【2026年産駒デビュー】主要新種牡馬についていろいろな角度から考察してみる

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本記事で紹介しているクラブ募集馬は2025年11月末時点のデータを参考に作成しています。

2026年に産駒がデビューする主要な新種牡馬について、種付け実績やセール取引実績、一口クラブで募集されている産駒を調べてみました。

ちなみに去年の記事はこちら。

期待の種牡馬としていの一番に挙げたコントレイルは当然の活躍ぶり。ベンバトルやフィレンツェファイアも順調な滑り出しといっていいでしょう。

インディチャンプはちょっと案外、もうちょい幸先いいと思っていました。まあステイゴールド系ですし晩成タイプも多いことでしょう。

ダノンキングリーは当初から晩成タイプ、古馬になってからよくなる産駒が多いと睨んでいるので、まだまだこれから。

そして何よりも、ネガティブなほうの予言になりますが、クリソベリルが微妙なのではないかという予想は当たってしまっています。現状、期待ほどの結果を出せていません。

とはいえクリソベリルは「ダート一辺倒というよりは芝向きも多そう」という所感でしたので、これから条件を見直して活躍する産駒は出てくると思っています。芝の長距離で結果を出すタイプとかいても不思議じゃありません。

というわけで、毎年なかなか的確な予想ができている新種牡馬考察。2026年度版も始めていきましょう。

先に一言言っておきますと、この世代は谷間の世代ともいえ、全体として層がやや薄く感じられてしまいます。

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エフフォーリア

父エピファネイア。G1は皐月賞、天皇賞(秋)、有馬記念。いずれも3歳時のもので、この功績から年度代表馬に選出。3歳での戴冠という偉業はオルフェーヴル以来。4歳以降は調整がうまくいかず勝ち星のないまま5歳2月に引退。

シャフリヤールの後塵を拝すことになるダービーを勝っていたら、より期待値の高い種牡馬になっていたことでしょう。

世代に恵まれていない1頭ともいえ、前後にコントレイルやイクイノックスといった化け物がいたため、彼らの影に隠れる地味さはあります。実績は素晴らしいの一言なんですけどね。

ゆえに、クラブの募集価格はさほど高騰しない可能性もあり、狙い目ではあります。

エフフォーリアの種付実績

種付年度 種付数 種付料
2023年 198頭 300万円
2024年 202頭 400万円
2025年 183頭 400万円

前述の通り化け物種牡馬が前後に構えているため、実績に比べ種付料は控えめ。初年度2年目と200頭ほど集めているのは、現地の期待値の高さがうかがえるところです。

エフフォーリアのセール実績

セール名 売却数/上場数 平均価格
2024年セレクトセール当歳 6頭/6頭 7021万円
2025年セレクトセール1歳 12頭/12頭 5692万円
2025年セレクションセール1歳 17頭/21頭 1659万円
2025年北海道サマーセール1歳 13頭/13頭 739万円
2025年北海道セプテンバーセール1歳 7頭/7頭 1117万円
2025年北海道オータムセール1歳 0頭/0頭 0万円

うーんサマーセールがいまいち。確かに上場馬を見たところ、印象に残るタイプには見えないんですよね。サンデーサイレンスを持つ肌馬の仔だと血が濃くなってしまうのがネックでしょうか。牧場一押しのサンデーサイレンス系牝馬には付けてもらえないのかも。確かにリスキーではある。

エフフォーリア産駒のクラブ募集馬状況

現時点で24頭のクラブ所属馬がいますね。

エフフォーリアに関しては、いろいろと思うところがありますねえ。

エピファネイア産駒の成功例ということで。配合の特徴としてはなんといってもサンデーサイレンスのクロスでしょう。エピファネイア産駒はSSのクロスで爆発力が期待できます。それを証明してくれたのが本馬、牝馬ならデアリングタクト。

現役時の実績から前評判は高いと思われますが、私は正直かなり懐疑的に見ている種牡馬です。

まず大御所のクラブ募集馬を見てみますが、母父ディープインパクトを筆頭に、サンデーサイレンス系牝馬との産駒が目立ちますね。キャロットに至ってはエフフォーリア産駒3頭とも母父ディープインパクト。

ということで、大半の産駒がサンデーサイレンス3本クロスを持っていることになります。ここがエフフォーリアの評価を分けるカギとなることでしょう。

募集馬の中で最高額は、サンデーレーシングで1億2000万円のチェッキーノの2024。好きな血統で期待したいのですが、さてサンデーサイレンスの3本クロスがどうか。

キャロットの母父ディープインパクト3頭の中ではデスティノアーラの2024が気になりました。頭を低くして歩いている姿が印象的で、何かを秘めていそうな雰囲気。ただ血縁者で国内実績があまりないのは気がかり。

同じく母父ディープインパクトで気になったのは、インゼルで募集のシェーングランツの2024。母自身は大きな期待を寄せられながら2勝止まりと案外でしたが、ポテンシャルは相当に高いはず。初年度はエフフォーリアを付けていたんですね。セレクトセールで8580万円にてインゼルが落札し、8800万円での募集。これは注目です。

インゼルからもう1頭、キャリサガの2024。母はストームキャットの血を汲んでいて、日本ではまだ馴染みのない牝系。こういう配合で結果が出るのではないかと期待しています。

新設クラブのブルーミングホースクラブからシーソルティキッスの2024も面白そう。近親にアパパネがおり、エポカドーロを輩出した牧場生産馬というのも惹かれます。やっぱり母方はサンデーサイレンスを持たないタイプのほうがいい気がするな〜。

続いてロードから2頭。

まずアイポステリーの2024。母父はロードカナロアで、ストームキャットを持つ。父母間ではクリスエスのクロスが発生。

このエフフォーリア×ロードカナロアの配合で成功例が出そうな予感。母にサンデーサイレンスはないほうがいいような。

ロードのもう1頭はベルフィオーレの2024。こちらは母父ディープインパクトにつき強気にはなれないですが、活躍馬が多数輩出されている活力のある血脈なので期待できそうです。

YGGにも気になる馬が2頭。

まずはシェイリーンⅡの2024。こちらは父母間でサドラーズウェルズのクロスが発生しています。母が若干重たい印象で、日本との相性がどうかですが、雰囲気のいい馬だと思いました。

