【2024年産駒デビュー】主要新種牡馬についていろいろな角度から考察してみる

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本記事で紹介しているクラブ募集馬は2023年10月末時点のデータを参考に作成しています。
2024年4月24日ノーブルミッションの項目を追加。

2024年に産駒がデビューする主要な新種牡馬について、種付け実績やセール取引実績、一口クラブで募集されている産駒を調べてみました。

2023年版の記事がこちら。好評です!

この2023年デビュー世代の見どころは、風雲児ブリックスアンドモルタルの襲来、そして非サンデーサイレンス系ダービー馬レイデオロへの期待だったかなと思います。

ブリックスアンドモルタルはデビュー第一号がいきなり新馬戦を勝ち、さらに2頭目もあっさり新馬勝ち。「これは大成功種牡馬、サンデーサイレンスの再来は本当だったか!?」と否が応でも期待感膨らんだのですが、その後やや失速気味でした。しかし2023年新種牡馬の中では重賞制覇第一号にもなっており、やはり勢いや日本への適性はあるのかなと感じます。

一方のレイデオロは…うーん、まだ結論は急げないですが。上記の記事でも書いたように、やっぱりダート馬が多いのかなあ、というのが現状での正直な感想ですね。お嫁さん次第なところもありますけど。もうちょいデータ集積が必要です。

さらに2023年新種牡馬の特筆事項としては、ハーツクライ産駒のスワーヴリチャードとシュヴァルグランでしょう。私はシュヴァルグランに期待していたのですが、現状としてはかなりガッカリな感じ。対するスワーヴリチャードはこの世代の中ではダントツの勝ち上がりを誇っており、大物がたくさんいそうな気配となっています。

最後に地味ではありますが触れておきたいのはモーニン。地方競馬を中心に活躍傾向にあります。これは上記の記事の予想が当たったかなと思いますね。

さて前年の振り返りが長くなりましたが、ここからが本題。2024年新種牡馬たちの展望を占っていきましょい!

新種牡馬産駒への出資成功率をわずかでも上げるためのデータ収集です!

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サートゥルナーリア

父ロードカナロア。シーザリオの子としてはエピファネイア・リオンディーズに続く3頭目の大物級種牡馬になりますか。デビュー前から評判がめちゃくちゃに高かったのをよく覚えています。

ホープフルステークス、皐月賞を勝利。ダービーは4着で、このときのダービー馬はロジャーバローズ。

この世代一番の注目新種牡馬なのは間違いないでしょう。父ロードカナロアは短距離の王、本馬は中距離を得意としていますが、さて産駒はどういった傾向が出るのやら。

サートゥルナーリアの種付実績

種付年度種付数種付料
2021年205頭600万円
2022年195頭700万円
2023年201頭800万円

毎年100万円ずつ値上がりしていますが種付数は横ばい。期待されていますね。

サートゥルナーリアのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2022年セレクトセール当歳14頭/14頭1億182万円
2023年セレクトセール1歳12頭/12頭6618万円
2023年セレクションセール1歳16頭/17頭2581万円
2023年北海道サマーセール1歳5頭/5頭1243万円
2023年北海道セプテンバーセール1歳0頭/0頭0万円
2023年北海道オータムセール1歳1頭/2頭1650万円

この世代の中ではダントツの販売実績。去年のレイデオロとほぼ同じくらいです。

サートゥルナーリア産駒のクラブ募集馬状況

現時点でクラブ募集馬は30頭ほどいるようです。さすがの多さですな。

社台系クラブを中心に満口になっている馬は多く、人気の高さがうかがえます。

募集価格最高値はキャロットのハープスターの2022でしょうか。1口30万円、総額1億2000万円。

まあそりゃあ、付けるならとりあえずディープ牝馬ですよねえ。サンデーサイレンスの4×3、さらにハープスターの2022の場合はサドラーズウェルズとフェアリーキングの全兄弟クロス4×4も発生。非常に理に適った、爆発力の期待できる配合でしょう。

母父ディープインパクトでいうとクラブ募集馬は6頭ほどいるようで。彼らはいずれも動向に注目ですね。

高額募集馬はいずれも非常によく見えるので、価格相応の結果を出してくれるタイプが多そうです。中でも気になる馬をあげるとしたらダイワプロパーの2022。募集総額は5000万円となかなかですが、出資金を上回る活躍を期待したいです。

