エスポについて書くのは初かと思っていましたが、2020年にやっていました。
まったく記憶になかったのですが、読み返してみたらあーなるほど。確かにこんなのやりました。
レアリゼシチーへの出資をちょっとだけ考えていた時期ですね。
今回新たに考察しようと思ったのも、友駿の2022年産募集馬に気になる1頭がいたから。だいぶ世代を重ねられデータも溜まってきましたし、情報をアップデートし整理してみましょう。これまでの友駿のエスポ産駒についても一挙に振り返ってみたいし。
年度ごとの種付実績
エスポワールシチーの年度ごとの種付実績がこちら。
年度 | 種付数 | 種付料(受胎条件) |
---|---|---|
2014年 | 110頭 | 50万円 |
2015年 | 91頭 | 50万円 |
2016年 | 68頭 | 50万円 |
2017年 | 123頭 | 50万円 |
2018年 | 161頭 | 70万円 |
2019年 | 138頭 | 70万円 |
2020年 | 107頭 | 100万円 |
2021年 | 134頭 | 120万円 |
2022年 | 142頭 | 120万円 |
2023年 | ?頭 | 180万円 |
安定した種付実績。種付料もついに200万円目前となりました。
当たり前の話ですが、産駒が優秀だからこそこれだけ種付料も上がっているわけで。次に紹介する賞金ランキングでもそれは明らかです。
年度ごとの種牡馬成績賞金ランキング
エスポワールシチーで見張るべきは地方での実績。
というわけで中央と地方の種牡馬賞金ランキングの推移も見てみましょう。
年度 | 中央 | 地方 |
---|---|---|
2017年 | 158位 | 62位 |
2018年 | 71位 | 26位 |
2019年 | 55位 | 15位 |
2020年 | 57位 | 10位 |
2021年 | 45位 | 6位 |
2022年 | 38位 | 1位 |
2022年、エスポワールシチーがついにNAR種牡馬リーディングに輝きました!
これは純粋にすごいこと。大偉業です。
地味にランキングを駆け上がっていったということはそれだけのポテンシャルの高さを誇っているということ。社台ノーザンのバックアップもありません。エスポワールシチーは近年稀に見る名種牡馬と言って差し支えないでしょう。
賞金上位100頭の母父内訳
エスポワールシチー産駒の賞金上位100頭(総賞金1117万円以上)の、母父馬について頭数別に内訳を出したものがこちら。
頭数 | 母父名 |
---|---|
5頭 | フレンチデピュティ(14)、フォーティナイナー(11) |
4頭 | クロフネ(17)、タイキシャトル(13) |
3頭 | アグネスデジタル(9)、コマンダーインチーフ(8) ワイルドラッシュ(7)、トワイニング(5) |
2頭 | ストームキャット(6)、アフリート(6) サクラバクシンオー(6)、エルコンドルパサー(5) スキャン(5)、スターリングローズ(5) ファスリエフ(5)、アルカセット(4) フサイチコンコルド(4)、ジェイドロバリー(3) ゴールドヘイロー(2)、ゼンノメイジン(2) |
1頭は省略。母父名カッコ内の数字は3歳以上の該当馬数の数字です。たとえば父エスポワールシチーで母父フレンチデピュティの現3歳以上の該当馬は14頭。そのうちの5頭が賞金トップ100内にいることを意味しています。
噂通りミスプロ系牝馬との相性がいいですね。そのほかフレンチデピュティやクロフネとも相性良しですし、タイキシャトルやコマンダーインチーフも○。満遍なく、堅実どころとの相性の良さを発揮しています。
ミスプロ系牝馬だからこそいい、というわけでもないかなという結果でした。
対象馬2頭中2頭ともが上位に入っている母父ゴールドヘイローと母父ゼンノメイジンは、それぞれ同じ母によるもの。前者は母リライアブルでサンデーサイレンスのクロスが発生、後者は母ハートフルビコーでミスプロ系牝馬です。
特定の母と抜群な相性を発揮するのもエスポワールシチーの特長かも。
なぜか母父キングカメハメハが微妙
さてそんな中で特筆ものだったのが母父キングカメハメハ。
父エスポワールシチーで母父キングカメハメハの対象馬は18頭いたのですが、賞金上位100に来ていたのは1頭だけでした。
なぜかキングカメハメハ牝馬との相性が微妙なんですよ。これはたまたまなのか何か重大な意味をはらんでいるのか。
ミスプロ系とは相性いいのは確実ですが、母父キングカメハメハはさほど強調材料にはならないと覚えておくといいかも。
友駿募集のエスポワールシチー産駒を見てみよう
さてデータ系は以上としてここからが濃厚なターン。完全に自分のため用。
友駿ホースクラブで募集されてきたエスポワールシチー産駒を考察していきます。
友駿の2022年産までのエスポ産駒は中央で10頭、地方で3頭、募集にかけられたはず(違っていたらごめんなさい)。
一覧にしたものがこちら。
馬名 | 生年 | 募集総額 | 獲得賞金(中央+地方) |
---|---|---|---|
ハッピーメモリアル | 2015 | 500万円 | 0万円 |
ヴァリアスシチー | 2015 | 700万円 | 0万円 |
マウナケアシチー | 2015 | 600万円 | 807万円 |
モンテローザシチー | 2015 | 600万円 | 826万円 |