もう1頭のYGGはアドヴェンチャレスの2024。母父ロードカナロアで、募集額が安く回収率の高い成果を出しそうな予感。

長くなっていますが最後にターファイトから2頭。

アシェットの2024はエフフォーリアの今後を占う重要な配合。母父アドマイヤムーン。

アドマイヤムーン牝馬と付けてケイティーズファーストのクロスはまず狙いたくなりますよね。

ただこの配合はもれなくサンデーサイレンスの3本クロスが発生するわけで。まして本募集馬はタイキシャトルも入っておりヘイローもかなり濃いめ。クロス信者ではない私はかなり躊躇してしまいます。

とはいえ、ですよ。母父アドマイヤムーンとの相性を見るには絶好の材料と思います。追いかけたい馬です。

そして最後に挙げておかねばならないターファイトの1頭。元出資馬アンジュミニョンの初仔、アンジュミニョンの2024

てっきりユニオンかと思いきや、ターフでの募集。元出資者としては入会も考えるくらいに悩みましたが…まだ踏みとどまっています。

正直評価が難しい。

出資馬の仔ってどうしても贔屓目で見ちゃうわよねえ。

サンデーサイレンスの3本クロスに、ノーザンテーストやトニービンのクロスもあったりと。日本で繁栄してきた牝系だからこその配合が楽しめるわけですが。ちょっとトモの頼りなさが目についちゃいます私は。初仔だし過度な期待は禁物でしょうか。

一つの下のアンジュミニョンの2025もエフフォーリア産駒ということで。成長度合いを見てこちらの出資は考えるかもしれません。

以上、かなりのクラブ募集エフフォーリア産駒を挙げてみました。

やはり気になっている種牡馬なので、クラブ募集馬もたくさん物色したくなっちゃいますねえ。

母父ディープはどうなんでしょうねえ。エピファネイア自身も、母父ディープが思ったほど弾けなかった印象だったので。どうしてもねえ。

いずれにしても、母父ディープの産駒でどれだけ結果を出せるか、ひいてはサンデーサイレンス3本クロスでどれだけ結果を出せるかで、評価は大きく変わってくることでしょう。初年度世代で大体傾向は見えてくるはず。

サリオス

父ハーツクライ。2019年の朝日杯フューチュリティ制覇。コントレイル世代で、皐月賞とダービーともに2着。1800mで2戦2勝(毎日王冠)、マイルだとやや短く、2000mだとキレ負けする印象で、柔軟性にやや乏しい気配。適性が限られるのはハーツクライ系らしいといえばらしいですね。

サリオスの種付実績

種付年度 種付数 種付料
2023年 176頭 150万円
2024年 196頭 200万円
2025年 182頭 200万円

非常に高水準な種付け実績。産駒がかなりいいのかも?

サリオスのセール実績

セール名 売却数/上場数 平均価格
2024年セレクトセール当歳 8頭/8頭 4056万円
2025年セレクトセール1歳 2頭/2頭 4015万円
2025年セレクションセール1歳 3頭/5頭 1320万円
2025年北海道サマーセール1歳 19頭/20頭 616万円
2025年北海道セプテンバーセール1歳 3頭/3頭 385万円
2025年北海道オータムセール1歳 4頭/4頭 305万円

さすが社台種牡馬とあってセレクトセールでは優秀な取引実績。ただサマーセール以降はやや物足りない印象で、セプテンバーセールとオータムセールがともに300万円台なのは、200万円の種付け料を踏まえると微妙なところ。

サリオス産駒のクラブ募集馬状況

募集馬を見渡してみると、良くも悪くもハーツクライ系といったところ。真面目な優等生タイプが多いと感じます。一方でハーツクライ系は良し悪しを見抜くのが難しい印象もあり、ジャスタウェイにしろシュヴァルグランにしろスワーヴリチャードにしろ、なかなか価格と活躍度合いが比例しないタイプの系統なのかなと思っています。

現時点でクラブ所属馬は18頭。

母父エピファネイアのクラブ募集馬が3頭もいますね。

サンデーサイレンスの3本クロスはどうしても気になっちゃうなあ。しかもサリオスもエピファネイアもノーザンダンサーの気が濃いので、重たい雰囲気は感じちゃいます。

その母父エピファの中で挙げるならキャロットのパドゥヴァルスの2024。気になる気配です。ただ体は重たそうで、芝よりもダートとは感じてしまうが…。しかしエピファの系統を考えるとこんなもんとも言えなくもない。どうなんだろうなこれは。未知ですね。

同じくキャロットのシーリアの2024はシーザリオの孫。母父キングカメハメハで、5代目までのクロスはサンデーサーレインスの3×4のみ。

この程度のクロスに止めるのが良いように思えますねえサリオス産駒は。

活躍する可能性に溢れている名血ですが、やっぱりノーザンダンサーの線が多いようにも見えてしまったり。

シルクのサリオス産駒は2頭。モルジアナの2024アンティフォナの2024。どちらもミスプロ系牝馬との産駒。

母方の近いところにミスプロの血があるとなんとなくホッとします。

ノーザンダンサーやサンデーサイレンス系の牝馬よりも、こういうののほうがいい気がしますが。どうなんでしょう。

ライオンのプチノワールの2024は、助手時代に父サリオスを担当した森一誠師の管理。母父はシングスピールでノーザンダンサー系なのがどうかですが、日本と相性の良いバラードを汲んでいる点は強調材料でしょう。ミスプロ持ちなのもいいのでは。

入会しているユニオンにも2頭にいます。テイクザヘルムの2024シックシェリーの2024

この2頭は他の募集馬たちに比べるとやや遅咲きの印象。ユニオンらしいタイプともいえ、長い目で楽しませてくれるのではないでしょうか。

色々と物色してみると、やっぱり母方にはミスプロの血が欲しいかなという気がしてきますね。そうなると、シルクの2頭やキャロットのシーリアの2024は価格以上の活躍が見込めそうな予感。とはいえ価格との相関関係が薄い傾向のハーツクライ系なので、思わぬところから大物誕生もあるかもしれません。

どこの募集馬も「マイラーから中距離タイプ」と言われている通りで、父同様かなり限定された条件で活躍するタイプが多く輩出されそうです。

これまでマイル路線は手薄の感がありましたが、タワーオブロンドンやアドマイヤマーズやインディチャンプなどの登場で一気に激戦区となった感があります。その中で先々も長く現役生活を送ることができるのか。初年度から飛ばして行って欲しいですね。

ホットロッドチャーリー

父オクスボウ。G1ペンシルベニアダービーやG2ルイジアナダービーなどを制覇。

2歳から4歳までコンスタントに大レースで使われるタフさはまさにアメリカ級。勝ち星こそ少ないものの、安定した成績を誇っており「アメリカ輸入種牡馬の成功パターン」には当てはまっている気がします。

