9月の1週目で2024年中央競馬の未勝利戦が終了しました。
我が家の2021年産出資馬たちの成績は…惨憺たるものでした。
まずデビュー1番手だったフォートポータルはデビュー戦でとんでもない気性難を見せて去勢決定。その後は少しずつ良化を見せ、未勝利終了寸前で2着と好走するも勝ち上がれず地方転籍が決定。
2番手グランレーヴシチーはデビュー戦3着で幸先いいスタートを決めるもケガに泣き引退。
バフィーは体質の弱さでデビューすらできず引退。
募集時に大人気を博したエザルターレは全くいいところがなくファンド解散。
こちらも人気だったトレポンティ、長距離で才能を見せ3着に入るも勝ち上がりできず、今後格上挑戦が決まっています。
ということで5頭出資で勝ち上がりはZERO!
1世代で勝ち上がりナシは初めてのことじゃないの!
まさかこんなことになるとは…。
と、出資馬の感想や反省は後半にするとして。まずはクラブ全体や個々の勝ち上がりをまとめます。
去年のまとめはこちら。
去年はクラブ全体の勝ち上がり率が39%と、集計4回目にして初めて40%を切る事態となりました。大手クラブが振るわない年でしたね。かなり異常事態に感じました。
さて2021年産はいかがなものだったか。毎年恒例の一口馬主クラブ別の勝ち上がり率を集計し、さまざまな側面から考察していきます。
2024年3歳馬の一口馬主クラブ別勝ち上がり率
早速こちら。ズバン!
クラブ | 募集頭数(頭) | 勝上頭数(頭) | 勝上率(%・前年比) |
---|---|---|---|
社台 | 84 | 46 | 55(+5) |
キャロット | 93 | 49 | 53(+9) |
サンデー | 91 | 48 | 53(+1) |
DMM | 17 | 9 | 53(+6) |
ロード | 34 | 17 | 50(+8) |
ライオン | 20 | 10 | 50(+5) |
シルク | 88 | 43 | 49(+7) |
インゼル | 20 | 9 | 45(-2) |
友駿 | 11 | 5 | 45(+37) |
ワラウカド | 7 | 3 | 43(+29) |
YGG | 12 | 5 | 42(+25) |
グリーン | 19 | 7 | 37(-16) |
東サラ | 51 | 18 | 35(+6) |
ノルマンディ | 59 | 20 | 34(+12) |
ウイン | 31 | 10 | 32(+5) |
ラフィアン | 45 | 14 | 31(-7) |
G1 | 62 | 18 | 29(-6) |
広尾 | 15 | 4 | 27(-23) |
ターファイト | 22 | 5 | 23(-5) |
大樹 | 13 | 3 | 23(-32) |
ローレル | 13 | 3 | 23(2) |
ユニオン | 41 | 8 | 20(-3) |
京サラ | 20 | 3 | 15(-18) |
中央競馬のみの集計です。ただし地方交流戦勝利馬は数に含んでいます。数えミスがあったらごめんね!
募集頭数が少なめのクラブは数字が大きく変動しているところも多いですが、全体的に見て極端な変動はあまりない印象。勝ち上がり率がプラスになったクラブが多いのは朗報です。
やっぱりキャロットやサンデーなどの大御所は、勝ち上がり率50%を超えていてナンボのもんですよね。この去年からの持ち直しの要因については後で考えてみましょう。
勝ち上がり数について、今年も意味もなく円グラフにしてみました。こちらっ!
入会している友駿は去年までの不調などなんのその、一気に盛り返し半数近くが勝ち上がる結果に。少頭数クラブはこのジェットコースターが面白い。
そしてユニオンは去年からさらに成績を落としてしまう始末。これほど安定して右肩下がりなクラブはあまりないかも、30頭以上を募集しているクラブの中では。
全クラブ合計の勝ち上がり数
全クラブを合計すると、全中央出走馬868頭(去年比+33頭)に対して、勝ち上がり頭数は357頭(+32頭)、勝ち上がり率は41%(+2ポイント)でした。
よかった、40%を超えました!
やっぱり去年の39%は低すぎましたね。
なんで去年はこんなに低かったのかしら?