入会しているクラブにもサートゥルナーリア産駒はいます。ユニオンのスターリーウインドの2022マザイの2022。どちらも牧場珠玉の牝馬に、未来を担う種牡馬をつけましたって感じ。

現状ではスターリーウインドの2022がつい最近満口。ただ個人的にはマザイの2022のほうが気にはなっていますね。どちらも価格が2000万円超えなので、自分はかなり慎重にはなっちゃうかな。

サートゥルナーリア産駒。良さそうなのがいっぱいいて目移りしちゃいますね。ロードカナロア産駒ではありますが、やはり同じミスプロ系である兄リオンディーズに近い傾向を感じます。芝もダートも楽しめそうです。

ルヴァンスレーヴ

父シンボリクリスエス。ジャパンダートダービーやチャンピオンズカップなどダートG1総ナメ、2歳から3歳にかけての成績は非の打ちどころがありません。脚部不安で長期離脱後、2戦ほどしましたが調子は戻らず、5歳の6月に引退しています。

成績云々よりも、オメガパフュームやゴールドドリームに勝った馬、といったほうがその凄さが伝わるかもしれません。

半面、早熟性や脚元の具合など、気になる要素もあります。2000メートルのジャパンダートダービーを勝っていますが、マイル寄りかなというイメージはあります。

ルヴァンスレーヴの種付実績

種付年度種付数種付料
2021年223頭150万円
2022年196頭250万円
2023年185頭300万円

初年度の種付け数はナンバーワン。次年度は100万円アップするも200頭近くを集めました。かなり馬産地の期待度は高そう。

ルヴァンスレーヴのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2022年セレクトセール当歳5頭/5頭3344万円
2023年セレクトセール1歳2頭/2頭2475万円
2023年セレクションセール1歳10頭/11頭1787万円
2023年北海道サマーセール1歳31頭/37頭997万円
2023年北海道セプテンバーセール1歳8頭/10頭654万円
2023年北海道オータムセール1歳6頭/8頭557万円

種付料を踏まえるとこの売却成績はかなり優秀。

ルヴァンスレーヴ産駒のクラブ募集馬状況

現時点でクラブ募集馬は20頭程度。

いろんな配合が試せるお楽しみ血統といったところか。母父でいうとキングカメハメハ、クロフネなど人気の種牡馬を筆頭に、サンデーサイレンス系も相性はよさそう。

たとえば母父ゴールドアリュールなんかはまさにダート特化という感じで、サンデーサイレンスの4×3も魅力。募集馬にも何頭かいるのですが、実際に見てみるとさほど印象には残りませんでした。

全頭見たわけではないですが、個人的に好みなのは母父キングカメハメハのヌチバナの2022。こちらも母父サンデーサイレンスが入っています。こういったキンカメ×サンデーサイレンス牝馬との産駒に私は注目しておこうと思います。

入会クラブでは友駿でビヴァレッジクイーンの2022が募集にかけられています。体が小さめでまださほど強調材料が見当たらない感じです。今後の成長次第といったところでしょうか。

ナダル

父ブレイム。ロベルト系で、母父はプルピット。4戦4勝、主な勝ち鞍はアーカソーダービー。その後、調教中に骨折が発覚し3歳5月で引退、種牡馬に。

日本に来るまで正直その存在すら知りませんでした。コロナが猛威を振るった不遇の2020年3歳世代であり、米国クラシックは超変則開催。正直競馬どころじゃない雰囲気もあったので、その活躍ぶりが日本まで伝わってこなかったのも仕方がないのかも?

ゆえに前評判以上のポテンシャルを発揮する可能性も考えられます。

ナダルというとお笑い芸人かテニス選手を想像する人も多いかもしれません私はこの馬名を見るたび、調教師の大和田成(オオワダナル)氏を連想してしまいます。氏に産駒は入厩しないかな?

