スターチャーム(全100口・募集総額700万円)が2025年5月のレースを最後にファンド解散、このほど精算が終わりましたので収支の報告とともに振り返りです。
かなり詳しい収支報告の計算は以下の記事で書いています。

ユニオンの地方募集第一世代、大井競馬所属馬第一号になります。
先に結論を書いておくと、投資という観点では本募集馬への出資は失敗という形で終わってしまいました。残念ながら。

多少の赤字でも「楽しめたならOK!」なスタンスの私ですが、スターチャームに関してはワクワクさせてもらえた回数も少なく…完全な消化不良感を残しております。
正直、こういう馬にはなるべく出資を避けたい。今後の糧とするため、反省点を洗い出し、同じような経験を2度と喫しないための教訓としたいです。

スターチャーム自身は大好きな馬ですし、応援をしてきました。ファンド解散となった現在も応援しています。ただただ、運用面に問題があったに過ぎません。
もっと上手な運用ができていれば、赤字額は抑えられ、「この程度の赤字なら全然許せる!そのくらい楽しかった」と思えたことでしょう。そういう意味で投資的な失敗であり、残念な気持ちでいっぱいです。
それでは振り返りスタートです。

ではまずリアルな収支報告から。
およそ20万円の赤字
はい、およそ20万円の赤字でした。

100分の1の出資ですからねえ。700万円という安値募集馬ですが、5歳まで走って12戦1勝だとこれだけの赤字になります。

100口全体だと2000万円くらいの赤字か…。
やってしまったなあ。1口当たりの赤字で言うとラヴィッスマンを超えましたわ。
スターチャームに出資した4つの理由
ユニオン地方馬募集第一世代ということで注目を集めたスターチャーム(ダイワチャームの2020)。確か募集開始後早々に満口になったと記憶しています。

あまり吟味している時間はありませんでしたね。
カタログ到着後に書いた記事でも、確実出資の一番手としてあげています。

この時の感覚に間違いはなかったと思いたいが…。
何かしら違和感や怪しい気配を感じ取るべきであったのかも。
反省点を炙り出すため、まずは当時出資の決め手となった理由について整理します。
理由①大井競馬募集馬
やっぱりこれは大きかった。

我が家から自転車でも行ける大井競馬場。ここの所属馬というのが最大の魅力に映りました。
いつか大井競馬所属馬が募集されたら真っ先に出資しよう。そう決めていました。
以降にあげる理由も加味し、スターチャームは出資するに値すると思い、迷わずの出資だったわけです。

やっぱり今振り返ってみても、この時点で違和感みたいなのは抱けなかったよなあ。歩様も悪くないし。
強いていえば遅咲きな雰囲気はなくはなかったけれど。地方所属馬はそのくらいのほうが、成長させながら使っていけ、長く楽しめると思いました。
理由②大井リーディング厩舎所属
藤田輝信厩舎。これはすごいステータスと思いましたね。大井のリーディングトレーナーですもの。

生産牧場の服部牧場さんと藤田師は古い仲だそうで。こういった縁があっての募集馬は、悪いようには使われないだろう、というイメージが湧くんですよね。
そういえばラヴィッスマンも「中内田先生のところで面倒見てくれるなんて!」って息巻いて出資確度を上げた記憶。厩舎は確かに大事だけれど、それだけで一気に出資への意欲を高めてしまうのは危険なのかもしれませんね。
理由③全兄が中央1勝
基本的に我が家は「活躍馬の全弟妹は買い」と評価を上げる派。
スターチャームの全兄コパノジャンピングは中央で1勝、地方でも6勝し、7歳まで走って85戦と理想的な戦績です。同じ血を汲むスターチャームにも似たような活躍を期待することは決して過剰ではなかったでしょう。

牝馬に出たこともプラス材料と思っていたくらいでした。
これに関しては、我が家の出資指針ですし、しかも結果は他の馬で出ているので、疑いの余地はなかったですね。

父バトルプランが大井と相性良かったのもグーでした。
反省点にはなり得ないですな。
理由④地方初年度募集馬
これもまあ確かに出資意欲を向上させる理由にはなり得ましたね。

思えば友駿のマルボルクシチーもそう。地方募集初年度だったから、いい馬をそろえてくれるのではないか、という期待がありました。
マルちゃんの成功体験に引っ張られた面はあるかもしれません。
ちなみにユニオン地方初年度は5頭募集がかかって、4頭が北海道で1頭が大井スターチャーム。その4頭の北海道所属馬のうち1頭はデビューが叶わなかったと記憶。つまりデビューしたのは全部で4頭となり、その中で稼ぎ頭は2025年9月現在も現役を続けているインプローヴィングとなります。

インプローヴィングは素晴らしいですね。本賞金自体はさほどではないですが、5歳にしてすでに40戦以上。出走手当だけでも相当なものです。地方所属はこのくらい使ってもらえないと…。
とはいえインプローヴィングの目覚ましい活躍を加味しても、全体的にちと物足りない地方初年度でした。2年目以降も、正直言ってパッとしないってのがユニオン地方馬の印象。友駿にしても、マルちゃんが掘り出し物だっただけで、以降の地方募集馬はさほど活躍できていませんでしたからね。しかも5年くらいで地方募集やめちゃったようですし。

