いや〜増えてきましたね〜。ディープインパクトの直孫。
今年デビューの2歳馬含めて、現役馬は1000頭ほどいるみたいです。
2022年はサトノダイヤモンド&リアルスティーの2頭のディープインパクト直系産駒が注目されています。
今後もさらにディープの孫が増えていくわけですが。
ディープ系と相性のいい母方はいるのかしら?
という疑問が湧いてきたので、今回集計をとってみました。
「父父ディープインパクト」賞金上位100頭の母父内訳
どう集計したらいいものかと思いましたが、以下の条件にて出してみました。
- 父父ディープインパクト
- 賞金上位100頭(2022年6月24日時点で獲得賞金4489万円以上)
- 母父の種牡馬別で頭数を集計
字面だけではよくわからないかもなのでさっそく結果を。こちら!
母父種牡馬 | 頭数 | 該当馬 |
---|---|---|
シンボリクリスエス | 5頭 | ソングライン |
フレンチデピュティ | 5頭 | ダディーズビビッド |
キングカメハメハ | 5頭 | ロードベイリーフ |
ジャングルポケット | 4頭 | ミッキースワロー |
クロフネ | 4頭 | クリスティ |
アグネスデジタル | 4頭 | ヤシャマル |
Dansili | 3頭 | ミッキーブリランテ |
エンドスウィープ | 3頭 | デュアリスト |
タイキシャトル | 3頭 | メイショウオワラ |
キングヘイロー | 2頭 | ディープボンド |
ボストンハーバー | 2頭 | ファインルージュ |
ブライアンズタイム | 2頭 | セダブリランテス |
エルコンドルパサー | 2頭 | アバルラータ |
アフリート | 2頭 | ウインドジャマー |
ホワイトマズル | 2頭 | フラーズダルム |
ウォーエンブレム | 2頭 | アネゴハダ |
そのほか、1頭の母父種牡馬については省略しております。
キンカメは実は相性△?
5頭だったシンボリクリスエス・フレンチデピュティ・キングカメハメハは競走馬の母数から考慮すれば順当。むしろキングカメハメハは相性が今ひとつな感さえあります。
父父ディープインパクトで2019年産までの対象馬数を数えたところ、母父シンボリクリスエスは92頭、フレンチデピュティは97頭、キングカメハメハは144頭いました(※目視につき数え間違いあるかも。お許しを)。
144頭中5頭が賞金上位100頭というと、やや見劣りしますよねキングカメハメハ。
とはいえ枠を広げてみれば、やっぱりディープ系×ミスプロ系は鉄板ともいえる配合。エンドスウィープやエルコンドルパサーやアフリートなど、対象馬数が少ないながらも上位に入っています。
デピュティミニスター系も相変わらずいいですね。
4頭だったクロフネに関しては、2019年産までの対象馬は102頭でした。
ロベルト系も当然○。
相性抜群なジャンポケ&アグデジ
ここまでは順当というか当たり前な集計になりましたが。ここで注目したいのが母父ジャングルポケット&アグネスデジタル。ともに4頭と健闘しています。
しかも2019年産までの対象馬は、ジャングルポケット44頭、アグネスデジタル36頭と、少ない中で高賞金馬を輩出しています。
ディープ系×ジャンポケというと、かつてのサンデーサイレンス×トニービンを彷彿とさせる上昇気流感が漂いますね。それにしても想像以上の活躍ぶりではないだろうか。最近ではピンハイの強さには驚かされました。今後も芝中長距離で超大物が出てきてもおかしくない。
アグネスデジタルも優秀。ちなみにアグデジに関してはジャンポケ×アグデジでも成功例が多く、ディープ・ジャンポケ・アグデジとの間には並々ならぬ三角関係を感じさせてくれます。
ディープ系×ジャングルポケット、ディープ系×アグネスデジタル。見かけたら要チェックです!
リファールのクロスが好材料
賞金上位にともに2頭いたキングヘイローとホワイトマズルはもちろんのこと、他の上位馬にも多くがリファールのクロスを有していました。これは絶対に覚えておきたい要素ですね。
最近ではキタサンブラックや、ジェンティルドンナもリファールのクロスを持っていました。芝の中長距離で圧倒的な強さを誇り、尚且つタフ。そういうタイプが生まれやすいのでしょうか。
例えばミッキースワローは母父ジャングルポケットで、リファールの5×3。リファールの父ノーザンダンサーで見るとさらに濃厚なクロスがかかっています。こういうタイプがいいんでしょうね。
いいな〜私もディープの孫でリファールクロスを持つタイプに出資してみたい!