グリニッジシチー | 2016 | 800万円 | 3566万円 |
メルヴェイユシチー | 2017 | 1000万円 | 171万円 |
シャルマンシェリー | 2018 | 500万円 | 425万円 |
エリタージュシチー | 2019 | 800万円 | 51万円 |
レアリゼシチー | 2019 | 800万円 | 677万円 |
インテンスシチー | 2020 | 1000万円 | 110万円 |
ケープタウンシチーの2021 | 2021 | 800万円 | – |
ライムチャンの2022 | 2022 | 1000万円 | – |
メモリーコバルトの2022 | 2022 | 1200万円 | – |
大きな回収率をマークしたのはグリニッジシチーだけですか…。
うーん、エスポワールシチー産駒で大物を輩出したい。その思いがどこよりも強いクラブのはず。それがこの実績ではちょっと…ガッカリ感はありますね。
ただこれを全クラブで広げてみると、結構活躍馬がいたり。というか冒頭のデータの通り、エスポ産駒は優秀な種牡馬なわけですよ。単に友駿に見る目がないということだろうか。
にしても今考えてみたらグリニッジシチーの募集額800万円はべらぼうに安いですね。兄姉はなかなか活躍できてますし、同じ系統であるスマートファルコン産駒でも活躍馬が出ている。しかもヴェローナシチーと同じカミイスタット生産で、我が家の出資馬スピードオブライト同じ相沢厩舎。必然の活躍といえます。
この観点で言えば、今年デビューのケープタウンシチーの2021も活躍する可能性は十分にありそう。友駿とは蜜月な関係の幌村牧場生産で、兄姉もすべて友駿に提供されまずまずの活躍。募集額800万円以上の活躍は見込めるかもしれません。
友駿2022年産のエスポ産2頭について
さて議論したいのは2022年産募集馬の2頭。ライムチャンの2022とメモリーコバルトの2022。
カタログ到着時にも書きましたが、どちらも面白そうに感じます。特に自分はメモリーコバルトの2022に魅力を感じています。
ライムチャンの2022はサンデーサイレンスのクロス、そしてメモリーコバルトの2022にはブライアンズタイムのクロス。このクロス効果がどう出るか。前者は若干、気性が気になるところ。
ダートでの活躍を想定するなら、ブライアンズタイムクロスはいいと思うんですよね〜。
しかもメモリーコバルトの2022の母父はプリサイスエンドで、フォーティナイナーの系譜。これは今回のデータから成功パターン。ちなみに友駿もこの点をガンガン強調して売り込んでいます。なぜかブライアンズタイムのクロスについてはノータッチ。なぜ。
サンデー孫牝馬とエスポワールシチーとの相性はまだまだ未知数ゆえ、なかなか手は出しにくい。やっぱりまず手を出すならメモリーコバルトの2022ではないでしょうか。
しかも生産の谷川牧場はナムラクレアにニシノデイジーにファントムシーフなど、現役活躍馬も多数います。
強調材料多いよなあ。やっぱり改めてデータから見ても、面白い存在ですね。
気になる2歳エスポワールシチー産駒
今年デビューする2021年産エスポワールシチー産駒で気になる馬を何頭かピックアップ。
登録馬は55頭います。
この世代は107頭に種付けをしているはずなので…55頭の登録数は少ないですね。よく見てみると他の年代も受胎率低めです。
まあそれはさておき。気になる2歳馬ですが。
母父ミスプロ系は定番。いずれも注目馬になるので、あえて挙げないでおきましょう。ここではこれからのトレンドになりそうな母父を。
トレンドになりそうなのが母父キングヘイロー。対象2歳馬は4頭。
これまで母父キングヘイローは2019年産と2020年産に1頭ずついて、どちらも実績を出せています。また同じダンシングブレーヴの血を引くコマンダーインチーフも今回のデータから良さげでした。よって今年デビューする母父キングヘイローにも注目しないわけにはいかない。
コルベット、ネーヴェ、タママリアの2021、ビーナストリックの2021の4頭。いずれも牡馬。
4頭とも面白い存在なのですが、中でもタママリアの2021は兄姉も活躍しているので楽しみです。とにかくこの4頭は覚えておきたい。
あとは母父ゴールドヘイローが1頭いますね。
冒頭で紹介した相性抜群な父ゴールドヘイローのリライアブルではありません。ゴールドペンダントの2021。なんとサンデーサイレンスの3×3×5!
この母父との相性が超いい!というのが少ないのがエスポワールシチー。なのでピックアップはこのくらいにしておきます。
実際に走らせてみないとわからない。そんな馬が多い気がします。
まとめ
以上、エスポワールシチー産駒について考察しました。
まあやっぱりなんだかんだでミスプロ系牝馬がいいわけで。そこさえ押さえておけば間違いないですよね。ただしキングカメハメハは微妙と。
そのほかの配合も堅実な成績を収められており、それが地方種牡馬リーディングへと結びついたのだと思います。
そろそろ超大物が出てもおかしくないですね。母父キングヘイローあたりから…!
やっぱりブライアンズタイムのクロスは将来性があると思うんだよなあ。というわけでメモリーコバルトの2022への出資可能性は高め。まあ友駿ですしすぐに埋まるわけでもないので、もうちょっと成長過程は見守りたいと思います。
というか友駿で超大物エスポ産駒が見てみたいよ。ここはクラブにもこだわり抜いてほしい。