自身はダート中距離を得意としていましたが、兄ミトーリ(父エスケンデレヤ)は短距離で活躍しており、産駒はどういったタイプが出るか注目です。

父オクスボウはデピュティミニスターの系に遡り、ホットロッドチャーリー自身もデピュティミニスターのクロスを持っています。配合ポイントはここになりそう。

ホットロッドチャーリーの種付実績

種付年度 種付数 種付料
2023年 133頭 200万円
2024年 94頭 150万円
2025年 90頭 150万円

2年目は種付け料も種付数も下がりましたが、据え置いた3年目は4頭減とまずまずの推移です。手探り感が伝わってきます。

ホットロッドチャーリーのセール実績

セール名 売却数/上場数 平均価格
2024年セレクトセール当歳 5頭/5頭 4730万円
2025年セレクトセール1歳 7頭/7頭 5060万円
2025年セレクションセール1歳 1頭/2頭 1320万円
2025年北海道サマーセール1歳 8頭/14頭 748万円
2025年北海道セプテンバーセール1歳 1頭/1頭 572万円
2025年北海道オータムセール1歳 0頭/0頭 0万円

セレクトセールの売却率と平均価格は上々。サマーセールの売れ行きが今ひとつなのは気になります。

ホットロッドチャーリー産駒のクラブ募集馬状況

現時点でクラブ所属馬は13頭。

さまざまな配合を試す余地のある種牡馬。各陣営も独自の理論に基づいた多様な産駒を提供していて、1頭1頭じっくり吟味したくなってきます。

エフフォーリアとサリオスから一転、ホットロッドチャーリーは日本とは馴染みの薄い血が多数流れており、アウトブリードが発生させやすい種牡馬です。

未知な部分が多く、気になる馬を絞るのが難しいですね。

まずはキャロットのカイカヨソウの2024。この母は3年連続の紹介となりますね。ここ3年、ずっと新種牡馬を付けているんですね。

母はミスプロのクロス持ち。父母間でのクロスはありません。

父はおそらくダートタイプでしょうから、付けるとしたらこういったミスプロ系牝馬に魅力を感じます。

とは言えサンデーサイレンス系飽和状態の救世主として導入されたのですから、サンデーサイレンス系牝馬との産駒も挙げたいところ。

社台からは3頭で、最高価格は母父ゼンノロブロイのイチオクノホシの2024。兄姉の活躍を見るに、勝ち上がりは堅いと思いますがどうでしょう。

同じくサンデーサイレンス系牝馬としてはウインのブレッシングテレサの2024。母父マンハッタンカフェとの相性は漠然といいように思えますね。クラブは「芝中距離」と断言していますがさてどこが適距離だろう。

配合面で尖らせるならデピュティミニスターの系譜でしょう。

グリーンのスターシップトラッフルズの2024はデピュティミニスター産駒オーサムアゲインの3×3。加えてリローンチのクロスも発生していますね。

このリローンチという種牡馬を私は知らなかったのですが、現役は芝のG1、そして産駒は芝ダート問わずで活躍馬を出しているようです。

ほほう。これは1番の注目産駒かもしれませんねスターシップトラッフルズの2024。

デピュティミニスタークロスでもう1頭、G1レーシングのリープオブフェイスの2024

母父クロフネでデピュティミニスターの4×4。この配合で活躍馬が多数出ると、いろいろと夢が広がりますねチャーリーさん。

ホットロッドチャーリー産駒は全体的に華奢なタイプが多く、「本当にお父さんアメリカ出身?」と疑いたくなるほど。しかしホットロッドチャーリー自身もどうやら筋肉量が少ないタイプのようで、その中でアメリカでこれだけの実績を出せたというのは、日本馬に近い柔らかさや瞬発力で勝るタイプなのかも。

そういう意味では、日本の牝馬とも相性はバッチリかもしれません。ゴツゴツしすぎないシルエットの産駒から、活躍馬が多数輩出されそうですね。

気性も、アメリカ産というとピリッとしたタイプが多い印象を抱いていますが、本馬はおおらかというか、泰然としている風格に惹かれます。

どの産駒も期待できそうだし、ダートだけでなく芝でも見てみたいタイプが多い。

これはひょっとするとひょっとするかも。

この世代の種牡馬で、もっとも期待以上の活躍を見せつけるかもしれません。

社台スタリオン擁する種牡馬は以上。

チュウワウィザード

父キングカメハメハ。4歳時にJBCクラシック制覇を皮切りに、5歳は川崎記念とチャンピオンズカップ、そして7歳には川崎記念2勝目。輝かしい実績です。

現役時はオメガパフュームやルヴァンスレーヴやゴールドドリームやクリソベリルなどなど、ダート界のレベルは非常に高かった。その中でこれだけの実績を積み重ねたのだから、種牡馬としての期待値は高いはず。

なのにちょっと地味な印象なんですよね。

チュウワウィザードの種付実績

種付年度 種付数 種付料
2023年 193頭 120万円
2024年 150頭 150万円
2025年 163頭 150万円

この推移は期待値の高さの表れでしょう。

チュウワウィザードのセール実績

セール名 売却数/上場数 平均価格
2024年セレクトセール当歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクトセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクションセール1歳 6頭/6頭 1046万円
2025年北海道サマーセール1歳 51頭/54頭 802万円
2025年北海道セプテンバーセール1歳 10頭/10頭 732万円
2025年北海道オータムセール1歳 5頭/7頭 455万円

産駒数の割にセレクトセールに選ばれてないところを見るとダート極振りタイプが多いのだろうか。もしくは、自身が4歳以降に本領を発揮したように、やや晩成感が漂うのかも。取引価格は上々です。

チュウワウィザード産駒のクラブ募集馬状況

現時点でクラブ所属は5頭。

種付数の割に少ない印象ですね。

セール売れ行きが好調なところを見るに、かなり産地では評判は高そう。やはり中央よりは地方で結果を出すタイプが多めなんでしょうかね。

なんと言っても期待値が高そうなのは母父シンボリクリスエスでしょう。クラブ馬でも2頭いて、ここでは京サラのサウンドウェーブの2024を。

京サラの気になる募集馬記事でも挙げています。

サマーセールで385万円。このくらいのお値頃感の中に大物はいそう。

父キングカメハメハが母父シンボリクリスエスと相性が良かったように、チュウワウィザードもこの配合は良さそう。サンデーサイレンスのクロスはあってもなくても、どちらにしろダートで結果を出しそうです。