「初年度だからいい馬がいるだろう!」という仮説は、これからは発動させるべきではないですな。
やっぱり出資不可避?
以上、4つの出資理由をあげてみました。
確かに募集当初の馬体はさほど印象に残らず、調教師や大井募集という「外面的な要因」だけで出資した向きはありました。スターチャーム自身をもっと見るべきだったかな。
地方も、とくに南関は年々レベルが上がっている背景もあるし、「中央では物足りないタイプでも地方なら」というやや後ろめたい思考で出資に踏み切るのは危険ですね。この点は猛省。

そう。ユニオンって「中央じゃ敵わなそうだから」っていう理由で地方募集にしているタイプが多い印象もあるんですよね。
そうじゃなくて、「地方でこそ輝ける!」っていうタイプを募集にかけて欲しいですよね。
とはいえ、やはり総合的に考えても、スターチャームには出資しちゃってただろうなあ。

それでは続いてスターチャームの現役生活を振り返ります。
2歳8月にデビュー
デビュー戦は現地で見届けました。2022年8月15日のことです。ちょうどお盆か。

もうちょっとデビューが遅くなると思っていたので嬉しい誤算でした。
そこまで暑かった記憶がないなと思ったら、酷暑が始まる2023年の直前の年でしたね。すごく過ごしやすい日でした。
結果は3着。このレースの内容は非常に良かったですよ。当時のことを詳細に書いている記事もありました。
私のスターチャームへの期待度合いがうかがえる当時の記事ですね。

「服部牧場さん、よくぞ本馬を大井に手配してくれました。長く楽しめそうです」って書いているな…。

この後、まさかあんなことになるなんて。
療養続きの現役生活
ここからはサバサバと事実だけを列挙していきます。
デビュー戦後の調整中に左前繋靱帯に故障を発症。長期離脱へ。
7ヶ月後の3歳3月に復帰、2戦するもパッとせず。その後、5月に今度は骨膜炎を発症。また長期休養へ。
8ヶ月後の4歳1月に復帰、3戦目でようやく1勝目。次走後に左第3手根骨を剥離骨折。
1年後の5歳3月に転厩にて復帰するも、上位入線はできず4戦後にファンド解散が決定。

現役生活のほとんどを休養期間に充てていたなあ…。
改めてみても、4歳の剥離骨折でファンド解散を決めるべきだったと私は思うね。3回目の故障リスト入りなわけですから。
もしくは、大きく環境を変えるため、南関以外に移籍するか。そういった選択肢はあっても良かったのに。

かなり不満が多そうね。

はい。大有りです。ユニオンの運用の下手さが如実に出ているスターチャームの現役生活だったように思います。
スターチャーム自身は決して悪くない。それだけは言っておきたいです。
サラオクで売却、さっそく盛岡で2勝
そんな運用面での批判を後押ししてくれているのが、ファンド解散後のスターチャームの成績です。

サラオクで税込60万5000円で売却され盛岡へ移籍しました。
移籍後さっそく1勝を飾り賞金40万円ゲット。早くも落札額回収点が見えてきました。2戦目は4着、そして3戦目で1着。移籍して2ヶ月で回収です。

これは落札された馬主さん、いい馬を安値で落とせましたねえ。
元出資者としては複雑な気持ちになっちゃいますね。今のところ脚元にも異常は出ていない様子だし。ケアしつつ使っていければ、まだ1年は現役を続けられるかもしれないですね。

環境が変わることでこうも見違えますか。
なおさらにユニオンのガッカリ運用が浮き彫りとなりました。
本当に、お願いだから本当に、もっともっと1頭1頭に向き合ってあげてほしいよ。絶対に、各馬が存分に輝ける環境ってあるはずだから。決断をできるだけ間違えないでほしい。納得する形で運用を進めてほしい。
スターチャームのことは今後も応援しますよ!
スターチャームは、地方募集馬ゆえの葛藤や不満を経験する出資馬となりました。

100口募集、1口当たりの金額もリーズナブルということで、地方馬は満口になりやすい。ユニオンの満口馬はできるだけ長く現役を続けようと運用します。この指針が仇となってしまう形となりました。
スターチャームは大井では厳しかったということ。しかしほかの環境でなら輝ける可能性は秘めている。今後も頑張ってほしいですね。できればゆくゆくは母馬にもなってほしいが。
スターチャームはひたすら維持費が出ていくだけという苦々しい日々でした。体質の弱さが明確であるなら、もうちょっと早めの決断はあってもよかったように思います。
ただ、馬体に関しては、やっぱりいい馬に思えますね。とくに4歳以降の牝馬らしからぬ隆々とした馬体は非常に私好みです。この本質的な能力が、現在の盛岡での活躍につながっているのではないでしょうか。

ユニオン地方募集の1頭目は苦い結果に終わっちゃったわね。

しばらく地方への出資はやめておきます…。
組織体制が変わり、試行錯誤中のユニオンOC。その過程で失敗することは多々あるでしょうが、しっかりその事実を受け止め、今後の方針にどのように活かしていくのか、私たち会員にもきちんと共有してほしいところです。
このままだと本当に、会員がどんどん減っちゃうかもしれないし、1会員あたりの出資口数も減っていっちゃうかもしれない。
スターチャームの振り返りの記事ではありますが、そのような警告で終わりたくなってしまう。そんな、スターチャームとの出会いと別れでありました。