2022年産の3歳未勝利戦が終了となりまして。毎年恒例、入会クラブで気になった2022年産募集馬のその後を見てみたいと思います。

入会しているクラブは現在ユニオンOCのみ。
募集締切後の2024年6月に書いた、2022年産の最終的な気になる馬リストはこちらに挙げています。

ユニオン経営陣が一新されての最初の世代、気合をつけて例年より10頭以上も多い募集頭数となりました。キタサンブラックの弟で1億円募集馬アルマデオロも話題となりました。さらにエポカドーロの初年度産駒世代にも該当します。
しかし期待とは裏腹に勝ち上がり率16%は全クラブ中ブービー。20%を切ってしまったのは惨憺たる結果としか言えません。これについては以下の記事で深く突いています。
このユニオン2022年産について私は
回収率の高い馬が多い世代になるのでは
と評していまして、これについて意見は変わりありません。安値の割に賞金を稼ぎそうなタイプは多いと思っているんですよね。現状で出資総額を上回る賞金を稼いでいる募集馬が4、5頭いるのですが、今後もうちょっと増えてくるのではないかなと。5歳世代や4歳世代の上を行くんではないでしょうか。行ってもらわんと困る。

全体の勝ち上がり率は貧相ですが、個々の馬を見ると楽しみなタイプが多いようにも思っています。
さて現状で回収率の高い馬たちを、私は募集時に列挙できていたのか。さっそく気になる馬として挙げた13頭の現状を見てみましょう。
- ファザートゥーサン(スズカプリズムの2022・牡):地方3勝
- アヤメヅキ(マリアビスティーの2022・牡):大井1勝
- ベルジャッド(デルマヒスイの2022・牝):ファンド解散
- リオンプライム(スールキートスの2022・牝):格上挑戦
- ガイラルディア(テンシンランマンの2022・牝):地方転籍
- スターランウェイ(プリモウェイの2022・牝):1勝クラス
- カービスベイ(コージーベイの2022・牡):地方転籍
- ユースフルネス(ミッキーパパイアの2022・牡):障害転向
- ヴェントステラーレ(スターリーウインドの2022・牝):地方転籍
- ヴァレリアネッラ(ペトロシネッラの2022・牝):未デビュー引退
- エンゲージプライド(エンゲージスマイルの2022・牡):引退
- クリムゾンボタン(トウカイファインの2022・牝):引退
- アンズアメ(ホウライマツリの2022・牝):2勝クラス
- 微妙な勝ち上がり数
ファザートゥーサン(スズカプリズムの2022・牡):地方3勝
ファザートゥーサンは父ハッピースプリント。募集総額900万円(9万円×100口)。道営競馬からの募集で現在大井にいます。現在B組かな。

ユニオン地方馬の中ではかなり健闘している1頭と言えるでしょう。
投資的な目線として、900万円以上の賞金を稼げるかどうかが鍵。地方で黒字経営をするにはBクラス以上で安定した成績を誇る必要があると思うのですが、本馬の場合、長い目で見ればBクラスを定位置にできそうではあるものの、トータルで黒字に持っていけるかどうかはまだ微妙な線でしょう。

600万円くらいの募集額だったらなあ…と思える一頭です。
まあ、まだまだ全然わからんですけどね。さらに覚醒する可能性は十分に秘めています。
アヤメヅキ(マリアビスティーの2022・牡):大井1勝
アヤメヅキは父トビーズコーナー。募集総額800万円(8万円×100口)。川崎競馬での募集。

地方の大舞台で活躍を…との触れ込みでしたが、さすがに3歳クラシックには届きませんでした。
やはり出資当初から懸念していた馬体面に難ありの模様。現状4戦で、なかなか数を使えていません。
ただもちろんこれからの成長は十分に期待できます。父トビーズコーナーとはそういうタイプ。古馬になってからの成長には注目だと思いますよ。
ベルジャッド(デルマヒスイの2022・牝):ファンド解散
ベルジャッドは父ブリックスアンドモルタル。募集総額1500万円(5万円×300口)。

芝で掲示板を1回確保できたものの、ファンド解散となりました。
本馬は「どこに適性があるか」の判断が難しかったですね。デビューはダートでしたが、芝で能力を開花。「すいません芝馬でした」みたいな陣営のコメントがあったと記憶しています。
1500万円は強気な募集価格だったと感じます。地方転籍からの中央リベンジというコースもなくはなかったかもしれませんが、この募集価格を上回る活躍ができるかというと厳しそう。しかもダート適性も微妙なところで、順調に中央へ戻れるかも判断材料の一つとなったことでしょう。口数が余っていたこともファンド解散を急がせた理由でしょうか。

でも馬自体はいいものを持っていると思います。ファンド解散後は、地方高知でさっそく2着と頑張っています。
価格が高すぎましたね。父ブリックスアンドモルタルは初年度が好調だったので、この価格となったと思いますが。現状の父の成績を見てみると、この価格は強気でした。