もう1頭、新生クラブブルーミングのバトルジェジェジェの2024。母父ステイゴールドでサンデーサイレンスのほか、ミスプロやヌレイエフのクロスを持ちます。

このくらい厚めのクロスがあってもなんら問題ないように映りますね。本募集馬についてはちと価格が強気にも感じますが、どんな活躍をするか追いかけたいです。

キンカメ系ダート種牡馬としては、ホッコータルマエに近い活躍があってもいいのでは。というくらいに私は期待していますが、ほんと印象が薄い。確かに募集馬もそんなに惹かれる馬体のタイプはいないですが、キンカメ系ってそんなもん。初年度からバンバン活躍馬を出してほしいですね。

ウィルテイクチャージ

父アンブライドルズソング。アメリカダート三冠に出走するも成績は今ひとつ。その後、トラヴァーズステークスを勝ちG1初制覇。

正直私の中では「ブリーダーズカップクラシックでムーチョマッチョマンの2着に来た馬」という印象しかなく。

しかし改めて成績を見てみると安定感は偉大ですし、3歳時は11戦もしていて、アメリカ産を象徴するタフ馬なんですね。こういうタイプは確かに日本での需要は高そう。

日本にはすでに何頭か輸入されていてなかなかの実績を収めています。2023年よりダーレージャパンにて種牡馬入り。ダーレーゆえに、癖の強めな配合で結果を出してきそう。

ウィルテイクチャージの種付実績

種付年度 種付数 種付料
2023年 174頭 120万円
2024年 86頭 120万円
2025年 114頭 120万円

初年度は174頭に種付けし血統登録数は88頭。およそ50%の受胎率をどう見るか。ちなみにダーレー産は2頭。

ウィルテイクチャージのセール実績

セール名 売却数/上場数 平均価格
2024年セレクトセール当歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクトセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクションセール1歳 3頭/3頭 1173万円
2025年北海道サマーセール1歳 24頭/25頭 719万円
2025年北海道セプテンバーセール1歳 11頭/12頭 625万円
2025年北海道オータムセール1歳 4頭/4頭 533万円

優秀な売却実績ではないでしょうか。これは成功輸入種牡馬なのでは…?

ウィルテイクチャージ産駒のクラブ募集馬状況

クラブ所属馬は現時点で6頭。

そのうちの4頭がYGGでの募集です。

大きな賭けに出ましたね、YGGさん。ダートで結果を出しているクラブですし、これは侮れないですよ。

そのYGGからはクリストフォリの2024を第一に挙げたい。母父ヘニーヒューズで、栗毛同士の配合になっています。この馬体は好きだなあ。

もう1頭、川崎で走るブエラプーラの2024。成長力がありそう。

全体的に早い時期から走り出しても不思議ではない産駒が多いように思いました。ウィルテイクチャージ自身はクラシックに間に合ったものの本格化はやや遅めでしたが、産駒は早熟も多そうに思います。

デピュティミニスターが入っているのでそこを意識した配合でも成功例は出てきそう。

どういった配合が高パフォーマンスなのか、なかなか事前に読むのは難しそう。実際に走っているのを見届けてからですね。

でも、ほぼ間違いなく、安定して良駿を出してくるタイプでしょう。

YGGが推すのも頷けます。

カラヴァッジオ

父スキャットダディ。デビューから4連勝でG1フェニックスステークスを制覇。他にG1コモンウェルスカップなど。制覇したG1はいずれも芝1200。ザ・快速馬。

3歳で引退しており早熟感は漂います。

2022年に日本へと輸入され、2023年より種付け開始。すでに輸入馬が日本国内でも実績を残しており、傾向はつかみやすい。父同様に短距離専門で、早熟傾向。ダート適性については、まだサンプル数が少なく判断は難しそう。

カラヴァッジオの種付実績

種付年度 種付数 種付料
2023年 128頭 300万円
2024年 70頭 300万円
2025年 80頭 300万円

既存輸入馬の活躍もあり種付数は盛り返しつつあります。

カラヴァッジオのセール実績

セール名 売却数/上場数 平均価格
2024年セレクトセール当歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクトセール1歳 1頭/1頭 2530万円
2025年セレクションセール1歳 4頭/4頭 2227万円
2025年北海道サマーセール1歳 8頭/8頭 2032万円
2025年北海道セプテンバーセール1歳 3頭/3頭 861万円
2025年北海道オータムセール1歳 0頭/0頭 0万円

売却率の高さが光ります。取引価格も優秀。だが気をつけたい部分もあったり。

カラヴァッジオ産駒のクラブ募集馬状況

クラブ所属馬は現時点で4頭。

いずれもサンデーサイレンスの血を持つ牝馬の仔。とはいえ基本は短距離傾向になることでしょう。父の影響力は大きそう。

全体的に募集額は高め。唯一、ユニオンのアントワープの2024は1000万円とお値頃価格ではありますが、ほか3頭の募集馬は2500〜3600万円。この強気な額を回収できるだけのポテンシャルがあるのかどうか、まだなんとも言えません。

うーむ。個人的には評価の難しいタイプ。

セール取引は活況なので活躍馬は出てくると思うのですが。どうもサンデーサイレンス系牝馬との配合がまだピンと来ないです。早熟であることをどう考えるか。

そして何より、繋養先が日本軽種馬協会な点が難解さに拍車をかけています。

セールで高額落札した購買者も多くはJRAなんですよねえ。JRAのバックアップによって市場価格が上振れしている印象を抱きます。2026年春のブリーズアップセールで多数上場されると思うので、それを見てから改めて評価し直したいところです。

オメガパフューム

父スウェプトオーヴァーボード。3歳から5歳まで東京大賞典を4連覇の大偉業。4歳時には帝王賞も制覇しています。

レベルが高かったダート界を担った1頭で、その中でのこの実績は極めて優秀と言っていいのでは。

ただ地方で結果を出す印象が強く、産駒もこの傾向が出るような気がします。

オメガパフュームの種付実績

種付年度 種付数 種付料
2023年 155頭 50万円
2024年 126頭 50万円
2025年 110頭 50万円

底堅さを感じますね。

オメガパフュームのセール実績

セール名 売却数/上場数 平均価格
2024年セレクトセール当歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクトセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクションセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年北海道サマーセール1歳 28頭/32頭 452万円
2025年北海道セプテンバーセール1歳 7頭/9頭 534万円
2025年北海道オータムセール1歳 5頭/6頭 481万円