ナダルの種付実績

種付年度種付数種付料
2021年150頭400万円
2022年114頭400万円
2023年103頭350万円

まずまずの動き。社台スタリオン輸入種牡馬の標準的な推移に感じます。

ナダルのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2022年セレクトセール当歳6頭/6頭3685万円
2023年セレクトセール1歳2頭/2頭3850万円
2023年セレクションセール1歳7頭/7頭2286万円
2023年北海道サマーセール1歳10頭/10頭994万円
2023年北海道セプテンバーセール1歳2頭/2頭726万円
2023年北海道オータムセール1歳0頭/0頭万円

ルヴァンスレーヴと同じくらいの取引額です。種付料の高さを踏まえるとこちらは若干思ったよりも安値感あり。

ナダル産駒のクラブ募集馬状況

そんなにクラブ募集はかけられていないのかなと思いきや、結構いました20頭以上も。ほぼ社台ノーザン系のクラブですね。キャロットは7頭も募集ですか!

輸入種牡馬ゆえにさまざまなタイプの牝馬につけているなあ、という印象。

まあディープインパクト牝馬とかの産駒を無難にあげておけば活躍見込みはありそうですが、ここではカイカヨソウの2022だけあげておきます。母父ティンバーカントリーとやや古めかしさはあるものの、この母から産まれる子は安定した実績を誇ります。ダートで幅広い適性を見せてくれそう。

全体的に日本向き風の馬体をしている馬が多いように自分は感じられました。サンデーサイレンス系牝馬との相性もバッチリなんじゃないですかね。そんなに注目していなかったのですが、募集馬たちを見ていて俄然気になってきました。日高産中心の我が所属クラブで募集される日は来るのだろうか…。

アドマイヤマーズ

父ダイワメジャー。朝日杯フューチュリティ、NHKマイル、香港マイルなどを制覇。根っからのマイラーですね。

ダイワメジャーの後継者として重要な役目を担っているようで、馬産地の期待も高いのではないでしょうか。

最近の種牡馬の傾向として、芝短距離やクラシック、ダート短距離は混戦ですが、ここまでマイラー特化なタイプっていない印象。もしかしたらマイル種牡馬として盤石な地位を築くかもしれません。

アドマイヤマーズの種付実績

種付年度種付数種付料
2021年115頭300万円
2022年107頭250万円
2023年129頭250万円

3年目に種付数盛り返しキャリアハイ。産駒の様子がすこぶるいいのかもしれませんね。

アドマイヤマーズのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2022年セレクトセール当歳4頭/4頭8250万円
2023年セレクトセール1歳7頭/7頭6348万円
2023年セレクションセール1歳4頭/4頭2942万円
2023年北海道サマーセール1歳4頭/5頭1017万円
2023年北海道セプテンバーセール1歳1頭/1頭660万円
2023年北海道オータムセール1歳2頭/2頭687万円

サマーセールの平均価格はやや物足りない印象ではありますが、全体的に十分な価格で取引されています。売却率は高い。

アドマイヤマーズ産駒のクラブ募集馬状況

クラブ募集馬は15頭前後。ナダルと同様、ほぼ社台ノーザン系クラブでの募集。

いかにもダイワメジャーの系譜、って風貌のタイプが多いですかね。ボリューミーで好気配。父と同様に早い時期からの活躍が見込めそうです。

1頭くらい気になるクラブ募集馬をピックアップしようと思ったのですが、どれも目移りするくらいよく見えました。募集価格で言えば最安値と思われるターファイトのコンケイヴの2022。兄姉の成績が今ひとつですが、トモの張りは理想的でいかにも走りそうなダイワメジャー系といったところ。この馬の活躍は見守りたいですね。

今後種付料が安くなれば日高系のクラブにも募集馬が出てくるでしょうか。初年度の活躍次第ってのはありそうですね。ダイワメジャーの直子は正直高値傾向に自分は感じていましたが、アドマイヤマーズなら手が届きそうで、回収率の高いタイプが続出してもおかしくはありません。

