私はいくつかの取引先さんと契約して仕事を請け負い、フリーランスとしては比較的「安定」した収入を得ることができています。
正社員に比べたらアップダウン激しいですが、最低限の収入保障みたいなのは確保できています。現状。
2年後3年後はどうなるか分かりませんが。まあこれは正社員の方でも同じといえば同じ。
取引先別に、こんな感じで仕事をこなしています。
- A社→定期的にお仕事を振っていただいています。報酬はまずまず安定。
- B社→不定期にお仕事を振っていただいています。報酬はかなり不安定。でも1回の報酬は大きめ。
- C社→固定案件につき固定報酬。加えて単発のお仕事で流動報酬ももらえる。いつまで継続できるかが気がかり。
厳密にはもっと取引先さんはあるのですが、種類分けするとこんな感じ。
この中で私の収入の大きな安心材料となっているのがC社の固定給。およそ半年ごとの更新をかけて、固定で報酬をいただきながら仕事をこなしています。
このC社では、さらに不定期ですが単発の仕事を相談されることがあります。これを便宜上、固定給に対して流動給としましょう。
ぶっちゃけフリーランスの仕事なんてどれもこれも流動報酬なんですけどねいわば。
この固定と流動とのバランスで、安定しつつも冒険できる事業を成立させることができています。フリーランス冥利に尽きるといえますね。
この辺のことについて、メモ程度に書き留めます。
固定報酬がお互いのメリットになる
個人でやっているクリエイティブ系のフリーランスの方の多くは、単発案件の積み重ねで報酬を稼ぐスタイルなのではないかと思います。私もそれが主流でした。
この不安定感を打破するにあたって、私の元へ固定給での仕事が流れ込んだことは、非常にメリットが大きかったといえます。
固定給、つまり月20万円とか30万円とか、一定額が必ずもらえるのね。
元々は流動給でしたが、安定的に仕事が流れてくるようになったので、いつからか固定報酬になりました。
固定報酬の話は先方から持ちかけられました。向こうの心情としては以下の通り。
いちいち毎月報酬の計算をするのが面倒なので、一括払いにさせてください!
つまりこういうことです。先方は今まで、私がこなした仕事をひと月ごとまとめ、報酬額を勘定していたのです。これだけでもけっこうな手間暇がかかり、作業時間に伴う人件費がかかちゃっていたわけですね。
案件ひとつひとつの報酬が固定額であれば、簡単な掛け算で済みますが、報酬が固定でない場合、算定にすごい時間がかかってしまいます。
とくに私のお仕事の場合、移動があったり必要な物を調達したりと経費がいろいろかかってしまうので、先方は領収書の整理などけっこう苦労をしていたみたいです(取引先は会社ということもあり、経理の目が光っているので、かなり正確な計算が求められる模様)。
しかしこれを固定報酬にすれば、その勘定時間が不要になりますから、人件費の削減に繋がり一気に問題解決です。
(これで浮いた時間を違う作業に当てられる!もしくは早く帰れる!)
(固定報酬は安定収入源になってくれる!)
まさにWIn-Win。
もちろん固定報酬だからといって、仕事内容が一律になるわけではありません。報酬よりも多い作業量のときもあれば、やや少なめで済むときもあります。
しかし平らに均せば順当か、ちょっと多めにいただける報酬になっています。先方が報酬計算に伴う人件費を削減できた分、こちらにもその恩恵が受けられているというわけですね。
もしフリーランスに外注で仕事を投げている会社さんで、報酬の計算に手間を取られていたら、フリーランスにこのような固定給を提案してみてもいいかなと思います。たとえば過去6ヶ月分の支払った報酬から平均を割り出し、固定報酬を提案するという流れです。
会社側から見れば、今流行りの定額制ともいえますな。外注先に案件投げ放題プラン。
まるでブラックの温床を感じさせる響きね…。
フリーランスにはブラックも何もありませんから。自己責任だ。
フリーランス側からこのような打診はしにくいので、基本発注側からの提案が普通かなと思います。
理にかなった報酬額を提示していれば、フリーランス側も快諾するのではないかなと思います。
BtoBなら当たり前のように行われている契約関係でしょうが、個人と企業だとなかなかないパターンだと思うんですよね。少なくとも私が従事している事業では。
流動報酬でバランスをとる
さてここからが大事な話で、フリーランスだからこそ(?)できる技について。
固定報酬がいただけるようになり、私はより一層、仕事でやんちゃができるようになりました。
最低限の収入が確保されているわけですからね。他の仕事に冒険的な要素を入れられるようになったのです。
何より面白いなと思ったのが、これから話すこと。
固定報酬をいただけるC社ですが、前述の通り流動報酬である単発の仕事も振ってくれています。
ときにその単発案件は作業量の多い内容もあり、固定報酬の仕事を圧迫してしまうこともあります。
そういうときは、固定報酬の方の仕事を少し削り、単発案件に多めに力を入れるようにします。もちろんC社に相談の上、です。
そうなると固定報酬の額が下がっちゃうのでは?