セール実績も可もなく不可もなく。父同様に大きく崩れることのないタイプが多いのかもしれません。

オメガパフューム産駒のクラブ募集馬状況

ライバルと鎬を削ってきた上位のダート種牡馬なので、期待できるタイプと思っていますが、存在は地味め。

クラブ所属馬は現時点で3頭。思っていたより少ない。

ウインに2頭、YGGに1頭います。

父はミスプロ系で、母父はゴールドアリュール。サンデーサイレンスのクロスを意識するかどうかが一つの重要なファクターになりそう。

「父キングカメハメハで母父サンデーサイレンス」の牝馬には付けてみてほしいところ。該当馬が2024年産には1頭、ビフォーダークの2024がいますがクラブ馬ではありません。

3頭の募集馬については三者三様といった印象。父自身がダートながらコンパクトなサイズの馬でしたが、産駒はお嫁さんによってサイズ感に幅がある模様です。

隔世遺伝(?)で芦毛に出る子も多いようですね。スウェプトオーヴァーボードの主張が強いと短距離傾向に寄りそうにも思いますが、さてどうだろう。

どういったタイプが活躍するのかちょっと難しいですね。

1頭だけ、馬体が気になったウインのキュルミナンの2024を挙げておきますか。父というよりは母父シンボリクリスエスの影響が強そうにも感じます。

ジャンダルム

父キトゥンズジョイ。母はビリーヴ。お母さんにそっくりで、父は中距離でしたが、ジャンダルム自身は母譲りのスプリンター。スプリンターズステークスを8番人気で制覇。

2025年2月24日に故障し予後不良と診断されています。種付けした世代は2世代。

ちなみにジャンダルムという名の種牡馬は過去にもいて、1代目は偶然にもビリーヴと近い世代で、20頭ほど産駒を輩出。

1代目産駒の牝馬は1頭も繁殖に上がらなかった模様で、2代目ジャンダルムは種牡馬に上がっても「ジャンダルムⅡ」といったアルデバランやクリエーターのような表記ルールの対象には該当しなかったようです。

ジャンダルムの種付実績

種付年度 種付数 種付料
2023年 70頭 100万円
2024年 51頭 100万円

数少ない産駒から大物が誕生してほしいところです。

ジャンダルムのセール実績

セール名 売却数/上場数 平均価格
2024年セレクトセール当歳 1頭/1頭 4180万円
2025年セレクトセール1歳 1頭/1頭 1760万円
2025年セレクションセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年北海道サマーセール1歳 11頭/16頭 579万円
2025年北海道セプテンバーセール1歳 6頭/6頭 418万円
2025年北海道オータムセール1歳 3頭/3頭 260万円

セレクトセールで4180万円の落札は立派。ルナベイルの2024には注目です。

ジャンダルム産駒のクラブ募集馬状況

クラブに所属する産駒は6頭。

初年度産駒登録馬は55頭。その内6頭がクラブ募集とはなかなかの高提供率です。

セールでは27頭がオータムセールまでに上場されており、売却率もまずまずの水準で、言い方が正しいかわかりませんが産駒流動性の高い種牡馬といった傾向を感じます。

この事実が何を意味するのか!……わからないっ!

一つ直感することとしてキトゥンズジョイ系の牝馬は持っておきたいっていう牧場は多いんじゃないでしょうか。キトゥンズジョイはBMSとして高水準の実績を出していますからね。将来的に母父ジャンダルムも跳ねる可能性は十分にあります。母ビリーヴも間違いないですし。

では個々にクラブ募集馬を見ていきましょう。

どこから見てもいいのですが、まずは入会クラブのユニオンからヴェルザスカの2024

矢野牧場生産の牡馬。800万円という安さも手伝って一瞬で満口となりました。

まさにジャンダルムの仔と言える好例で、欧州らしさとサンデーサイレンスらしさを兼ね揃えた駿馬に思います。歩様の具合もグッド。私、所属クラブの募集馬には辛めですが、本馬についてはかなり高評価をつけています。800万円は早々に回収しそうな気配。出資できなかったのが悔やまれそう。

大樹で募集のフロストエッジの2024もいいですね。母父ヘニーヒューズということで活躍の場がどこになるか。芝もダートも楽しめそうに感じます。募集価格1500万円はやや強気な印象。

ノルマンディーはゲットザピクチャーの2024。前記の2頭と違って本馬は母方にサンデーサイレンスの名前はなし。非常に興味をそそられる配合パターンです。こういうタイプが活躍したら面白いですね。

そしてライオンからアルティマリガーレの2024。クラブ募集馬のジャンダルム産駒では最良血馬と言えましょう。

血統表にビリーヴとエアトゥーレの名を同時に見られる日が来るとはねぇ!

母方にサンデーサイレンスを持つハービンジャー肌馬に、ノーザンダンサー系でサンデーサイレンスの血を持つジャンダルム。理路整然とした配合ともいえ、今後の日本競馬を占う血統と言っても過言ではないかも。繁殖に上がってからも楽しみだな。

というわけで、ノーザンダンサー系強めの配合か、サンデーサイレンスを強調させる配合かで、タイプはまったく異なってきそうです。

全体的に馬体の見栄えは良く、欧州らしい気品が漂います。セレクトセールに上場されるのも納得。

欧州系血統は1歳秋から2歳の成長期に一気にボリュームアップするタイプがいますが、ジャンダルム産駒はそこをサンデーサイレンスの血によって適度に抑えて、あまり増えすぎない産駒が日本の馬場に合うのではないでしょうか。気性もちょっとうるさいくらいがいいような気がします。「サンデーサイレンスのクロスがいい方に動く」タイプの種牡馬だと思いますね。

グローリーヴェイズ

父ディープインパクト。母メジロツボネでメジロライアンの血を汲みます。

香港ヴァーズを2回制覇。2400mでの成績が抜群によく、柔軟性に富んでいてややマイラー寄り傾向のディープ産駒ぽくない、そしてダート短距離印象の母父スウェプトオーヴァーボードらしくもない、かなり異質なタイプ。

ゆえに産駒も未知数が高く面白そう。私は好きな種牡馬です。意外なところで活躍する「オルフェっぽいディープ系」な産駒が輩出されるのでは。

グローリーヴェイズの種付実績

種付年度 種付数 種付料
2023年 51頭 100万円
2024年 47頭 100万円
2025年 32頭 100万円

減少率は低く悪くない推移。初年度次第では一気に人気沸騰する可能性もありそう。

グローリーヴェイズのセール実績

セール名 売却数/上場数 平均価格
2024年セレクトセール当歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクトセール1歳 2頭/2頭 6105万円
2025年セレクションセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年北海道サマーセール1歳 5頭/8頭 701万円
2025年北海道セプテンバーセール1歳 2頭/3頭 165万円
2025年北海道オータムセール1歳 2頭/2頭 214万円

セプテンバーセールの価格がやや寂しいが全体的には上々。セレクトセールに2頭は輝かしい。やや晩成傾向かも?