何より芝マイル路線の種牡馬層はわりと手薄ですからね。これが最大の強調材料かも。

シスキン

父ファーストディフェンス。さらにその父はアンブライドルズソング。アメリカ生まれのアイルランド育ち。主な勝ち鞍はアイリッシュ2000ギニー。

同世代との戦いでは無類の強さを誇るも、古馬戦になってからは今ひとつ。3歳で出走したブリーダーズカップマイル9着を最後に引退しています。

欧州にありがちな典型的な早熟馬と感じますが、種牡馬としての成績は果たして。

シスキンの種付実績

種付年度種付数種付料
2021年20頭350万円
2022年83頭300万円
2023年74頭250万円

初年度はシーズン途中で怪我をしたため種付中断。その後はまずまずの推移で種付できています。

シスキンのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2022年セレクトセール当歳3頭/3頭3740万円
2023年セレクトセール1歳2頭/2頭4565万円
2023年セレクションセール1歳0頭/0頭0万円
2023年北海道サマーセール1歳0頭/0頭0万円
2023年北海道セプテンバーセール1歳0頭/0頭0万円
2023年北海道オータムセール1歳0頭/0頭0万円

少数ゆえ明確な傾向はいえませんが、セレクトセールはまずまず高値で取引されています。

シスキン産駒のクラブ募集馬状況

初年度種付数20頭に対し、クラブ募集頭数は2頭。キャロットのアドマイヤセプターの2022と東サラのレッドエソール(アッフェルマーレの2022 )

どちらも雰囲気はよく、初戦から結果を出せそうなタイプに映ります。さすが社台さんが仕入れた種牡馬は一味も二味も違いますなあ。

ただどうなんでしょう。マイラー血統として見るのだとしたら、自分はアドマイヤマーズを応援したくはなりますね。

これは完全に、蓋を開けてみないとまったくわからないパターン。しかも少頭数の初年度産駒で評価を決めてしまうのは早計でしょう。2年目以降にも注目の新種牡馬です。

モズアスコット

父フランケル。安田記念とフェブラリーステークスを制した芝ダートマイルの二刀流馬。

アロースタッド一押しの1頭でしょう。フランケルの血を汲み、日本の馬場で活躍。6歳まで走ったのも好材料。中央地方問わずで活躍馬を出しそうですが、果たしてどんな配合が活躍するのか。

モズアスコットの種付実績

種付年度種付数種付料
2021年167頭200万円
2022年139頭250万円
2023年?300万円

種付料は年々値上がり傾向。

モズアスコットのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2022年セレクトセール当歳0頭/0頭0万円
2023年セレクトセール1歳0頭/0頭0万円
2023年セレクションセール1歳7頭/7頭2003万円
2023年北海道サマーセール1歳16頭/21頭1076万円
2023年北海道セプテンバーセール1歳2頭/2頭489万円
2023年北海道オータムセール1歳3頭/5頭627万円

セール取引価格は上々といったところ。

モズアスコット産駒のクラブ募集馬状況

クラブ募集馬は今のところ6頭。

広尾では2頭が募集にかけられているんですね。けっこう強気なお値段ですがすでに満口。さすが。

募集馬たちの雰囲気としてはまさに血統通りといいましょうか。けっこう母方のヘネシーも出ているような気がしていて、産駒も父同様で芝ダート兼用タイプは多そうです。

中でも気にかけているのは、我らが協和牧場生産のヘイローフジの2022。ローレルでの募集。アサカフジ、そしてキングヘイローの血も入っていますから、否が応でも期待してしまいます。個人的にはかなり思い入れが強い。

入会しているユニオンでも1頭募集。フローラルパークの2022

こちらはクロスがやや濃いめのせいか、体重が軽くちょっと体質が心配だったり。

もうちょい成長は見ておきたいタイプですね。

まだなんともいえない未知なタイプですが、適性は芝ダートのマイル以下なんでしょうかね。むしろマイルは長くて、短距離タイプが多いかもしれません。全然違ったらごめんなさい。あんまりフランケルフランケルしてないんだよな。不思議。

フォーウィールドライブ

父アメリカンファラオ。馬名の意味は四輪駆動。ブリーダーズカップジュヴェナイルターフスプリントという、2歳の芝1000メートルを制しています。

3歳5月のレースを最後に引退しており、出走したレースも芝のスプリント以下のみ。ちょっと未知数が多めですね。

どうでもいい話ですが、現役時のレース実況で名前を呼ばれる際の「ドゥラァイブ」の耳触りがいい。アサヒスーパードゥラァイみたいで。

フォーウィールドライブの種付実績

種付年度種付数種付料
2021年139頭100万円
2022年109頭120万円
2023年?120万円

100頭超えは優秀といえるんじゃないでしょうか。

フォーウィールドライブのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2022年セレクトセール当歳0頭/0頭0万円
2023年セレクトセール1歳0頭/0頭0万円
2023年セレクションセール1歳0頭/0頭0万円
2023年北海道サマーセール1歳16頭/19頭566万円
2023年北海道セプテンバーセール1歳10頭/10頭718万円
2023年北海道オータムセール1歳6頭/6頭507万円