社台系クラブの不振が挙げられますが、中でも特定の種牡馬が不調だった点が大きいかもしれません。
例えばロードカナロアは、2020年産の勝ち上がり率が40%を初めて下回る世代となりました。実際にキャロットやサンデーあたりで大活躍した2020年産ロードカナロアってさほどいない印象。他にも初年度産駒が皐月賞馬を輩出して期待されていたドレフォンも案外だったぽいし、社台系の推し種牡馬がことごとく振るわなかったのは大きかったように思います。
まあ2021年産も2021年産で、レイデオロというガッカリな初年度となってしまった種牡馬もいたわけですが。でもスワーヴリチャードが奮闘し、ロードカナロアあたりは成績盛り返していましたしね。いろいろプラスマイナスあって、結局は41%に落ち着いたということでしょう。
というわけで全くクラブの勝ち上がり率は標準的な数字に近づいてきました。欲を言えば、来年は42〜43まで伸ばしたいところ。
去年はこんな考察懸念をしていました。
セールでの取引額が高騰傾向だから、いい馬はクラブ提供ではなく上場される流れが主流になりつつあるとか、そういう背景もあったりするんですかね。
これも引き続き注視は必要。ただ、市場取引額もピークを迎えたようで、これからは横ばいか少しずつ下がっていく気がしています。生産飽和状態に達したと感じているので。
もう馬産地バブルは終わったと思うんですよね〜。円安終了とともに。
調子に乗って規模を大きくした牧場とか独立した牧場なんかもあるかもですが、競走馬の市場流通数は増えすぎなのかなと。淘汰の時期は遠からずやってくると睨んでいます。
平均募集価格と勝ち上がり率の相関関係を見てみる
こちらも恒例、クラブごと、平均募集価格と勝ち上がり率の関係を見てみます。このグラフ見るのが好きなんだあたしゃ。
赤い丸が勝ち上がり率。勝ち上がり率順にクラブを並べているので、赤い丸は右に行くほど下っていきます。
青い丸が下にあるほど、募集価格が安めのクラブね。
赤い丸と青い丸が離れているほど、募集価格と勝ち上がり率の乖離が激しいクラブってことになりますな。
赤丸よりも青丸が上に行っている高値感が強いクラブは、インゼル、ワラウカド、東サラ、G1、広尾。成績振るわなかった大樹やユニオンもやや高値感あり。
ワラウカドと東サラは高値感強めクラブの常連ですな。
ここ最近調子の良かった京サラは今年勝ち上がり率最低と不調でしたが、それでも安値感は変わらず。非常に健全なクラブと言えますが、かえって経営面が心配になってきますね。余計なお世話かもですが。
ほかに安値感の強かったクラブは友駿とYGG、ノルマンディも良さげ。社台もかなり良かったのでは。
YGGがかなり追い上げてきた印象です。
いいよねYGG。私もちょっと入会視野に入れていたり。
平均募集価格と勝ち上がり率の相関関係は0.68程度で、去年よりも大きく上昇。相関関係は強めとなっています。
全体として募集馬の価格設定はかなり妥当だったと判断できます。
入会しているクラブについて
すでにちょこっと触れましたが、友駿は去年の1勝から5勝へとかなり成績を伸ばしましたね。勝ち上がり率は8%から45%へ大きく上昇。募集馬の少ないクラブなのでこのくらいの振れ幅は不思議ではありません。
グランレーヴシチーも怪我なく順調にいけていれば、勝ち上がれる逸材だったと信じています。
さて一方のユニオンですが、近年勝ち上がり率が下落の一方で、今年はなんとかかんとか20%の水準に達することができたといったところ。
そもそもこの世代、面子的にちょい微妙感はありました。私も募集開始当初に「良くも悪くも冷静になれる世代」とコメントしていたくらいですから。
勝ち上がり率はイマイチなものの、ユニオンと相性のいい血統の馬はきっちり結果を出しています。その辺の傾向をしっかり掴んで出資していれば、大きな損を被ることはなかったのではないかと。
私は4頭に出資して1頭も勝てなかったわけですが。決して後悔はありません。トレポンティとフォートポータルは馬券圏内に来る活躍をしていますし、まだまだこれから期待できます。バフィーはデビューができてないので論外。エザルターレは残念な結果で、まさかこれほど成長乏しいとは思わなかった…。
とにかくユニオンはすぐ満口だらけになるようなクラブではないので、成長を見ながら出資していけば、勝ち上がり率20%の低空飛行に悩まされることはないはず。
実際にトータルで我が家はユニオン入会以降、14頭に出資して3頭が新馬戦・未勝利戦に勝てていて、勝ち上がり率は21%ほど…あれ?
低空飛行してるじゃない!
愕然…今年勝ちが0頭だったので…大きく下がってしまいましたな。今年デビューの2022年産で何頭か勝ってもらって、ユニオン出資馬勝ち上がり率を30%近くまで戻したい…。希望的観測すぎますかね!
この2022年産も惨憺たる結果となってしまったら…ユニオン出資は手控えの段階に入ったと判断してもいいかもしれませんな。
まあフォローしておきますと、2021年産もトレポンティは続投しますし、フォートポータルだってようやく走りがまともになってきた馬ですからね。遅咲き世代だったと楽天的に捉え、今後の成長にも期待したいですわ。ほんまに。
まとめ
今回の集計と考察を踏まえて、まとめを箇条書きしましょう。
- 勝ち上がり率は41%で去年の39%から改善
- 社台系クラブは軒並み高水準
- そろそろワラウカドから大物登場に期待
- 少頭数クラブは乱高下激しめ
あまり特筆事項がない世代でしたね。去年が悪すぎたというのもあるかもですが。
去年はこんなことを締めに書いています。
質の良い産駒の見極めや、資産の配分や収支の調整など、クラブの企業としての努力が試される数年になると思います。
企業努力。
友駿は組織改革に踏み切っているようで、0歳12月に新規募集をスタートさせていたところ、次年度募集馬からは1歳の秋へと大幅に後ろへずらす思い切った施策に踏み切っています。
ユニオンも、これまでセール購入はセレクションセールのみにしていたのを、セレクトセール購入馬も募集にかけるようになりました。
入会しているクラブでもこれだけ新しいことを始めているのですから、どのクラブも生き残りのため、今後もさらにさまざまな新しい施策を入れてくるはず。
逆に何も新しいことをしていない、大御所以外のクラブは…淘汰されてしまうことでしょう。
とはいえどのクラブも企業努力しているとは感じてますけどね。あとは大物が出るかどうかでしょうから。ワラウカドはマジでそろそろすごいのが出てきてほしいぞ。インゼルも同様に。
さて来年はどうなりますやら。勝ち上がり率は上がる一方で、どこかのクラブが淘汰される事態があっても…おかしくはない。一口界隈はまだしばらく騒がしい日々が続きそうです。
それではまた1年後ののこの時期に…。