グローリーヴェイズ産駒のクラブ募集馬状況

現時点でクラブ所属は2頭。

1頭目はシルクのコロナシオンの2024。祖母にブエナビスタのビッグネームが輝いているため、どうしても物足りなさを抱いてしまいますが、ここまで堅実に勝ち上がる馬を出せている牝系だと思います。コロナシオンはここまでいずれもディープ系と種付けをしているんですね。

可もなく不可もなくといった印象で、牡馬で3000万円は手頃だと思います。

もう1頭はラフィアンのダリオールの2024。母をよく知らなかったのですが元は社台にいて繁殖セールでビッグレッドファームに来たようです。2007年産なのでやや高齢出産になりますな。兄姉もさほど目立った活躍はできず。

見た感じは中距離から長いところまで行けそうな雰囲気はありますが、血統背景をみるとあまり強気にはなれないなあ。

牝馬で1200万円をどうとらえるか、といったところでしょうか。

ディープ系産駒は良くも悪くもなところがあるので、突き詰めると募集額との兼ね合いみたいなところはありますね。

グローリーヴェイズは実績の割に種牡馬としての影は薄く、募集馬も安値傾向にはあると思います。とはいえクラブ馬からいきなり大物登場という派手さもなくて、地味に堅実にといったタイプが多いように思いました。

私的には、スウェプトオーヴァーボードを強く意識した配合に魅力を感じたいと思いました。エンドスウィープのクロスとか、いかがでしょう?

マカヒキ

父ディープインパクト。2016年のダービーを制覇、さらにニエル賞を勝利するも、本番の凱旋門賞は14着。その後なかなか勝ち星に恵まれなかったが、8歳で京都大賞典も勝っています。

ディープインパクト産駒の中では長距離傾向、息の長い活躍ができたということで、タイプとしてはフィエールマンやシャフリヤールに近い印象か。同世代のディーマジェスティやサトノダイヤモンドも種牡馬として活躍できていますし、本馬にも期待が持てます。

マカヒキの種付実績

種付年度 種付数 種付料
2023年 104頭 50万円
2024年 70頭 50万円
2025年 54頭 50万円

ダービー馬が初年度から50万円!

マカヒキのセール実績

セール名 売却数/上場数 平均価格
2024年セレクトセール当歳 1頭/1頭 1億6500万円
2025年セレクトセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクションセール1歳 1頭/1頭 2090万円
2025年北海道サマーセール1歳 8頭/12頭 533万円
2025年北海道セプテンバーセール1歳 7頭/8頭 392万円
2025年北海道オータムセール1歳 5頭/7頭 281万円

50万円の種付け料の産駒が当歳セレクトセールに上場できたのは大きいですね。これを基準とすると、セプテンバーセールやオータムセールの取引価格はやや物足り印象で、産駒によってかなり上下差もありそうな予感。

マカヒキ産駒のクラブ募集馬状況

クラブに所属している募集馬は2頭。

その2頭を見る前に、セレクトセール&セレクションセールに上場され高額で取引された2頭を見ておきます。

まずセレクトセール、デロングスターの2024(フロムザブルー)はマカヒキの所有者でもある金子氏が落札。1億6500万円でした。

正直当歳馬は全然わからないので、1億6500万円が妥当なのかどうかも私にはわかりません。

でもセレクトセールに上場されるくらいなのですから、かなりの自信作といえるのでしょう。しかも落札者は金子氏ですから。デビュー戦も相当に注目されそうですね。

セレクションセールはダイワパッションの2024。角田明子氏が2090万円で落札。

ユニオンの皐月賞馬エポカドーロの弟にあたります。

お腹回りがどっしりしていて、マカヒキに似ている節がありますね。兄同様、母方の血がよく出ているようにも感じられます。

では続いて2頭のクラブ馬。まずラフィアンのサーブルクイーンの2024。母は現状そこまで繁殖として成果を出せていませんが、祖母ヴェルヴェットクイーンはデボネアやネビーイームなど活躍馬を輩出。しかもディープ系と相性が良い印象です。

この馬は非常にいいかも。すでに満口なのも頷けます。

そしてユニオンのフォートエリーの2024。こちらはまだまだこれからといった印象で、成長を見守る必要がありそうです。母父キンシャサノキセキでサンデーサイレンスのクロスが濃いのも気になります。リファールのクロスはいいと思うんですけどね。

マカヒキの魅力は、2歳の早期からデビューするいわゆるディープ系の柔らかさを持ちつつも、ディープぽくない骨格の強調された馬体や、8歳になっても重賞を制覇する息の長さにあると思います。配合相手によって活躍の場が大きく変わってきそう。

私としては母方のデピュティミニスターを強く意識した配合が良いんではないかと思っていますが。まずはディープ系芝馬としての活躍を優先した配合が多くなるのでしょう。

異端なダービーサイアーとして頑張ってほしいです。

ステルヴィオ

父ロードカナロア。マイルチャンピオンシップやスプリングステークスを制覇。

1600〜1800に実績が集中する典型的マイラー。

サンデーレーシング募集馬で、引退後はアロースタッドに入っています。

ステルヴィオの種付実績

種付年度 種付数 種付料
2023年 91頭 80万円
2024年 52頭 80万円
2025年 31頭 80万円

種付数は減少傾向。初年度世代の成績が重要です。

ステルヴィオのセール実績

セール名 売却数/上場数 平均価格
2024年セレクトセール当歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクトセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクションセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年北海道サマーセール1歳 14頭/18頭 527万円
2025年北海道セプテンバーセール1歳 6頭/7頭 337万円
2025年北海道オータムセール1歳 3頭/6頭 176万円