母父エイシンフラッシュを占う上で追ってみる価値のある馬と募集時に書いたと思いますが、参考になる募集馬です。
今後も安定して成績は残せるのではないでしょうか。引き続き追いかけたい。
リオンプライム(スールキートスの2022・牝):格上挑戦
リオンプライムは父リオンディーズ。募集総額1200万円(6万円×200口)。

8戦して2着2回3着1回。勝ち上がれはしませんでしたが、この世代では上位の実力の持ち主です。
すでに700万円以上を稼いでいて、未勝利ながら募集額を上回る活躍が見込めます。
「いい馬だと思う」とここでも何度か書いてきましたが、私の相馬眼も捨てたもんじゃないな!
「ダート血統だがぜひ芝で見たい」という見立てもドンピシャ。芝の中距離で抜群の適性を発揮しています。

格上挑戦が決まりましたが…さてこの判断がどうなるか?
うーん。ダート適性もないわけではないんだし、地方転籍してあっさり2勝して戻ってくるコースでもよかったと思うのだが。格上挑戦の判断がどういった結末を招くのか、これは注目だと思います。
ガイラルディア(テンシンランマンの2022・牝):地方転籍
ガイラルディアは父シニスターミニスター。募集総額1300万円(3.25万円×400口)。

ユニオン2022年産シニスターミニスターっ子、4頭のうちの1頭です。
本格化はまだまだ先でしょうか。地方で鍛えられて戻ってきてほしいですね。
シニミニ産駒は4頭のうち2頭が勝ち上がり。出資馬アクアマリーナと非出資馬レイアポポ。残る1頭で出資馬グレートセンスは体質の弱さに泣き早々と解散となりました。半分が勝ち上がったのですから成績としては上々ですね。さすがシニミニ。
スターランウェイ(プリモウェイの2022・牝):1勝クラス
スターランウェイは父ダノンレジェンド。募集総額1000万円(5万円×200口)。

安値感高めの1頭。すでに1000万円近くを稼ぎ優秀です。
しかし当初の懸念通り体重がなかなか増えてこず、数が使えない点は気がかり。これからもう1段階、成長してくれると古馬以降も楽しめそうなんですが。
カービスベイ(コージーベイの2022・牡):地方転籍
カービスベイは父タワーオブロンドン。募集総額1500万円(5万円×300口)。

ダートの1000で開花し3着2回。地方から出直しを図ります。
初年度が絶好調のタワーオブロンドン。我が家は初年度種牡馬産駒は世代1頭までと決めており、ゴールドドリーム産駒に出資していたため本募集馬は見送りました。1500万円もちょい高値感あったかな。
タワーオブロンドンは考察したい種牡馬。もう2世代くらい様子を見てからデータ集計してみたいと思っています。
ユースフルネス(ミッキーパパイアの2022・牡):障害転向
ユースフルネスは父マジェスティックウォリアー。募集総額1000万円(5万円×200口)。

この世代は牡馬が多いこともあって、障害転向が多いなあ。
平場はダートを3回使って芽が出ず。1600以上を戦場としましたが、短い距離も見たかったですね。あとは芝も走ってみて欲しかった。
「南関募集だったら面白かったかも」という気持ちは今も変わらないですね。晩成タイプと思うので、いずれにせよじっくり時間をかける必要はあったでしょうが。
価格もお手頃だったと思うし、長い目で楽しめる1頭とは感じています。あとは障害が合うかどうか。
ヴェントステラーレ(スターリーウインドの2022・牝):地方転籍
ヴェントステラーレは父サートゥルナーリア。募集総額2000万円(5万円×400口)。

3歳夏と遅いデビュー。4戦し掲示板に3回入る好成績。今後に期待が持てます。
ユニオンの代表牧場である矢野牧場産ですし、高価格帯ながら満口になった馬ですから、この実績ならファンド継続は当然。地方から中央復帰を目指します。
「なんでこんなにデビュー遅れたんだっけ?」と振り返ってみたところ、鼻が鳴っていたんですね。環境を変え、3歳春を過ぎた頃には改善したようです。
まあこういうパターンもありますよねえ。しかし実力は本物ですからね。今後の活躍に期待です。
ヴァレリアネッラ(ペトロシネッラの2022・牝):未デビュー引退
ヴァレリアネッラは父キタサンブラック。募集総額1400万円(7万円×200口)。

右トモの怪我によりデビューできないまま引退が決まりました。乗馬になる模様。
う〜ん。こればっかりはなんとも。デビューは遅めかなと思っていましたが、出資確度の高い1頭でした。入厩してから急ピッチで仕上げすぎたことが負担になったのでしょうか。順調に行っていたら…の「たられば」を語りたくなる募集馬でした。
エンゲージプライド(エンゲージスマイルの2022・牡):引退
エンゲージプライドは父リアルスティール。募集総額2000万円(10万円×200口)。

