【初出資馬】マルボルクシチー(南関B3)引退、思う存分思い出を語る

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私が一口馬主を始めようと決めたのは2015年ごろのこと。

いきなりどこかのクラブに入るつもりではありませんでした。

いくつかのクラブからカタログを取り寄せて、何頭か気になる馬をピックアップして架空一口馬主になりきり、自身の馬を見る目を養ったり、相性の良いクラブを見極めるつもりでした。

が、しかし。

友駿ホースクラブのカタログを取り寄せたところ、(確か自分の記憶が正しければ)同封されていたのが友駿初の地方馬募集のチラシ。第一号であるクイーンズオブタイムの2014の馬体に、私は惚れ惚れしてしまったのです。

入会の予定はなかったのに、気付いたら友駿に入っちゃってました。

記念すべき一口馬主デビューの出資先が地方馬。しかも100口募集なので月々の維持費は重めだったのですが。1頭だけなら大丈夫と踏み、出資した次第です。

翌年2016年5月にデビュー。それから2022年まで、クイーンズオブタイムの2014ことマルボルクシチーは現役を貫いてくれました。

68戦4勝。出資した年からの7年、現地で両手を上げて喜んだり、もうちょっとで掲示板確保だったのにと悔しがったり、マルちゃんには一口の楽しさを教えてもらえました。

2022年7月22日、調教中に骨折が発覚。全治8ヶ月以上ということで年齢も加味して引退が決まりました。

マルボルクシチーについて、以下思い出に浸りたいと思います。

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収支はつけておりません!

まず出資馬引退記事恒例の収支報告ですが、マルちゃんに関してはできません。

当時はまさにお試し出資で、収支とかもしっかりつけてなかったんです。。。

届いた明細を見返せば出せなくもないんですが、正直面倒ですしね…。

2歳から8歳まで走ったわけだが、黒字にはなったの?

いやーどう考えても赤字です!

3歳秋の4勝目を最後に5年くらい勝ちがなかったわけですからね。コンスタントに出走し、掲示板もちょこちょこ載ってくれたものの、やっぱりトータルでは微妙に赤いと思います。

馬券も含めたら相当お金を貢いでますね!

後述しますが、惜しいところで馬券を逃すシーンが多く。我が出資馬の中でもかなり馬券回収率の悪い1頭であったことは否めません。

母は高齢でも産駒勝上率優秀

マルボルクシチー(以下マルちゃん)は2015年の北海道サマーセールで税込432万円で競り落とされ、600万円(6万円×100口)にて募集されました。

母クイーンオブタイムの19歳の仔。かなり高齢での出産になります。

しかしこの母上の子出しのよいこと。マルちゃんより上で11頭産駒を出していて、中央の勝ち上がり率もかなり優秀なのです。これで600万円なら、高齢出産である点を差し引いても安いのではないかと。そういう費用対効果の面からも魅力を感じての出資でした。

父スターリングローズも個人的には魅力に映りました。地味なのですが地方での勝率はまずまず高く、アスカクリチャンという中央重賞馬も出していた点がプラス材料でした。

データ重視派な私としては「いい買い物」だと直感したわけです。一口馬主ライフをスタートするにはこれ以上の対象馬はいないなと。

この判断は間違いではなかったですね。確信を持って言えます。赤字だけどサ。

デビュー2戦目で1勝、雨の大井で2勝目

私はてっきり晩成タイプだと思っていたのですが。なんとマルちゃん、2戦目で1勝目をあげてくれました。

このときは仕事でライブ中継での観戦でした。

一口馬主生活初めての出資馬勝利。正直なところこんなあっさり勝つと思ってなかったので、喜びよりは拍子抜けって感じでした。

しかも勝ったのは所属の船橋ではなく大井競馬場。

その後、さらに5戦目で2勝目を飾るのですがこれも大井競馬場でした。

この、大雨の中で開催されたはやぶさ特別の2勝目が、とにかく強烈でした。泳ぐように上がってきたからね、驚いた。このレースはぜひご覧いただきたいです。

私は現地での観戦。口取り権利も取れていたのでスーツでの参戦だったのですが…ものっすごい荒れた馬場で、スーツぐちゃぐちゃになりましたね。

マルちゃんのこのレースの走り方は本当に凄かった。泥沼のような不良馬場を、最終コーナー外から駆け上がってくる姿は「あれ?この馬すごくね?」って、現地で観ていた出資者の誰もが思ったはず。