80万円の種付け料を踏まえればこんなもんか。もう一声あってもよかった…と感じなくもないですが。

ステルヴィオ産駒のクラブ募集馬状況

今のところ募集馬は1頭。ローレルのウィステリアメジロの2024

母父メジロベイリーで、牝系もメジロ血統。

まだ情報が少ないのでなんとも言えないですが、セールの取引額など諸々踏まえると、800万円という募集額は安値感はあるかも。

サマーセールの高額取引馬も何頭か見てみましたが、いずれもロードカナロア〜ステルヴィオの馬体をきちんと受け継いでいる印象が強く、活躍路も短距離からマイルが主軸でしょう。ノーザンダンサーの本数が多い配合になりやすいので、芝タイプが多くなりそうですかね。でもダートも楽しめるタイプは出てくることでしょう。

アルクトス

父アドマイヤオーラ。5歳6歳時に南部杯を連覇。

フェブラリーステークスでは結果を出せなかったところを見ると、本質的にはマイルよりはもうちょい短めが最適条件なのかも。産駒も短距離傾向になる気がします。

アルクトスの種付実績

種付年度 種付数 種付料
2023年 51頭 30万円
2024年 39頭 30万円
2025年 43頭 30万円

3世代目に種付数盛り返しています。これは期待できるのかも?

アルクトスのセール実績

セール名 売却数/上場数 平均価格
2024年セレクトセール当歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクトセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクションセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年北海道サマーセール1歳 11頭/12頭 844万円
2025年北海道セプテンバーセール1歳 3頭/3頭 447万円
2025年北海道オータムセール1歳 1頭/1頭 308万円

30万円の種付け料でこの売却価格は優秀の部類。ただ後述しますが、「あるお方」の異様な釣り上げがあった気がしなくもない…。

アルクトス産駒のクラブ募集馬状況

現時点でクラブで募集中は1頭。ブルーミングのシャインガーネットの2024

セール取引が好調なので期待したいアルクトスですが…。

アルクトスの馬主である山口功一郎氏が片っ端から産駒の競りに参加していた模様で、やや取引価格が上振れしている感は否めません。

ただ貴重なアグネスタキオン系ですし、後継種牡馬を輩出するくらいの活躍はしてほしいところ。

この世代の新種牡馬はダートタイプが多く、やや印象薄めのアルクトス。ただ意外と短距離は層が薄い傾向でもあるので、地方を中心に初年度から安定した結果を出して継続的な需要を生んでほしいです。

インティ

父ケイムホーム。繁殖牝馬が片手で数えられる程度の家族経営牧場から輩出された稀代のダート名馬。未勝利脱出から破竹の7連勝で、5歳時にフェブラリーステークス勝利。

ここまで列挙してきた通り、当時のダート界には並み居る名馬ぞろいだったため、重賞勝ち数自体は少ないものの、実力は確かです。

気になるのは体質の弱さで、数を使えない点は気がかり。これが産駒へどう影響するか。

インティの種付実績

種付年度 種付数 種付料
2023年 75頭 50万円
2024年 41頭 50万円
2025年 25頭 50万円

血統は決して華やかなものではないのでこの種付け実績は致し方ないか。配合にはひと工夫必要だと思います。

インティのセール実績

セール名 売却数/上場数 平均価格
2024年セレクトセール当歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクトセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクションセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年北海道サマーセール1歳 17頭/20頭 511万円
2025年北海道セプテンバーセール1歳 4頭/5頭 467万円
2025年北海道オータムセール1歳 3頭/4頭 172万円

50万円の種付け量でこの取引価格ならまずまず。

インティ産駒のクラブ募集馬状況

現時点でクラブで募集中の馬は0。

サマーセールの上場馬を見る限り、悪い印象は受けません。やはり見るからにダート馬といったタイプが多く、じっくり仕上げていって結果を出していきそう。父自身が3歳の夏以降に本格化したように、晩成型多めと見ていいでしょう。

母キティが豊富に活力因子を持つので、どれを活かすかで好走条件も変わってきそうな予感。

サンライズノヴァ

父ゴールドアリュール。マイルチャンピオンシップ南部杯を制覇。3歳から6歳まで毎年重賞を勝っている優等生。8歳まで現役を貫き、大崩れしない走りが魅力でした。

ゴールドアリュールはこういった安定して成績を出せているタイプが種牡馬でも成功する印象。というか混雑気味のダート戦線では、現役時代に太く長く活躍できてないと種牡馬需要も高まらんのですよね。

サンライズノヴァの種付実績

種付年度 種付数 種付料
2023年 22頭 40万円
2024年 13頭 40万円
2025年 4頭 40万円

飽和気味のダート中距離路線につき、なかなかお嫁さん集めに苦労している模様。なんとか初年度世代で挽回してほしいところ。

サンライズノヴァのセール実績

セール名 売却数/上場数 平均価格
2024年セレクトセール当歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクトセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクションセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年北海道サマーセール1歳 3頭/4頭 297万円
2025年北海道セプテンバーセール1歳 2頭/2頭 682万円
2025年北海道オータムセール1歳 0頭/0頭 0万円

種付け料のわりに売却価格は上々ではないでしょうか。

サンライズノヴァ産駒のクラブ募集馬状況

クラブ募集馬は0頭でした。

YGGや友駿あたりに1頭くらいいるかな〜と期待しましたが、ゼロですか。

市場に出た馬も6頭ほどで、まだデータ不足な感はありますね。ゴールドアリュール系はなかなかの激戦区につき、初年度からかなりいい成績を出せないと先細りにはなってしまいそう。登録された初年度産駒15頭の中から活躍馬が出てくるといいな〜。

ストラクター

父パレスマリス。BCジュヴェナイルターフを制覇。ほかG3ピルグリムS。この2歳での勝利以降は勝ちがなく4歳に引退となっている模様。

早熟タイプのようで日本の競馬との相性はやや疑問。父パレスマリスが日本に輸入されたこともあり、需要は年々減少していきそう。初年度から活躍馬がポンポン出ないと、尻すぼみになってしまいそうです。

父自身は芝ではありますが、地方ダートが中心、とくに門別で結果を出しそうなイメージがありますね。

ストラクターの種付実績

種付年度 種付数 種付料
2023年 29頭 70万円
2024年 68頭 40万円
2025年 32頭 70万円

父パレスマリスが輸入されてしまった以上、種付数減は致し方なし。でも頑張っているほうだと思いますよ。多分来年は値下げしてまた盛り上げるはず。

ストラクターのセール実績

セール名 売却数/上場数 平均価格
2024年セレクトセール当歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクトセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクションセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年北海道サマーセール1歳 3頭/7頭 308万円
2025年北海道セプテンバーセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年北海道オータムセール1歳 3頭/6頭 462万円

初年度種付数は29頭なのでセールへの上場も少なめ。

オータムセールの平均価格は上々も、売却率5割は気になる数字。

ストラクター産駒のクラブ募集馬状況

これまたクラブ募集馬は0ですかい!