セレクトセール、セレクションセールには1頭も上場されず。サマーセールの平均価格もまずまずといったところ。セプテンバー・オータムともに100%の売却率なのは優秀ですね。

フォーウィールドライブ産駒のクラブ募集馬状況

現時点でクラブ募集馬は2頭ですかね。京サラのアローシルバーの2022と友駿のコハルビヨリの2022

サンプルが少ないゆえに、まだなんともいえないですね。ただセールの売却率の良さはかなり評価できると思います。

アローシルバーの2022はすでに満口。大口の申込があったようで、SNS界隈でちょっと話題になっていました。

一方で入会している友駿のコハルビヨリの2022は40%未満の申込。

正直どちらもそんなに大差ないというか…未知数高すぎて、なんとも。価格は抜群に京サラが安いですからね。人気になるのもうなずけます。

フィエールマン

父ディープインパクト。菊花賞を制し、天皇賞・春を二連覇。しかし最も印象に残っているレースといえば、アーモンドアイに迫る豪脚を披露した天皇賞・秋じゃないでしょうか。

4歳までは長距離一辺倒な馬かと思われていましたが、そこはやはりディープインパクト産駒、中距離でもしっかりと結果を出した点は優秀。社台が放出したことを大いに後悔する、そんな大活躍を期待しています。

フィエールマンの種付実績

種付年度種付数種付料
2021年107頭200万円
2022年81頭200万円
2023年?200万円

ディープ系の多さゆえか、ややお嫁さん集めに苦労している印象。このまま種付料を据え置いて数を減らすよりは、もうちょい値下げしてもいい気はしますが…。

フィエールマンのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2022年セレクトセール当歳3頭/3頭1億1036万円
2023年セレクトセール1歳4頭/4頭5060万円
2023年セレクションセール1歳5頭/5頭2002万円
2023年北海道サマーセール1歳9頭/10頭1032万円
2023年北海道セプテンバーセール1歳2頭/3頭605万円
2023年北海道オータムセール1歳1頭/1頭198万円

優秀な取引実績だと思います。ディープ系の中では晩成感が漂うタイプですが、当歳セールでも1億円超えが連発したのは素直に評価していいのでは。

フィエールマン産駒のクラブ募集馬状況

クラブ募集馬は10頭程度。意外(?)に社台サンデー系クラブでの募集が多いですね。

入会クラブでの募集を期待していたのですが、今のところゼロなんだよなあ。

持論としまして、クラシックと古馬G1を制した競走馬は種牡馬でも成功する、というのがありまして、フィエールマンも当然成功すると見込んでいます。サンデーサイレンス直仔でいうところのマンハッタンカフェのような活躍を期待できるのではないでしょうか。短距離から長距離まで、幅広く活躍馬が出ると思っています。

あえて個別に募集馬はあげないでおきます。全体的に好成績を収める、優等生であることを願っています。応援したい新種牡馬ですね。入会クラブで募集されないの悔しすぎる。

ミスターメロディ

父スキャットダディ。さかのぼるとヨハネスブルグ、ストームバードへとつながります。母父にはデピュティミニスター。

日本で走り高松宮記念を勝利。G1は1勝ですが、血統の希少性もあって需要は高そう。産駒はコンスタントに使えるタイプが多そうですね。

1勝クラスまではダートで勝っていますが、産駒はどんな傾向が出るやら。

ミスターメロディの種付実績

種付年度種付数種付料
2021年174頭100万円
2022年164頭120万円
2023年?150万円

お〜集まってますね。150万円になっても150頭超えは堅そう。

ミスターメロディのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2022年セレクトセール当歳1頭/1頭4400万円
2023年セレクトセール1歳2頭/2頭3520万円
2023年セレクションセール1歳3頭/3頭1540万円
2023年北海道サマーセール1歳23頭/25頭775万円
2023年北海道セプテンバーセール1歳9頭/10頭575万円
2023年北海道オータムセール1歳1頭/2頭957万円

100万円台の種付料でこの取引価格なら十分でしょう。売却率の高さは優秀。

ミスターメロディ産駒のクラブ募集馬状況

クラブ募集馬は現在5頭で、そのうちの2頭がユニオン。

全体的にボリュームがあって気配がいいよなあ。

しかしわからない。見た目詐欺の可能性もある。まだわからないのである。

しかしとりわけ、ターファイトのメジェルダの2022は抜群にいい感じ見えますね。母父ディープインパクト、これで募集総額1800万円はかなりお得では?