振り返るとこのレースがマルちゃんが獲得した最も賞金の高いレースだったのか。

ダート馬場内で口取り式をしたのですが、ぬかるんだ馬場でめちゃくちゃで。でもそんなの関係なく、喜びを分かち合いましたね。土砂降りの中、あんなテンションの上がったおっさん連中は見たことがない。

あの日の出来事は一生忘れることはできないでしょう。もうこれだけで、マルちゃんに出資した価値があったというものですよ。

口取りの際、林先生がふと口にした「まだまだこれからの馬ですよ」も忘れられませんね。

クラシックトライアルにも出走、3歳までで4勝

その後は地方重賞にも出走。3歳の初春に浦和で3勝目を挙げ、川崎のクラシックトライアルレース、クラウンカップでは6着とこれまた将来を感じさせる走りを見せてくれました。

しかし今思えばここがピークだったかもしれませんね。

3歳秋にも1勝してくれたものの、その後はうーん。

8歳の引退まで勝ちに恵まれず。2着に来ることは何度かありましたが、勝ち切れなかったねえ。

B3クラスを定位置とする4歳以降の活躍ぶりでした。

人気薄で勝つタイプ、好走条件が狭小

マルちゃんが生涯であげた4勝の条件と単勝オッズがこちら。

勝利条件人気オッズ
1勝目(2016年5月20日)大井1200良36.9
2勝目(2016年8月18日)大井1400不518.3
3勝目(2017年2月21日)浦和1500稍513.5
4勝目(2017年9月20日)浦和1400稍726.9

単勝一桁台は1勝目だけでしたか〜。

中人気での勝利ばかりね。

結局現役で1番人気になったことは1度もありませんでした。2番人気すらデビュー戦のみ。

そして船橋所属ながら勝ったのは大井と浦和2勝ずつ。所属である船橋が出走優遇があって出やすいのに、アウェイの方が圧倒的に成績がいいというね。最後の方は強引にでも船橋出走でしたけど。

得意な距離が1400〜1500という中途半端さも痛かったですね。船橋は1200と1600、そしてたまーに1500が開催される程度だったので。

ちなみに船橋1500で11番人気3着と健闘したことがある(2020年8月3日)ので、ここがベスト条件だった気がします。良馬場としての持ちタイムもここがベストだったはず。

というわけでマルちゃん。好走条件の縛りが厳しすぎた!

およそ5年近く勝ちから離れていてもあずかってくれた厩舎には、感謝の気持ちはあるものの。もうちょっとどうにかならなかったのかという気もないわけではないんですよね。ちょっとでも適距離の幅を広げる工夫とか。転厩するなんて判断はクラブの立場的に難しかったのかな。

めちゃくちゃ浦和行った

浦和での成績が良かったマルちゃん。

おかげで私も頻繁に浦和競馬場へ通わせてもらいました。

何回応援に行っただろう。10回は余裕で越えるでしょう。浦和全25走中20回近く観に行ったかも。浦和初勝利の3歳春は仕事で行けなかったですが、2勝目の3歳秋は現地で見届けています。

浦和競馬場、死ぬほど楽しいんだよなあ。パドックから本馬場も近くて最高。

食べ物も美味しいしね!

イベントでポニーに乗れたり、お祭りもやってるしね!キッズスペースはちょっと狭いけど…楽しいよ!

室内キッズスペースからもレースが生観戦できるのは大きい。そんなん浦和だけじゃないの?

元から好きな競馬場だったんですが、マルちゃんのおかげでさらに好きになりましたね。

電車でほぼ1本で行けるので、そんなに遠さも感じないし。いいよね〜浦和。

驚異の「4着率」

マルちゃんに関するデータで絶対にあげておきたいのが4着率

全68走のうち、1着が4回、2着が3回、3着が4回。そして4着がなんと14回もありました。5着は5回です。

4着率20%。この偏りは必然や偶然では片付けられないよね。

この事実をどう捉えるか。一口馬主考察あるいは馬券を考える上で非常に重要な意味を持っています。

3着と4着の差が何を意味するかって言ったら、そりゃ馬券ですよ。3着に入っていれば馬券圏内、それをギリギリ逃す回数が14回もあったんです。

人気薄で好走するタイプのマルちゃんでしたが、馬券的には非常に美味しくないタイプでしたねえ。

どうしてこんなに4着が多かったのかしら。

はっきりした根拠は示せませんが…。

遠回しな表現をするならレースのアヤってことになるでしょうが。直接的には、騎手の技術は否めないんじゃないでしょうか。

68戦中57回跨ったのは林先生の愛弟子、山口達弥騎手。

マルちゃんの現役中に、同姓同名(字は違うけど)の山口某メンバーが不祥事を起こしたり、初重賞勝利でダービージョッキーになったりと、何かと話題に事欠かない騎手。マルちゃんに乗るようになったときは100勝にも満たない騎手でしたが、まるでマルちゃんきっかけで覚醒したように、ここ数年はなかなか好調な成績をおさめています。2022年8月時点で200勝も目の前。