Dansili〜デインヒルの可能性
母父Dansiliは上位100頭の中に3頭いましたが、このうちの2頭は同じ母エピックラヴによるもの。
兄弟にはダノンザキッドもいる非常に優秀な母系です。
母父Dansiliで2019年産までの対象馬は11頭ですから、ディープ系との相性はバッチリですね。
Dansiliを遡ればデインヒル、Danzig、そしてノーザンダンサー。やはりこの流れがいいんでしょうね。
ということは母父ハービンジャー(さらにその父Dansili)も楽しめる逸材が多そうです。現状はメイケイエールが代表格ですが、今後どんどん賞金上位に入ってくる母父ハービンジャーは増えていくと予想されます。
ディープ系との配合にとどまらず、母父ハービンジャーは今後トレンドになっていくと思います。
気になる2020年産ディープ直孫
いろいろ探っていくとキリがないディープ直孫の傾向。ここらで一旦切り上げ、今年デビュー予定の2020年産から気になる馬を挙げてみます。
無難なところで言えばミスプロ系やデピュティ系でしょうが、ここではあえてピックアップ対象から外しましょう。
ロベルト系は今回の考察でやや評価を下げたくなりました。サンデーサイレンスのクロスが入っているなど、さらなる強調材料がないとあげづらい印象です。
というわけでまずは今回の集計で最も気になった、母父ジャングルポケットとアグネスデジタルから。
母父ジャングルポケットだと2020年産対象馬は19頭。
この中でまず気になったのはノーザンファーム産のナウズザタイム。
父はリアルインパクト、母母父にフレンチデピュティ、さらに母母母父がサンデーサイレンスということで、サンデーサイレンスの3×4ですね。
Hold Your Peaceという馬のクロスもかかっているのですが、これはダート馬みたいですね。あまり耳にしたことはないかも。
セールで1430万円で落札、村上龍太郎氏所有のようです。すでに3頭所有しいずれも安田隆行厩舎なので、本馬もそうだろうか。でも師はそろそろ定年だったはず。
いずれにしろ気になりますよナウズザタイムは。チェックチェック。
そして絶対にあげないといけないのがランヴァル。父ダノンバラード、ナイママの全弟です。
ノルマンディーでの募集で、1440万円の募集総額。非常に楽しみな1頭ですね。
父ダノンバラードを応援しているので、個人的にかなり期待しちゃいます。
他に父サトノダイヤモンドからサトノシトラスなどなど、母父ジャングルポケットのディープ直孫には気になる馬がたくさんいます。
続いて母父アグネスデジタルですが、こちらは対象馬は14頭。
こちらは乙な配合が多く、トーセンラーの子が3頭もいたり。中でも気になったのはグレーターロンドン産駒の2頭で、サムワンライクユーとハッピーロンドン。それぞれミルファームと白井牧場産で、一癖も二癖もありそうな印象です。
そして気になっちゃうのはやはりダノンバラード産駒。サクセスバラードは兄姉の活躍が安定しているので、非常に楽しみですね。
そして本命はディーマジェスティ産駒のハイデフィニションの2020。
母父アグネスデジタルは意外性に富んだ配合が多く、目移りしますね。ものすごく意外なタイプからすごいのが出てきそうです。
母父ハービンジャーやリファールのクロス持ちでも気になる馬をあげようと思ったのですが、そろそろ疲れてきました。
2020年産では最後に、デインヒル系統の方から何頭か。
母方にデインヒルを持つサクソンウォリアーの子が気になるこの頃。
そしてサクソンウォリアーといえば新進気鋭のクラブ、インゼルだ!
というわけでフォミルマジックをチョイス。母父はDansiliでデインヒルの3×4が成立。ノーザンダンサーのクロスも濃ゆい。
以前インゼルに関する記事の中でもちょっと触れた1頭。
今後のインゼル、そしてサクソンウォリアーの将来を決定づける馬ともいえるので、デビュー戦には大注目ですね。
入会クラブで気になるディープ直孫
入会しているクラブのディープ直孫も少し見ておきましょう。
まず友駿ホースクラブの2020年産にはマルベリーシチーがいます。父サトノアラジンで母父キングカメハメハ。
サンデーサイレンスの4×3で今回の考察から憂いのない配合と言えます。満口馬で、デビューは当初よりやや遅めになる模様?