ユニオンの2頭はステラーホープの2022イトククリの2022。これまたどちらも馬体のバランスはよく映ります。

いやーしかしわからん。本当にわからん。ちと私には手を出しにくい気配が漂っています。

タワーオブロンドン

父レイヴンズパス。ミスプロ系。スプリンターズステークス覇者。短距離路線で活躍しました。

日本に馴染みの薄い血脈のため評価が難しい1頭。なんとなーくダート寄りな気もしますけども。

後述しますが、産駒の見た目はすこぶるいいんですよね。父の馬格が反映されて、大きく出る子が多い。

タワーオブロンドンの種付実績

種付年度種付数種付料
2021年134頭150万円
2022年157頭150万円
2023年?150万円

種付数が2年目に増えている点は特筆もの。産駒の出来がいいんでしょうね。

タワーオブロンドンのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2022年セレクトセール当歳0頭/0頭0万円
2023年セレクトセール1歳0頭/0頭0万円
2023年セレクションセール1歳6頭/6頭1650万円
2023年北海道サマーセール1歳25頭/28頭842万円
2023年北海道セプテンバーセール1歳6頭/6頭674万円
2023年北海道オータムセール1歳6頭/6頭410万円

セレクトセールには1頭も上場されず。取引価格は良い方ですし、売却率も高め。

タワーオブロンドン産駒のクラブ募集馬状況

現時点でクラブ募集馬は6頭いて、そのうち友駿1頭でユニオン2頭。なんと半分が入会クラブで募集されてる!

うまく表現しづらいのですが、産駒はいずれも日本向きっぽくないといいますか、でもそれが逆に惹かれるんですよね。ひとつ前のミスターメロディはいかにも映える日本で活躍しそうなタイプに見えますが、タワーオブロンドン産駒にはちょっとまた違った期待感や底知れぬ感が漂っています。

個人的には好きなタイプが多いんですよ。クレバーよりは、本能で走りそうな。そんなタイプ。要するに脳筋。

広尾のキャッツアイの2022なんかはとくに…圧倒的なパワーでねじ伏せてくれそうで将来が楽しみ。

入会クラブの3頭の中では、コージーベイの2022が1歳秋の時点で530キロとでかい。

短めのタイプになっていくのは間違いないでしょうが、芝かダートかといわれると…どうなんだろう。現状では父似が多いような気がしていますが、母の特性をどれだけ受け継ぐかはポイントじゃないでしょうか。キャッツアイの2022が活躍したら、ディープ系牝馬との相性はバッチグーということでしょうから、可能性が広がっていきますね。

ウインブライト

父ステイゴールド。父譲りの海外好きでクイーンエリザベス2世カップと香港カップを制覇。日本では中山を得意とし、重めの馬場が得意な傾向。

同じステイゴールドの産駒としてはナカヤマフェスタやドリームジャーニー寄りでしょうか。気性が気になるところ。

ウインブライトの種付実績

種付年度種付数種付料
2021年93頭120万円
2022年80頭120万円
2023年?120万円

種付推移はまずまずといったところ。

ウインブライトのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2022年セレクトセール当歳0頭/0頭0万円
2023年セレクトセール1歳0頭/0頭0万円
2023年セレクションセール1歳2頭/2頭2200万円
2023年北海道サマーセール1歳5頭/6頭712万円
2023年北海道セプテンバーセール1歳2頭/2頭605万円
2023年北海道オータムセール1歳1頭/2頭220万円