上位入線が多く8戦も使えるタフさを完備。その分、蓄積した見えない疲労も大きかったのか、屈腱炎で引退が決まりました。
この母からいよいよ大物登場かと期待していただけに残念無念。
難しいタイプにつき出資は見送っています。
という言葉通りで、なかなか手を出しにくい募集馬です。近親は活躍馬が多く、ゆえに募集価格が高め傾向になるのも、出資に慎重にならざるを得ない。でもいつかはこの系で活躍馬が出てほしいなあ。
クリムゾンボタン(トウカイファインの2022・牝):引退
クリムゾンボタンは父ニューイヤーズデイ。募集総額1200万円(6万円×200口)。

中央で3戦、地方交流戦で3戦するも、結果は芳しくなく。引退し繁殖となることが決まりました。
今見返しても、本馬は募集ラインナップの中で群を抜いて馬体に惹かれますね。ニューイヤーズデイ産駒には今後も注目ですな。
実際、浦和の1400で使った最速の脚なんかは能力を感じさせるものでしたよ。戦う場所さえ違っていれば、もっと目立った結果も出せていたかもしれない。そう思わせてくれます。
ただ、1200万円を稼ぐ器かと言われると、ちと首を捻りたくなってしまいますが。
1度はダートの極端な距離で見てみたかったですね。1000とか2400とか。
アンズアメ(ホウライマツリの2022・牝):2勝クラス
アンズアメは父ドレフォン。募集総額1500万円(7.5万円×200口)。

すでに2勝。本世代の稼ぎ頭筆頭です。
本世代でハクレイファーム産は3頭いて、その内の2頭が勝ち上がり。残る1頭のドリームアンコールに出資している私はニアピン賞と言ったところか。
アンズアメは成長とともに気になってきた1頭で、予算に余裕があれば出資していたかも。今となっては後の祭りですが。ホウライマツリで後の祭り。
最後まで口数の余った馬。こういうのが稼ぎ頭になるのだからユニオンはわからなくて面白い。今後の教訓としたい1頭ですね。
微妙な勝ち上がり数
以上13頭の気になった馬たちの現状でした。

2頭の地方馬はまずまずの成績。11頭の中央募集馬は、2頭が勝ち上がり、1頭が格上挑戦、1頭が障害転向、3頭が地方転籍。残る4頭が引退orファンド解散となっています。
ふむ。中央の勝ち上がり率は18%…ギリギリユニオン全体の勝ち上がり率は超えたか。リオンプライムが惜しかったですね、もうちょっとで勝ち上がれそうでした。

予算が潤沢にあって広めに出資しても、あまりいい思いはできなかっただろうなあ。
ここには挙げていない募集馬で稼ぎ頭になったのがアジュマン。アルアイン産駒で判断が難しく、この子は最終候補には残りませんでした。全弟のシャオママルも優秀なんだよなあ。
そのほか、早期デビュー組のトゥインクルアップも950万円募集ですでに回収率100%を超えており優秀。この子は1勝できる可能性は高いながら、2勝目は厳しいと思っていました。しかしすでに1勝クラスで2着にくる実力。馬格もありまだまだ良くなりそうな雰囲気です。

シニミニ産駒のレイアポポは、きょうだいの成績が微妙だから挙げなかったのよね。

この子も上のクラスに行ってどうかですね。
他の勝ち上がり馬としてはネイチャーズロウとディースプレマシー。うーん、出資候補には残せなかったなあ私は。
そして1億円募集馬アルマデオロ。きっちりクラシック前哨戦の神戸新聞杯に出走できており期待に応える活躍ぶりです。私はどうしても金額的に厳しかったですが、やはりこの血統は走りますね。まだまだ成長途上でしょうし、これからも注目です。

と、いうわけで。勝ち上がっていて回収率が高いのは、アルマデオロ以外はみな2000万円以内の募集馬たち。2000万円を超えるユニオン基準での高価格帯の募集馬は残念な結果となりました。
やはり回収率の高い世代ではあるんだよな。安値の馬のほうが走るのはユニオンあるある。しかも口数の余っていた子が多いっていうね。これぞユニオンの醍醐味ですよ。

出資馬アンティスマも口数の余っていた安値馬。果たしてどういった活躍を見せてくれるのか。楽しみにしています。
2025年募集の2024年産たちも、基本的にはこの方針を貫くのがいいでしょう。じっくり成長を見守ってから決めるべき。というわけで私は今のところ人気馬ヴェレーナの2024の1頭だけの出資にとどめています。
多くの会員が少頭数出資からスタートし、様子を見ながら出資先を増やしていくのではないでしょうか。

売れ行きがスローなのはクラブ運営的には冷や冷やものでしょうが。実際の成績や傾向がこうなのだから仕方がありません。
2024年産で気になっている募集馬のリストはこちら。今後入れ替わる可能性大。
我が家の出資馬リストがこちらです。
それではまた1年後、2023年産の気になる馬の振り返りで〜。