【2025年版】種牡馬ドレフォンを考える

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この記事は2025年5月20日時点でのデータを参考にしています。

種牡馬考察、ドレフォンを扱うのは初になります。

2025年5月20日時点では種牡馬ランキングの4位に君臨するドレフォン。データもだいぶ充実してきたということで、ここらで一度考察してみましょう。

先にちょっと結論みたいなのを言っておくと、実績があるとはいえやっぱり「活躍傾向を見定めるのは難しい種牡馬」の1頭ではないでしょうか。活躍馬は一定数輩出されるとはいえ、傾向を見極めるのは困難なタイプだと思います。

それではまずは種付け実績の推移から。

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種付数&種付料の推移

年度種付頭数種付料
2018年207頭300万円
2019年204頭300万円
2020年186頭300万円
2021年172頭300万円
2022年198頭700万円
2023年125頭700万円
2024年140頭600万円
2025年500万円

初年度産駒の2019年産が好調だったことから、2022年から種付数が2倍以上つき、その後少しずつ下げています。種付数は上々の推移。

賞金上位100頭の母父内訳

ドレフォン産駒の賞金上位100頭(総賞金1928万円以上)の、母父馬について頭数別に内訳を出したものがこちら。

頭数母父名
10頭ディープインパクト(48)
8頭キングカメハメハ(28)、ダイワメジャー(27)
7頭ハーツクライ(18)
6頭ゴールドアリュール(19)、フジキセキ(19)
5頭クロフネ(13)
4頭ゼンノロブロイ(20)
3頭サンデーサイレンス(11)、シンボリクリスエス(12)、スペシャルウィーク(11)、ネオユニヴァース(17)
2頭キングヘイロー(3)、ダンスインザダーク(7)、マンハッタンカフェ(11)

1頭は省略。母父名カッコ内の数字は3歳以上の該当馬数の数字です。たとえば父ドレフォンで母父ディープインパクトの現3歳以上の該当馬は48頭。そのうちの10頭が賞金トップ100内にいることを意味しています。

ドレフォンの現役時代

初めてのドレフォン記事につき、彼の現役時代にもちょっと触れておきます。

本馬自身の現役時代はダート短距離で活躍しています。

G1勝ち鞍は、3歳時にキングズビショップステークス(ダート1400)とブリーダーズカップ・スプリント(ダート1200)、4歳時にフォアゴーステークス(ダート1400)。ブリーダーズカップ・スプリント連覇を狙うも6着に終わり現役引退となりました。

うーん、本質的には早熟傾向でしょうか。

1年目に芝クラシック制覇のミステリー

引退後に社台ファームが購入、社台スタリオンにて2018年より種付開始。

輸入当時の現地スタッフのインタビューなんかを見てみると、やっぱり短距離路線で活路を見出すために導入した背景がうかがえます。

ただその一方で、初年度産駒がわりと芝でも勝ち上がった。これについては「日本の繁殖牝馬に芝の中長距離馬が多い」ことや「ドレフォンの父であるジオポンティが芝中距離だった影響では」といった考察がそこここでなされています。

とはいえ年代を重ねるほど、ダートのほうに実績は傾く傾向にはあります。

にしても初年度からジオグリフという、いきなり芝クラシックを制する馬が出るとは思いませんでした。

社台がなかなか上質な牝馬と付けているので、芝でも活躍馬は出ると思いましたが、まさか皐月賞を勝つなんて。

何がミステリーって、それ以降、芝のクラシックで上位に来る馬が出てきていないって点でしょう。重賞の数でいうと芝もまずまず勝っているものの、特別戦まで広げると圧倒的にダートのほうが勝てていますね。

母方が日本の芝中距離に親和性の高いタイプだと、芝でも結果は出せるものの。ドレフォン自体はダート馬だったという着地でいいでしょう。

にしても、1年目で芝クラシック制覇でその後の評価がダートへ覆っていくって、あまり過去に類を見ないような。ほんとに不思議。

種付開始から5年目の2022年に、種付料が300万円から700万円へ爆上がりする。そのためだけに制覇したようなジオグリフの皐月賞でしたね。ちょっと皮肉っぽい言い方になっちゃいますが。

「芝でも十分いけるのでは?」という評価見直しで、芝の上質な牝馬に多数付けている2023年産世代がこの2025年にデビュー。つまりこの2023産世代の成績如何で、再度の評価見直しが行われることにもなるわけです。

勝率はダートの短中距離高めだが芝中距離もまずまず

ドレフォン産駒の活躍距離を見てみると、ダイワメジャーより気持ち長めくらいの条件で結果が出ています。

勝ち率ナンバーワンはやはりダートの短〜中距離。

芝だとわりかし長めもいけますが、これは前述の通り母方の影響が強いと思われます。

サンデーサイレンスやキングカメハメハ持ちの繁殖牝馬と付けているため、芝中距離でも成績が収められていると予想できます。

ただ先ほどの賞金トップ100の傾向を加味すると、必ずしもサンデーサイレンスやキングカメハメハとの相性がいいともいえないんですよねえ。どちらかというと、ダート適性をより尖らせるため、素直にダート系牝馬との種付けという視点がいいようです。

サンデーサイレンス系牝馬との相性はケースバイケース?