上場数が少ないですね。晩成傾向なのかもしれません。

ウインブライト産駒のクラブ募集馬状況

クラブ募集馬は17頭と多く、9割方ウイン&ラフィアンで占められています。ゆえに癖の強いタイプが多そう。ノルマンディも2頭いますな。

さぞ母父ロージズインメイが多いことでしょう…やはり4頭いました。

ただどうなんでしょうね。ウインブライトが海外で花開いたように、配合も何か一工夫がないと、広がりがないような気もします。ステイゴールド自身、メジロマックイーン牝馬との出会いがなければここまで活躍馬を出せなかったのと同じで。

わりと考察のしがいがありそうな種牡馬ということで、17頭をじっくり見ているわけですが、うーん、評価が難しいっすね。やっぱりクラブが偏ってるから配合も偏るんよ。もっと多様性が見たいよ、多様性が!

良くも悪くも甲乙つけ難いといいますか…蓋を開けてみないとわからない部分が強いですね。

母父サクラバクシンオー系との相性が漠然と良さそうな気がしたのでリゲインの2022だけあげておきます。

ウインブライト産駒は、関東馬から強いのが輩出されるといいなとは、個人的には思っています。

ゴールドドリーム

父ゴールドアリュール。フェブラリーステークスやチャンピオンズカップなど、G1を5勝ですか。

7歳まで安定してG1で結果を残した点は見逃せません。すでにゴールドアリュール系ではエスポワールシチーをはじめ活躍種牡馬が出ていますが、さらに好成績を叩き出す種牡馬になるかもしれません。

個人的には、かなり期待しています。

ゴールドドリームの種付実績

種付年度種付数種付料
2021年212頭100万円
2022年181頭150万円
2023年?180万円

種牡馬戦線でも強力なライバルとなるであろうルヴァンスレーヴがいながらこの実績は普通にすごいと思いますね。

ゴールドドリームのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2022年セレクトセール当歳0頭/0頭0万円
2023年セレクトセール1歳1頭/1頭1650万円
2023年セレクションセール1歳4頭/4頭1540万円
2023年北海道サマーセール1歳32頭/39頭786万円
2023年北海道セプテンバーセール1歳8頭/9頭873万円
2023年北海道オータムセール1歳7頭/8頭405万円

セプテンバーセールはなかなかの高値で好調な売れ行き。売却率も水準以上です。

ゴールドドリーム産駒のクラブ募集馬状況

クラブ募集馬は今のところ10頭程度。

いや正直ですね、全然注目していなかったんですよゴールドドリーム産駒。募集馬がお披露目されるまでは。

入会クラブのユニオンで募集されている3頭。これがいずれもよく見えまして、一瞬で惚れ込んでしまいました。なかでも気に入ってしまったエンパイアシティの2022に出資済みです。

複数のクラブに満遍なく産駒が在籍していますね。しかも結構な高値の募集馬も。インゼルの
ジンジャーミストの2022は4800万円ですか。

舞台はやはりダートでしょうね。中央ももちろんですが、地方での成績がどうなるか。同じゴールドアリュール産駒ではエスポワールシチーが大活躍中ですが、そこに割って入っていけるだけのポテンシャルを感じます。

ノーブルミッション

フランケル全弟。実績は兄には劣るものの、G1を3勝と十分に成功を収めています。

ただこのG1勝はすべて5歳時のものでやや遅咲き傾向。産駒もそうなるかな?

当初は取り上げていなかったノーブルミッションですが、JRAのブリーズアップセールを見ていていい馬が多いように感じたので、2024年4月にこの項目を追加しています。

アメリカで種牡馬生活を送った後、11歳時に日本へ来ています。すでに15歳になるので国内で種付できる期間は短めです。

ノーブルミッションの種付実績

種付年度種付数種付料
2021年128頭150万円
2022年61頭150万円
2023年33頭150万円

種付数は毎年半減しちゃってますが、初年度の活躍によってはV字回復もありそう。

ノーブルミッションのセール実績

セール名売却数/上場数平均価格
2022年セレクトセール当歳0頭/0頭0万円
2023年セレクトセール1歳0頭/0頭0万円
2023年セレクションセール1歳2頭/2頭3465万円
2023年北海道サマーセール1歳20頭/25頭620万円
2023年北海道セプテンバーセール1歳5頭/8頭521万円
2023年北海道オータムセール1歳3頭/5頭377万円

