になる子がいないのね!?

まああちらは配合が独特な募集馬が多いからね…(※個人の感想です)。

もちろん、母父シンボリクリスエスとか母父ディープインパクトとか、そういった王道どころはマーキングしておいて損はないでしょう。友駿にも対象となる募集馬はいます。

まあでもユニオンや友駿は明らかな豪華配合よりも、母父ワイルドラッシュのようなちょっと安値感のある配合の方に魅力があるんじゃないか、という話ですね。

あと、最後に自分へのメッセージとしても念押ししておきますが、やはり母父ゼンノロブロイはこれから真価を発揮していくと思います。今年デビューの2歳馬に、すごいのがいる予感がしています。それがヴェローナシチーであることを心より祈って、2021年の母父考察を終わります。