当初からサンデーサイレンス飽和状態の救いの主の1頭として数えられていたであろうドレフォン。

初年度からバンバンサンデーサイレンス系牝馬と付けられていますね。

ただ実際の数字で見てみるとどうか。例えば先ほどの賞金トップ100の内訳で見てみると、母父ディープインパクトは48頭該当馬がいるうちの10頭がトップ100入り。およそ5頭に1頭程度が上位組という割合になります。

この数字自体は決して芳しいものではありません。

マンハッタンカフェも11頭中2頭でいまいち。ダイワメジャーは27頭中8頭ということで、ちょっと見栄えがいい。

といった具合で、サンデーサイレンス系牝馬の中でも実績に差が出ているのが伺えます。

少し視野を広げて、父ドレフォン母父父サンデーサイレンスで見てみましょう。これに該当する3歳以上の馬は239頭おり、そのうちの54頭が賞金トップ100以内にいました。

およそ4.4頭に1頭の割合で、母父父サンデーサイレンスがランクインしていることになります。

この数字よりも良績を出せているサンデー系母父を挙げると、ゴールドアリュール、ダイワメジャー、ハーツクライ、フジキセキ。この辺りになりますね。ダンスインザダークやスペシャルウィークも悪くないですが、今後のデビュー組で該当馬を見かけることはほぼなさそう。

今挙げた種牡馬はダートで結果を出せているサンデー系種牡馬で、短中距離も得意としています。

それならばネオユニヴァースもいいのかなと直感的に思うわけですが、17頭中3頭とやや低成績。

いずれにしろ、サンデーサイレンス系牝馬との相性は期待していたほどずば抜けてはいないのかなというのが所感です。

ハーツクライは今後大物登場の期待大か

サンデーサイレンス系牝馬の中で強いて注目どころを挙げるならハーツでしょう。

18頭中7頭がトップ100入りということで、相性は良さそうです。

しかも父ドレフォン母父ハーツクライのトップ馬は、芝だったりダートだったり、距離も短距離から中長距離までと多彩。幅の広さを強みとして生かすなら、ハーツクライ牝馬にドレフォンがベターのように思います。

今後も母父ハーツクライにはとくに注目していこうと思います。

無難にクロフネがいいでしょう

サンデーサイレンス系牝馬の話から入りましたが、結局データ上ではダート短中距離組の種牡馬が無難に高打率なんですよね。

というわけで私はクロフネを推したいと思います。

デピュティミニスターの5×4。素直にこれだけを追いかけていればいいのではないか説。

現状ではダートに偏っていますが、今後は芝からも強いのが出てきてもおかしくないと思う。テンプーシャオンのように、母母父にサンデーサイレンスがいるタイプで強い芝馬が輩出されるのではないでしょうか。

気になる2023年産ドレフォン産駒

以上のデータを参考にしつつ、2023年産で気になるドレフォン産駒をピックアップします。

母父ハーツクライとクロフネが筆頭。ジオグリフを輩出のキングカメハメハも引き続き注目でしょう。あとはダイワメジャー、ゴールドアリュール、フジキセキからも何頭か。

馬名母父一言
ティルベリーハーツクライサンデー募集、近親にデニムアンドルビーやキタノコマンドール
ポンデザールの2023ハーツクライ近親にサトノクラウン
レッドフレーザーハーツクライ東サラ募集、近親にデニムアンドルビーやキタノコマンドール
アースアクシスクロフネシルク募集、姉にノームコアやクロノジェネシス
フェルアフリーゼクロフネシルク募集、大物出そうな牝系
アクアアイキングカメハメハ全兄にデシエルト
ギャニミードキングカメハメハキャロット募集、祖母シーザリオ
ジョーカーキングカメハメハ姉にビップデイジー
ハングローズキングカメハメハアリダーのクロス
レイナデルアレーナキングカメハメハ祖母スティンガー、SNSでも話題
ロスパレドネスキングカメハメハサンデー募集、全兄にジオグリフ
ヴァンデスペランスキングカメハメハシルク募集、祖母ウインドインハーヘア
シャンドラファールダイワメジャーキャロット募集、祖母ハルーワソング
パンパネイラダイワメジャー近親にインディチャンプ
メイショウショウブの2023ダイワメジャー母はデイリー杯2歳S2着など活躍
ベルラフィネゴールドアリュール友駿募集
シャフメランフジキセキ母ミラクルレジェンド
ラスティングソングの2023フジキセキ祖母ハルーワソング
シニスタークイーンの2023シニスターミニスター兄にメイショウフンジン、デピュティミニスターの5×5

最後に母父シニスターミニスターを挙げてみました。今のところ母父シニミニは本馬しかいないみたいですね。

母父キングヘイローもデータから期待値高めだったのですが、この世代は0頭。

母父キングカメハメハの2023年産は該当馬が19頭と多く、紹介した7頭はかなり絞ったつもりです。いずれもジオグリフの活躍を受けての配合で、上質な繁殖と付けられている傾向。

よってこの2023年産は、母父キングカメハメハから多数活躍馬が出ると思われます。

でも長い目で見るとやっぱりハーツクライかクロフネではないでしょうか。

まとめ

母父の傾向を眺めてみても、なかなか走るパターンを見極めにくい。というのが今回集計してみての正直な所感です。

満遍なく結果を出せているという意味では、優秀な種牡馬なのですが。

今後はよりダート、そして短中距離路線に結果が集中していくのではと思われます。

ただ2025年デビュー組については、ジオグリフ活躍の反響で芝特化な肌馬に付けられている傾向なので、この世代は初年度世代のような傾向が見られるかもしれません。とくに母父キングカメハメハからの大物登場に期待です。

また2年後か3年後くらいに振り返りはしたいですね。

2025年デビュー世代の活躍ぶりによりますが、種付料はもうちょっと下がっていくのではなかろうか?