セールの売却率も案外だし、これはまさかのガッカリ…?

地方中心となると思いますが、早期からの活躍に期待。門別で新種牡馬限定戦があるなら、多数出てくるんじゃない?いきなり結果を出してほしいっすね。

ハイランドリール

父ガリレオ。セクレタリアトSを皮切りに、香港ヴァーズやキングジョージ、BCターフなどなど、芝中距離を総なめ。エイダン・オブライエン管理馬で最も稼いだ馬らしい。6歳になる2018年に種牡馬入り。

こんな偉大な馬がなぜエスティファームに。どうも本国アイルランドでの種牡馬成績が今ひとつだった模様。確かに大きなところを勝った産駒はいないようですね。

父ガリレオで母父デインヒルですから、日本でいうサンデーサイレンスと同様、本国ではなかなか種付けできる肌馬も限定されそうですからね。それなら異国で種付け生活を送ったほうが、大物誕生の可能性も出てくるかもしれません。

ハイランドリールの種付実績

種付年度 種付数 種付料
2023年 37頭 200万円
2024年 45頭 200万円
2025年 ? 200万円

200万円は強気かなあと思いますが。それでもお嫁さんは結構集まった印象。エスティーファーム生産が大半なわけですが。

ハイランドリールのセール実績

セール名 売却数/上場数 平均価格
2024年セレクトセール当歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクトセール1歳 0頭/0頭 0万円
2025年セレクションセール1歳 1頭/2頭 660万円
2025年北海道サマーセール1歳 4頭/6頭 726万円
2025年北海道セプテンバーセール1歳 2頭/2頭 451万円
2025年北海道オータムセール1歳 0頭/0頭 0万円

200万円という種付け料を踏まえると、この取引価格は若干物足りないですね。セレクションセールに2頭出てきたのは見上げたものですが、売却率と価格は「う〜ん」って感じ。

ハイランドリール産駒のクラブ募集馬状況

クラブ募集は1頭。ブルーミングのクルーズライナーの2024

エスティーファーム生産馬。サマーセールで682万円で取引され、総額2500万円(!)で募集。随分な上乗せだな…?

ただ馬自体は確かに良さげな雰囲気ですし、昆厩舎管理ってのも魅力に映ります。波乱を起こしても不思議ではない逸材。

ただまあ価格を見ちゃうと、尻込みしてしまいますよねえ。さほど注目されていない新米父と、まだ繁殖実績の出せていない母の仔に、この価格は強気すぎかと。

とはいえ注目だと思いますよハイランドリール。

エスティファーム繋養なので、トーセンさんのところで面白そうなのが輩出されそうです。

まとめ

最後のほうはクラブ募集0頭の種牡馬が続いてしまいました。1頭か2頭はいると思っていたのだが。

うーむ微妙な世代だ。

いや、個々でみれば楽しみな種牡馬が多いんですけど。総合的に見ると非常に勢力の弱い世代に見えてしまう。

何せ前年の2025年世代にコントレイルがいて、次の2025年世代にはイクイノックスやタイトルホルダーやパレスマリスといった大物が控えていますからね。

谷間の世代と言われても仕方がないような、そう言ったラインナップです。

ダート種牡馬が多いのも地味さに拍車をかけているのかもしれませんが、見方を変えるとNARのファーストシーズンサイアーリーディング争いは面白そう

中央も合わせた全体のファーストシーズンリーディング争いは…何がトップに来るのか…読めません。

数で言えばエフフォーリアやサリオスなんですが、早熟感でいうとホットロッドチャーリーに軍配が上がりそうな気もします。

私がこの世代でとくに期待している種牡馬はこちら。気になる順です。

  • ホットロッドチャーリー
  • マカヒキ
  • チュウワウィザード
  • ウィルテイクチャージ

いつも5頭ほど挙げるようにしているのですが、今年は上記4頭となりました。しかもさほど悩むこともなく。

これら4頭はあくまで「下馬評(種付数や種付け料、クラブ募集頭数や募集価格など)以上の活躍を見せてくれそう」という意味でのピックアップです。エースと言えるエフフォーリアやサリオスももちろん一定の結果を出してくるでしょうが、「期待を上回るか」という意味でいうと、ちょっとどうなんだろうなと感じているわけです。

ホットロッドチャーリーは早熟+短距離、そして海外種牡馬ということで、早期から活躍馬が輩出される可能性は大。2025年でいうマテラスカイ、2024年でいうナダルのような枠に入るかと思います。

同様の観点で言うとカラヴァッジオもいるのですが、こちらは前述の通りJRAの後押しもあり、ちょっと実力が読みきれない節があります。

マカヒキはいいと思いますよ。種付け料50万円のダービーサイアー、しかもディープ系ですから。安値ながら堅実に実績を出せるタイプではないでしょうか。デピュティミニスターの血も入っていますし、意外とダート界ですごいのが出てくるかも。クロフネやキングカメハメハなどの金子オーナー配合でとんでもないのが輩出されてもおかしくない。

ダート種牡馬の多い世代のなかで特に期待したいのはチュウワウィザード。無味無臭というか、父キングカメハメハで母父はサンデーサイレンス系のデュランダルというシンプルさが最大の魅力だと思うんですよね。初年度から地方を中心に重賞馬をコンスタントに出してほしいところ。

最後のウィルテイクチャージはダーレー種牡馬ということで挙げないわけにはいかないかなと。ダートで突出した結果を出しているYGGが多数擁しているのも気になります。ただ受胎率はやや物足りなさがあり、タフで息の長いタイプが多数輩出されないと、先々は厳しいかなと感じます。種付け料が強気なダーレーですし、リスキーなタイプですね。

世代筆頭であるエフフォーリアとサリオスは、サンデーサイレンス3本クロス次第でしょうね。ここで評価が大きく分かれることでしょう。

やや層の薄い世代といえますが、だからこそこの中で突き抜けた成績を出せれば、先々の繁栄が約束されやすいというもの。果たしてどの種牡馬がいきなり結果を出してくるのか。答え合わせは2028年ごろになることでしょう。