しかし…素人の私がとやかくいう筋合いはないでしょうが、必ずしも毎回マルちゃんの良さを100%引き出せていたかというと、疑問が残ります。特に4着の結果だったときのレースの多くは「もうちょっと工夫すれば3着はあったのでは!?」と思うところも多く、この辺はやはり騎手の腕の差が顕著に出ていたのではないでしょうか。

他の騎手であればもっとたくさん勝てていた、なんてことは間違っても言えませんが。4着だったレースが2着3着できたのではないかな〜と。思わなくはないわけです。

こればっかりは結果論なので。今更なんですけど。

でも、私に教えてくれましたね。所属騎手が判断材料になるという事実を。

若手の有望な騎手を抱えているかどうか、というのは厩舎を見極める一つの判断材料になると思いますよ。これほんと大事ですよ、一口馬主ライフを考える上では。

感謝の言葉しかない

600万円の募集総額で、レース獲得賞金は1992万円。2000万円まであとちょっとでした。出走手当も含めれば2500万円は超えているでしょうね。

3歳にして早くも出資金は回収してくれ、その後もレースはコンスタントに出てくれたので、自身の維持費はきっちり稼いでくれたものの…それでもやっぱり5勝目を挙げられなかったのは痛かったですね。トータルでは赤字だと思うなあ。

驚異の4着率で馬券でも悔しい思いを何度もさせられましたね。

しかし本当に本当に楽しめました。一口馬主の最初の一歩がマルボルクシチーでよかった。心よりそう感じています。たくさんのことを教えてもらえました。口取りも参加できたし。

記念すべき出資1頭目がいきなり出資金を回収。手応えを感じた私は2年後にユニオンに加入、いきなり5頭に出資するのでした…。

このユニオン出資初世代5頭のことはまた別の話ではありますが、ちょっと調子に乗りすぎた感はありましたね。ここで一口の厳しさ苦さを教えられました。反省点が多い。

しかしマルちゃんとの出会いがなければ、自分はさっさと一口馬主を諦めていたかもしれませんね。ケチケチ思考だから、赤字垂れ流し状態だったら早々に損切りしていたはず。「せめてマルちゃんが引退するまでは…」と続けていたからこその、今があると思います。

本当にマルちゃんには感謝しかないんですよね。本当に。

友駿のバトンはマルからヴェローナへ!

さて、マルちゃんが私の一口馬主ライフにもたらしてくれた最大の貢献がもう一つあります。

それは私をヴェローナシチーに引き合わせてくれたことです。

マルちゃん引退とともに友駿は退会する予定だったものね!

うむ。そのはずが、マルちゃんが意外と長い現役生活を続けてくれて。マルちゃんが6歳のときですね、ヴェローナ(アモーレエテルノの2019)の募集がかかったわけです。

マルちゃんがいなかったら間違いなく友駿を退会していて、ヴェローナへの出資は叶いませんでしたからね。出会いとは不思議なものです。

私の友駿の出資先は、マルちゃん、そしてマルちゃんの3個下のエフォールシチー(3歳で早くも引退)。5年目くらいにしてようやく初めての友駿中央出資がヴェローナでした。

マルちゃんがもうちょっと早く引退していたら、中央馬に出資しないまま友駿を辞めていたかもしれないってことです。何のために友駿に入ったのか、ってなるところでした。

私の一口馬主ライフin友駿は、マルボルクからヴェローナへ継がれていきます。

まだまだ語りたい思い出があったと思いますが、そろそろ終わりにせねば…。

マルちゃんのことは一生忘れることはないですし、度々思い出しては誰かに思い出を語りたくなることでしょう。

ちなみに引退後はどこへ?

怪我での引退ではあるものの、乗馬は可能とのことで。いつも面倒を見てくださっていた石橋ステーブルにて余生を送るとのことです。

場所は美浦トレセン付近だったはず。近いうちに会いにいきたいです。そして感謝の言葉を直接伝えたいですね。

我が家の一口馬主ライフスタートに花を添えてくれたマルボルクシチー。あなたに教えてもらった教訓を忘れずに、これからの一口馬主ライフも楽しんでいきます。ありがとうございました。