売却率・売却額ともにまずまずといったところ。セレクションセールにて5940万円で売却されたリアライズハロックは要チェック。

ノーブルミッション産駒のクラブ募集馬状況

少ないんだよな〜クラブ募集馬。ラフィアンのイザヨイとタイキのコモモチャン。コモモチャンは母父ハービンジャー、母母父エルコンドルパサーと、かなり強いクロスが意識されていますね。これはノーブルミッションのポテンシャルを測る上で重要な配合といえそう。

日本軽種馬協会で供用されている種牡馬につきJRAもかなり力を入れている印象。だからこそセールで産駒を多数JRAが購入し、2024年ブリーズアップセールの上場数は最も多かったわけでして。しかもどの馬も非常に雰囲気が良く、これはもしかしたら活躍馬多数出るのではという気がしてきました。

ノーブルミッション自身は遅咲きでしたが、産駒はもしかしたら早め仕上げタイプも多いかも。夏の北海道、芝中距離で出てきたらとりあえず印を付けておきたいですね。

まとめ

いや〜この世代はかなりの曲者ぞろいじゃないですかね?

ディープ系種牡馬も充実していますし、サンデー孫世代も一巡した感じで、なんといいましょうか、種牡馬業界そのものが一旦熟した感はあるかなと。

こうなってくるとこの先も生き残っていく種牡馬っていうのは、マイル特化だったり地方ダート専用だったり、何か強みがないと厳しいんじゃないかと思うのですよ。ディープインパクトみたいに、芝の中長でバカスカ勝つような種牡馬は、当分の間は出ないんじゃないかなあ。

そしてこの世代、ダート種牡馬の種付数が多めな傾向というのも見逃せません。ダート新体制に向けての先物取引といったらいいんでしょうか。こうなってくると案外、芝のマイルあたりが手薄になりそうで、その恩恵に預かるような種牡馬が出てきてもおかしくないなと感じています。

と、前置き長くなりましたが、期待している2024年種牡馬はこちら!

  • ナダル
  • アドマイヤマーズ
  • フィエールマン
  • タワーオブロンドン
  • ゴールドドリーム
  • ノーブルミッション(2024.4.24追加)

注目のサートゥルナーリアとルヴァンスレーヴはあえて外しました。期待通りの活躍が見込めそうなので。ここでは期待を大きく、いい意味で裏切ってくれそうな新種牡馬をあげてみました。

ナダルとタワーオブロンドンは産駒に好きなタイプが多いですね。

でも前者は混戦模様のダートタイプが多いでしょうし、後者の短距離路線も今後は激しいサバイバルが繰り広げられそう。初年度の活躍ぶりが今後を大きく左右するのは間違いないでしょう。

アドマイヤマーズは、近年層が手薄なマイラー特化の種牡馬、そして貴重なダイワメジャー系ということで、これはかなり期待していいんじゃないかと思っています。社台の後押しもありそうですし。やはりスカーレットブーケの血ってのは大事だと思っていて、シーザリオやウインドインハーヘアほどの華やかさはなくとも、残っていってほしいですしね。願いも込めて活躍に期待です。

そしてフィエールマン。この中ではもっとも広い適性を見せてくれそうな種牡馬でしょうか。ディープ系種牡馬は激戦区1丁目ではありますが、初年度からバンバン活躍馬を輩出してほしいですね。

ゴールドドリームは混戦のダート戦線につき過度な期待を寄せるのもあれかもしれませんが、とにかく産駒の気配で言えば抜群に好きですね。

最後のノーブルミッションはブリーズアップセールを見た後に追加。「下手すりゃハービンジャー以上の活躍をするのでは?」なんて今は思っていますが。全く振るわずガッカリ種牡馬な可能性もまだまだあり得ますが、注目ではあります。

いやはやしかし、この世代の種牡馬はどれも癖が強くて面白いよなあ。

あげなかったですがモズアスコットやミスターメロディも気になりますし。

どの馬が大活躍するのか、全くわからん。ファーストシーズンサイアーランキングが熱くなる、そんな世代と期待しています。面白い2024年になりそうですね。

2024年産駒デビューの新種牡馬たち。その成果が見えてくるのは2026年の秋ごろになるでしょう。というわけでまた3年後くらいに、この記事の答え合わせをすることにします。