いや、固定報酬の額は据え置きです。
仕事を削っているのに固定報酬が据え置きだと、一見「もらいすぎ感」ありますが、その分、単発案件の方が仕事量のわりにお金が少なめ(初動案件はどうしても分の悪い仕事が多い)なので「もらわなすぎ感」があります。この相殺でうまくバランスをとり、お互いにとっていい形に収まります。
単発案件はその後も続いていくのか、売り上げ的に良いものになるのかわからない、冒険度の高い案件であることが多いです。しかし固定報酬があれば、そういった流動報酬の案件にも、果敢にチャレンジできます。
固定報酬でリスクヘッジを取っているのね。
固定報酬と流動報酬、どちらも同じ取引先から振られている点がポイントだね。バランス取りが非常にしやすいです。
これがバラバラの取引先からの依頼だと、固定報酬の仕事で手を抜いちゃうと、契約を切られる事態にもなりかねません。
このように、固定報酬を礎に流動報酬が上乗せされていく収入システムを築けたことで、さまざまなチャレンジをすることが叶いました。
やっぱ固定収入があるって大きいですね……。
夢を叶えるのに絶対必要バランス感覚
思えば私、本業でまだまだ食べていけなかった駆け出しのころは、他に仕事を持ちつつ本業にも専念していました。
このころは、他の仕事が固定報酬に近く、本業が完全な流動報酬でした。
この駆け出し時代も、固定と流動のバランス取りで成り立っていたと思います。
これから夢を叶えようとしている方も、地に足を着けながら「着実」に飛躍させていくのなら、固定給と流動給のバランス感覚は絶対に必要になると思います。
クリエイティブな分野の仕事であればあるほど、このようなバランス取りが苦手な人が多い気がします。一寸先は闇どころか常に闇の中、ギャンブルな毎日の中で生きています。
成功するしないって、技術やセンスよりもまず、このようなバランス感覚が重要なのではないでしょうか。
私もまだまだこれからの人間。技術を磨くだけでなく、バランス取りには十分気を遣いたいと思います。
「本業(夢)に専念したいのに、他のことをやって固定給を稼ぐなんてやってられるか」っていう意見を持つ人もいますが。それはちょっと本質からズレている気がします。
固定給の仕事が本業に影響を与えることだって十分にあり得ますし。やりたくない理由を夢でこじつけちゃうのは、ちとお門違いかなと。
なにはともあれ、固定給+流動給の合わせ技は、絶大な安心感を生んでくれるはずです。
もしこれから先、固定給の仕事が打ち切られたらと思うと…めちゃ不安になりますわ。家族おるし。自営業だから労災なんてもちろんないし。
これからのスタンダードになるかも?
最近では副業を推奨している会社も多いと聞きます。
事務員として正社員で働きながら、個人でイラストレーターとしても働いている、という方もいますよね。
これも固定給+流動給の働き方のひとつです。
また、将来は「ベーシックインカム」制度を導入するかも、なんて世の中の見方もあったりします。めんどいのでベーシックインカムの説明は省きます!
ベーシックインカムという名の固定給を得ながら、自分のやりたい仕事を流動的に受けて身入りを増やす、という生き方の選択も不可能ではなくなるでしょう。
固定給を得ながら、流動給も得て、楽しく自分らしく生きる方法が確立されつつあるのね。
流動給のいいところは、自分で量を調節できるところですね。「今月はあまり仕事は増やしたくないな」と思えば、流動のお仕事を引き受けなければいいだけ。固定給で暮らせばいい話です。
これからの時代、このような生き方を選ぶ人が増えてもいいなって思います。
週3勤務の正社員契約とかね。週3固定給の仕事をして、残りは余暇を楽しむか、流動給の仕事をするか、みたいな。
おわりに
とにかく今回もお伝えしたかったのはバランスの大切さですね。固定と流動のバランス取りが大切なわけです。
日々の仕事ひとつとっても、固定のものと流動のものに分けられると思います。
流動の仕事ばかりやって固定の仕事がおろそかになったり、逆に固定ばかりやって流動の仕事に手が付けられないと、柔軟性が欠け、発展性が衰えてしまいがち。
バランスを意識して手をつけていかないと、上昇気流には乗れないでしょう。この辺の仕事術とか生き方術ってのは、過去にごまんと本が出ているはず。
とりあえず今回は、私の稼ぎ方の観点から、これらバランスの話をしてみた次第です。
日々バランスは意識ですね!
固定給がいつ打ち切られるか…不安や…。