2021年産にはまずアルポルトの2021。父ロジャーバローズで母父ルーラーシップ。非常に未来的な配合です。こちらもサンデーサイレンスのクロスあり。
募集時にも気になる馬として挙げた1頭。馬体がもう少しメリハリついてきた段階で、出資の是非を考えたいです。
そしてもう1頭、プリンセスルーシーの2021。父リアルスティール、母父はStrategic Princeで、さらにその父がDansiliです。
これは今回の考察でいえば勝ちパターンですね!
ただ、募集開始時にも書いたのですが、プリンセスルーシーは同じディープ直子でもサクソンウォリアーが面白そうな気がするんですよね。デインヒルとサドラーズウェルズの両方でクロスがかかる。
いずれにしろ、プリンセスルーシーの子には注目したいです。成長の様子次第では十分出資対象です。
友駿は以上で、続いてユニオンオーナーズクラブ。
こちらは対象馬がたくさんいるので、今回の考察結果に近しい馬だけをあげていきましょう。
まず2020年産から、個人的にもかなり注目しているのがスクリプタム。父キズナで母父クロフネです。
募集総額800万円の激安馬で、速やかに満口となった馬でした。
この子はやってくれそうな気がするんですよね〜小桧山厩舎ってのも味わい深いですし。
そしてクラブ内外で話題沸騰中なのがハルオーブちゃん。Twitterが人気のようです。父ディーマジェスティで母父ファルブラヴ、サドラーズウェルズとフェアリーキングの全兄弟クロスがかかることが強調材料です。
早いデビューが見込め、尚且つ前評判もいいハルオーブ。ユニオン期待の一頭ですよ!
他、ファベルジェエッグ(父リアルスティール、母父タイキシャトル)も今回の傾向から期待値は高そうです。エクトゥシュタール(父リアルスティール、母父ワイルドラッシュ)は募集時から気になっている1頭ですが、今回の考察の流れではさして強調できる感じではないですね。母父ワイルドラッシュ自体は良いものではあると思いますが。馬体はこの子が一番好き。
ユニオンの2020年産該当馬は以上のはず。2021年産については…もう疲れたし、カタログ届いてからゆっくり考えることにします。もう後3日くらいで届くはずなんだ!
先行募集馬から、出資しているパールオブアフリカの2021だけは触れておきますか。父リアルスティール、母父Jeremyでデインヒルの流れを汲んでいます。今回の集計から見ても好材料。ただ、兄のワイズマン(父キズナ)がイマイチ振るわなかったのが気がかりではあったりします。
この子についてはデビュー戦の当日まで、半信半疑で見守ることになりそうな予感です。
おわりに
以上、ディープ直孫の比較考察でした。
この視点は面白いなと思いつつも、圧倒的に対象馬が多いため、この視点だけで期待馬を絞るのは至難だなというのが正直な感想。強調材料のひとつ程度に留めておくのがいいかもしれませんね。
あと今回見ていて思ったのは、インゼルのサクソンウォリアー産駒は日本国内でブイブイいわす可能性を感じられてきたこと。
募集当時は、サクソンウォリアーは欧州でこそ、と思っていましたが。そんなこともない気がしてきた。
来年以降の答え合わせが楽しみになりました。
さらにまとめとしてあえて再度書き留めたいのが、猫も杓子もディープ系×ミスプロ系ってのはどうかなと。ロベルト系も慎重な吟味が必要だと思います。
今後もこれらの鉄板配合パターンはガンガン出てきます(ユニオン2021年産にも多い)が、馬体をしっかり眺め通して、成長も見守りながら出資を決めていくのがいいなと感じました。直感で行くのはまずそう。
これらの鉄板な配合パターンよりも、リファールクロスやジャングルポケットそしてアグネスデジタルのような、ちょっと捻りの入った配合に魅力を感じたい。そう思える今回の集計でありました。
今回あげた注目馬については、何年か後に活躍の様子を再度見てみたいと思います!
面白い視点の集計だったので、来年か再来年にでもまたやりたいです。